資格名

外務省専門職

資格の種類

国家公務員

主催者

外務省

資格の概要

外務省専門職員は、外交を指揮する外務省高官(キャリア組)をいろいろな面で補佐する立場にある外交官。外務省の中堅職員である。特定の国や地域の言語、文化などに関するスペシャリストです。担当する語学と関連する国・地域の社会、文化、歴史等にも通じた専門家であるだけでなく、経済、経済協力、条約等の分野の専門家として活躍することが期待されます。

国家公務員採用試験とは別枠で選考され、この試験に最終合格すれば外務省専門職員採用候補者名簿に記載され、翌年4月に外務事務官として外務省に採用されます。現在の制度では採用後、外務省研修所において1ヵ月間の国内研修を受け、外務省で勤務した後、再び研修所での研修を経てから、在外公館に外交官補として配属されるのが原則になっています。5~6年ごとに本省勤務と在外公館勤務を繰り返しながら、専門とする語学の他に、関連する国や地域の社会、文化、歴史などにも通じた専門家として、また経済、経済協力などの専門家として活躍することが期待されます。



試験の合格率・難易度

難易度 
  「S」   超難関   

【資格の難易度レベル】
試験のレベルは国家公務員総合職と同レベルで超難関「S」。国家公務員試験の中でも特に語学が試験に大きなウエイトを占めます。そのため徹底した語学力を身につけることが必須の条件です。英語受験者は特に、TOEFLやIELTSでできるだけ高いスコアを獲得できるように対策しておかねばなりません。合格者の語学力はかなり高く、TOEIC高得点者・英検上級取得者がずらりと並びます。その他、試験では知識に加え、理解力、判断力、表現能力ならびに人物についても適格性が問われます。受験生には大学生・大卒者が多く、受験希望者は大学2年~3年位から長期的な対策をしておく必要があります。語学以外では、試験は1次試験が非常に重要で、その中でも専門試験の憲法・国際法・経済学が重要です。専門科目は記述式の試験であるため、最終的な目標は論文答案を書けるようにすることです。論文答案の基本は問題提起から結論、それに理由付けをはっきりと書けるようにしておかねばなりません。そのためには、分からない言葉や知らない言葉の意味を覚えることから始め、その次はどういう問題点があるのか、いわゆる論点についての勉強をします。
受験対策は初めて勉強するという人には独学はかなり効率が悪く、スクールでの勉強を選ぶべきでしょう。前年度の問題が外務省のホームページにて公開されるのでまずそれを参考にして、試験対策を始めるのがよいでしょう。

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合格率 
 2022年度外務省専門職員採用試験結果
申込者数335名 最終合格者数55名 合格率16.4%
・2021年度外務省専門職員採用試験結果
申込者数368名 最終合格者数52名 合格率14.1%
・2020年度外務省専門職員採用試験結果
申込者数368名 最終合格者数51名 合格率13.9%
・2019年度外務省専門職員採用試験結果
申込者数362名 最終合格者数48名 合格率13.3%
・平成30年度外務省専門職員採用試験結果
申込者数490名 最終合格者数49名   合格率10.0%
平成29年度外務省専門職員採用試験結果  
申込者数386名 最終合格者数48名 合格率12.4%

試験の内容・勉強法

外務省専門職員の主な仕事は、総合職試験合格組のいわゆるキャリアと呼ばれる人たちが、いろいろな重要な局で意思決定を行う際に必要な判断材料を提供することです。スペシャリストとして縁の下の力持ちとしての仕事をするのが外務省専門職員の仕事であるため、専門とする語学のみならず、当該言語と関連する国・地域の社会、文化、歴史等にも通じた専門家、あるいは経済、軍縮条約等の分野の専門家でなければなりません。従って、極めて高度な交渉力などが必要となるため、試験も非常に難易度が高い試験となっています。

採用試験では18ヶ国語から1ヶ国語選択する語学試験があるため、大学で外国語を専攻していた方は、ある程度有利ですが、外務専門職試験の最大の特徴は、論文試験が中心であるという点です。しかも憲法、国際法、経済学の3科目では、かなり難易度の高い問題が出題されています。また職務の特性から、外国語の能力が大きく評価されるという点もこの試験の特徴です。さらに2次試験では集団討論も課されます。また、語学だけでなく関連諸国の文化や社会、歴史、経済等に関する専門家として活躍するため、国際的センス、教養、社交性に裏づけられた柔軟な判断力と説得力なども必要になります。そこで問題になるのが、外務専門職試験の受験対策に資格取得専門スクールを利用するべきかどうかという点です。外務専門職は公務員試験の中でも難関試験のひとつで、中でも憲法や国際法、経済の専門科目の試験勉強にはかなりの時間が必要になります。特にコツをおさえて効率な学習をする必要がある科目で時間がかかることは、大きなロスを作りますので、ここはやはりスクールを活用して時間の削減を計るべきだと思います。

現制度では採用後は、入省後1ヵ月間外務省研修所(神奈川県相模原市)において国内研修を受け、引続き外務省本省に勤務したのち、再び研修所における 研修を経て、原則として研修語を履修するのに適した国にある在外公館に外交官補として配属になります。
試験に合格し、採用されれば、努力次第で幹部への昇格の可能性もあり学歴に関係なく、実力によって道が開 くことができる世界です。

試験日程

・試験日
  第1次試験:6月中旬の2日間
  第2次試験:7月中旬~上旬の指定された日
・申込期間
  3月下旬~4月上旬頃まで(採用予定がある場合)
・合格発表
  第1次試験:7月上旬
  第2次試験:8月中旬
  
  2023年度外務専門職採用試験日程

受験資格

(1)試験が行われる年の4月1日現在で、21歳以上30歳未満の者
(2)試験が行われる年の4月1日現在で、20歳未満で次に掲げる者
・翌年3月までに短期大学又は高等専門学校を卒業する見込みの者
・人事院が(ア)に掲げる者と同等の資格があると認める者
※「外務省専門職員として勤務することを希望する人は、受験語学にかかわらず、TOEFL(iBT)100点以上又はIELTS 7.0以上のスコアを有していることを推奨する」とされています。

※次のいずれかに該当する者は、この試験を受けることができません。
国家公務員法第38条・外務公務員法第7条・人事院規則)

・日本の国籍を有しない者または外国の国籍を有する者
・成年被後見人、被保佐人(準禁治産者を含む)
・禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
・一般職の国家公務員として懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から2年を経過しない者
・日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法またはその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、またはこれに加入した者

試験会場

・1次試験:東京都・大阪市     
・2次試験:東京都

受験費用

無料

試験方式

●1次試験
◇1日目 専門試験【記述式】 試験時間 6時間 
  ・(必須科目)国際法:2時間
  ・(いずれかを選択)憲法:2時間、経済学:2時間 各科目3題出題、うち各科目2題選択

◇2日目 
   ・基礎能力試験【多肢選択式】試験時間 2時間20分/40題(
知能分野27題、知識分野13題)
   ・外国語試験【記述式】試験時間 2時間 和文外国語訳2題 外国語和訳2題 計4題解答
   ・時事論文試験:【記述式】試験時間 1時間30分 時事問題についての筆記試験 1題
●2次試験(1次試験合格者)
 ・人物試験:
  グループ討議 6~7人でテーマについて40分間討論/
個別面接(2回)試験時間 10~20分程度
 ・外国語試験(面接):2対1で15分程度面接
 ・身体検査:胸部エックス線撮影などを含む一般的な身体検査  
    以上の内容で約10日の間に行われます。

◆合格基準
①1次試験の基礎能力試験において、一定の基準点に達しない者は他の科目の成績のいかんにかかわらず不合格となります。
②2次試験の人物試験において、一定の基準点に達しない者は他の科目の成績のいかんにかかわらず不合格となります。

試験科目

●1次試験
・専門試験:憲法、国際法、経済学
・基礎能力試験:公務員として必要な基礎的能力
 知能分野:文章理解、判断推理、数的推理、資料解釈 27題
 知識分野:自然・人文・社会(時事含む) 13題
・外国語試験:外国語和訳/和文外国語訳(英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、アラビア語、ペルシャ語、ミャンマー語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、中国語、朝鮮語のうちから1ヵ国語を選択) 

・時事論文:1題
●2次試験
・人物試験:個別面接の参考として性格検査が実施されます。
・外国語試験:1次試験で受験した外国語によって行います。 
・身体検査:胸部疾患、血圧、尿、その他一般内科系の検査

試験関連情報

【資格の難易度情報】
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●関連資格
国家公務員総合職
国家公務員一般職

問い合わせ先

外務省大臣官房人事課採用班  http://www.mofa.go.jp/mofaj/
〒100-8919 東京都千代田区霞が関2-2-1 TEL 03(3580)3311   

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講座・スクール

◆通信講座一覧
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