資格名

実用英語技能検定

資格の種類

公的資格      

主催者

財団法人日本英語検定協会

資格の概要

【資格の概要】
◆どんな資格?
「実用英語技能検定(英検)」は、1963年に創設されて以来、延べ7400万人が受験(2023年12月31日時点)し、現在は年間約250万人が受験している国内最大規模の英語検定試験です。「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能を、筆記・リスニング・スピーキングのテストで直接・的確に測定し、英語総合力の合否を判定します。受験級は初級の5級から4級、3級、準2級、2級、準1級、1級の7つの級があります。
また、日本英語検定協会は実用英語技能検定(英検)の他に英検Jr.(旧・児童英検)・英検IBA・IELTS・TEAP・BULATSなどを主催しており、合わせて「英検」と総称しています。どれも実社会で役立つ英語力を測る資格試験になっています。➡ 各級の目安

◆どんな分野で役立てられますか。
主に受験や就職活動に使われることの多い試験ですが、日常生活で英語を利用するためやスキルアップのためにチャレンジする方もたくさんいます。また、一定級の英検取得者は内申点加算や合格判定優先などの優遇を設けるなど、合格者優遇する学校もあります。

◆英検を取得するメリットは。
英検は、数ある検定試験の中でも日本最大級の規模を誇る検定試験です。日常会話からビジネスへの活用まで幅広いレベルに級が設定されており、受験者も小学生からお年寄りまで広い層に渡っています。実力に応じて企業では海外業務などの他、就職や転職活動に、また学生は将来の進路や就職活動などにメリットがあります。
具体的には、
①英語力の証明として
 ・就職や進学に有利になります。
 ・外資系企業や英語を使う職種では、英検の資格があれば有利になります。
 ・海外留学などでは、多くの大学や留学機関で、英検のスコアが英語力証明として認められています。
②英語力向上の指標に使える
 ・自分の英語力を客観的に把握することができます。
③コミュニケーション能力の向上
 ・合格することで、より自信を持って英語でコミュニケーションを取ることができるようになります。

◆英検を取得できれば、どんな仕事に役立てられますか。
・外資系企業では英語でのコミュニケーション能力が求められ、就職や昇進に有利に働きます。
・貿易、物流業では多くの取引先と円滑なコミュニケーションを取ることができます。
・観光業では多くの外国の観光客に満足のいくサービスを提供することができます。
・教育、研究機関、情報通信業などでは海外との共同開発や、海外市場への進出など、英語を使う機会が増えています。

◆英検取得後の次のステップとする資格は?
英検の2級レベルの力をつけてから、本格的にTOEICにチャレンジすると英語の実力が伸びやすいと言われていますので、企業での能力開発として重要視されている「TOEICテスト」はいいステップになります。
また、「米国公認会計士」など、英検上級レベル+α(専門スキル)を身につけて飛躍するステップも有望です。

◆受験者数はどれくらいですか。
毎年約250万人の受験者がチャレンジしています。
2023年度の英検の受験者数は、英検Jr.、英検IBA、英検の合算で420.6万人でした。

試験の合格率・難易度

【合格率】
◆合格ラインはどれくらい?
英検の合格ラインは、CSEスコア方式導入後、以前よりも複雑になりました。しかし、過去のデータや各級の合格基準スコア、その他を総合的に分析することで、ある程度の見込みをつけることは可能です。
・CSEスコアと素点の関係
各技能の正答数から算出されるCSEスコアは、満点・合格基準スコア・不合格基準スコアがそれぞれ設定されています。満点と合格基準スコアは公開されていますが、不合格基準スコアは非公開です。➡ 各級の基準スコア
・級別の合格ライン(素点換算目安)
各級の合格ライン(素点換算目安)は、以下の表の通りです。あくまで目安ですので、試験問題の難易度や受験者層によって多少変動することはあります。
     <1次試験>                <2次試験>
     CSEスコア (素点換算目安)  CSEスコア (素点換算目安)
    合格基準   合格ライン     合格基準   合格ライン
・1級  2028 2028/2550   602   602/850
・準1  1792 1792/2250   512   512/750 
・2級  1520 1520/1950   460   460/650
・準2  1322 1322/1800   406   406/600
・3級  1103 1103/1650   353   353/550
・4級  622  622/1000     -      -

◆合格率の推移
英検は、2016年度から新しい合否判定方法に変わり、英検CSEスコアに基づく判定となったため、2016年度以降のデータは公開されなくなりました。

【難易度】
◆難易度レベルは?
   1級  「A」  難関
   2級  「B」  普通
   3級  「C」  やや易しい
  「英検」の難易度ランキング

◆試験はどこが難しいか。
英検は2級以上の試験になると難易度が一気に高くなり、合格率も低くなります。しかし、履歴書にも書けるレベルは2級以上なので、社会人の場合には、難易度は高いですが英語力の証明になる2級以上を狙いますが、英検2級は、高校卒業程度~大学入試レベルの英語力が求められる試験であり、合格率は約25%程度と、決して簡単ではありません。多くの受験者が難しさを感じているポイントは、以下の3項目です。
①語彙力:英検2級では、日常生活レベルの英語に加え、アカデミックな単語や専門用語も多く出題され、 単に単語を覚えるだけでなく、そのニュアンスや用法まで理解する必要があります。
②長文読解:リーディング問題では、長文読解力が求められますが、英検2級の長文の内容が難解であるため、論理的に思考し、筆者の意図を読み取るのが難しいこと。
③過去問による学習:2級は、過去問を繰り返してする学習方法だけでは対応が難しく、語彙の追加と、過去問以外の他の問題集による学習が必要になること。などが挙げられます。

一般的には、2級まではそれ程難解ではないですが、準1級、1級は単語のレベルも上がり、二次試験でもスピーチ力が要求され難易度がアップします。英検の最も標準的レベル「2級」の場合、勉強期間は3ヶ月~半年程度です。しっかりと学習すれば独学でも何とか、と言われるレベルです。しかし、1級の場合は、この勉強時間数では普通の人には無理でしょう。1級の場合はこの勉強量では足りません。1級は、英語の教員でも取れるかどうかというレベルです。社会人なら準1級がベストだと考えていいと思います。

試験の内容・勉強法

【試験の内容】
◆主にどのような問題が出題されますか。
<1級・準1級>
このクラスでは品格のある英語力と英語の総合力が問われます。筆記、リスニング、面接試験のほか、メールで返信するときの英文やスピーチ、質問への応対など、実践的な英語力が求められます。
<2級・準2級>
文章を読んで解答する設問が多くなります。教育分野や科学、医療、技術分野などの専門的な題材の文章読解力などが求められます。
<3級>
中学校の教科書プラスアルファの単語で、高校入試レベルの英語基礎力が問われる内容になっており、筆記やリスニング中心の試験となります。

  ➡ 詳しい出題傾向や目安は公式サイトの「各級の目安」で確認ください。

◆合格に習得が必要な知識や技術とは。
<1級>
・単語: 非常によく使われる単語に加え、アカデミックな分野で使われる専門用語
・文法: 複雑な文法構造、イディオム、慣用句
・リスニング: 講演、ニュース、ディスカッションなど、高度な音声を聞き取る
・リーディング: 論文、記事、書籍など、専門的な文章を読み、内容を理解し、分析する
・スピーキング: アカデミックな議論、プレゼンテーション、交渉
<2級>
・単語: 高校レベルの単語
・文法: 高校レベルの基本的な文法事項
・リスニング: アカデミックな内容を含む、より高度な音声を聞き取る
・リーディング: 長文読解、論理的思考力、批判的思考力
・スピーキング:状況に応じた議論、プレゼンテーション
<3級>
・単語: 中学3年生レベルの単語
・文法: 中学3年生レベルの基本的な文法事項
・リスニング: ニュースやインタビューなど、より複雑な音声を聞き取る
・リーディング: 長めの文章を読み、内容を理解し、分析する
・スピーキング:状況に応じた意見交換や説明
<5級と4級>
・英語学習の基礎固めに重点が置かれます。

◆どの科目が重要ですか。
英検で各級に合格するためには、それぞれの級で求められる知識と科目をしっかりと学習しなければなりませんが、すべての級において、リスニングとリーディングは特に重要です。理由は、英語を使う場面においては、相手の話や文章を理解することは必須だからです。3級以上はスピーキングも重要になります。英語を話せることは、国際社会で活躍するためには不可欠です。


【勉強方法】
◆効率的な学習方法とは。
英検の場合は、級別の難易度は違いますが、勉強法には多くの共通点があります。
①単語や熟語を覚える ②過去問を繰り返し解いて力をつける、さらに出題傾向を分析する。③英文を声を出して読んだり、繰り返し聞く。④スピーキングや面接対策にはネイティブスピーカーとの実際の会話で力をつける。
さらに、英検は独学でも合格可能な試験なので毎日コツコツと勉強を続けることがより早く合格に近づく道です。
また、一般的に言われる「英検合格のための効率的な学習法」は、以下のような手順を推奨しています。
目標設定➡学習計画の作成➡自分に合った教材を選ぶ➡毎日少しずつでもコツコツ学習する➡過去問を解く➡
単語帳を活用する➡英文法を理解する➡リスニング力を鍛える➡スピーキング力を鍛える➡英語に触れる機会を増やす

◆独学による突破は?
英検を独学で突破することは可能です。 実際、独学で英検1級に合格した人もたくさんおられますが、「英会話に必要なコミュニケーション力を向上させたい」目的などがある場合には通学又はオンラインをお薦めします。
独学には、①自己管理が難しい ②モチベーションを維持するのが難しい ③間違った学習方法をしてしまう可能性がある、などのリスクもありますので、リスクを克服するために、以下の注意をすることが必要です。
<注意が必要な点>
・明確な目標を設定する
・自分に合った学習計画を作成する
・質の高い教材を選ぶ
・必ず毎日少しずつでも学習を続ける
・定期的に自分の実力を確認する
・必要に応じて、オンライン英会話や英検対策講座などを活用する

◆学習に必要な期間(時間)について。
<1級・準1級>
級が上がるごとに段階的に難易度は上がってくるので地道な毎日の積み重ね学習が大事です。普通、3級レベルの人が準1級合格までに、約1年程度の勉強時間が必要になります。さらに、準1級の英語力を持った人が1級を取得するには、必要な学習時間は約500〜600時間とされています。ただ、これからは英検を受けるならグローバルな英語能力判定資格のTOEICを受験する方がベターとされる可能性もありますので考慮が必要です。
<2級・準2級>
英検で目指す人が一番多いのが、この2級です。日常生活や職場に必要な英語を理解し、特に口頭で表現できるレベルです。レベル的には高校中級~卒業レベルの英語力が問われますので、試験対策には大学受験時代の参考書類が活用でき、合格までに5ヵ月~半年程度かかる場合が多いようです。また、準2級合格には平均2か月の学習時間が必要でしょう。尚、準2級と2級の難易度の差は大きく、準2級保持者が2級に合格するために、学習時間が最低2か月は必要です。
<3級>
英検3級は中学卒業程度の英語力とされており、合格に必要な学習時間の目安は約15~20時間です。
英検3級合格に必要な単語数は、2,100語程度ですが、中学校の3年間の教科書で学習する単語数は1200ほどなので、中学生でこの級を受験する場合は、学校の教科書プラスアルファの単語学習が必要になります。3級では大体、高校入試レベルの英語基礎力が問われる内容になっていますので、筆記やリスニング中心の試験となります。

試験日程

【試験の実施計画】
試験日:年3回の受験機会があります。
第1回
 (申込み)3⽉中旬〜5⽉上旬
(一次)5月下旬~6月上旬 
(二次)A日程:7月上旬 B日程:7月中旬 C日程:7月下旬
第2回
 (申込み)7⽉上旬〜9⽉上旬
(一次)9月下旬~10月上旬
(二次)A日程:11月上旬 B日程:11月中旬 C日程:11月下旬
第3回
 (申込み)11⽉上旬〜12⽉中旬
(一次)1月中旬~1月下旬 
(二次)A日程:2月中旬 B日程:2月下旬 C日程:3月上旬


【次回の試験日程・申込期限】
2024年度英検 試験日程(第1回・2回・3回)

受験資格

年齢、性別、学歴等に関係なく誰でも受験できます。
ただし、準1級以上の受験については、前級(準1級の場合は2級)に合格していることが受験の条件となる。

試験会場

・本会場
 全国47都道府県の約230都市、および海外4都市に協会が設置する公開会場。
個人で申し込みされた方、団体で本会場申込をされた方は本会場での受験となります。
※試験会場は試験日の6日前に受験票にて通知。
    ➡ 個人申込をした場合の試験会場については、こちらを確認ください。

・準会場
 協会が準会場として認めた団体が設置する試験会場
受験者が所属する団体(学校・塾・企業など)から団体申込をし、申込団体が設置した試験会場で受験することを「準会場受験」といいます。
※準会場で受験する場合、試験日程などの詳細は、所属団体の英検担当者に直接確認ください。
問い合わせはこちら

 ➡ 会場について

   ➡ 受験地一覧

受験費用

【1次試験:準会場 ・2次試験:本会場 の場合】
 2級 9,100円 準2級 8,500円 3級 6,900円  
 4級 4,700円  5級 4,100円 (税込)

【1次試験:本会場 ・2次試験:本会場 の場合】
 1級 12,500円 準1級 10,500円 2級 9,100円 準2級 8,500円
 3級 6,900円   4級 4,700円    5級 4,100円 (税込)

試験方式

2024年度試験から出題形式(赤字の部分)がリニューアルされました。
●試験方式は級により異なります。
・1級(大学上級程度)
一次試験 リーディング・ライティング(100分)、リスニング:(約35分)
二次試験 スピーキング:(約10分)
・準1級(大学中級程度)
一次試験 リーディング・ライティング(90分)、リスニング:(約30分)
二次試験 スピーキング:(約8分)
・2級(高校卒業程度)
一次試験 リーディング・ライティング(85分)、リスニング:(約25分)
二次試験 スピーキング:(約7分)
・準2級(高校中級程度)
一次試験 リーディング・ライティング(80分)、リスニング:(約25分)
二次試験 スピーキング:(約6分)
 ➡ 準2級と3級のライティングテストについて
・3級(中学卒業程度)
一次試験 リーディング・ライティング(65分)、リスニング:(約25分)
二次試験 スピーキング:(約5分)
・4級(中学中級程度)
リーディング(35分)
リスニング(30分)
・5級(中学初級程度)
リーディング(25分)
リスニング(20分)
※併願:同一試験日・同一会場での試験では隣接する2つの級を併願することができます。
 ➡ 各級の目安

※各級の審査基準(審査基準は各級によって異なります)
 ➡ 基準の内容

試験科目

2024年度試験から出題形式がリニューアルされました。
    ➡
リニューアル内容の詳細
・Reading:
 1級〜準2級を対象に「語彙問題」「長文問題」の設問数が削減されました。
 ・リニューアル後 1級35問 準1,2級31問 準2級29問 3級(変更なし30問)
・Writing:
 各級で1題追加されるので、計2題の出題数となります。1級〜2級は既存の指定されたトピックについて意見論述を行う問題に加えて、「要約問題」が1題追加されます。また、準2級と3級は、既存問題に加え「Eメール問題」が加わりました。
・Listening:
  リスニング問題の変更はありません。
・Speaking:
 スピーキング(二次試験)に関しては、準1級のみリニューアルされています。「受験者自身の意見を問う質問」に話題導入文が追加されました。

試験関連情報

2024年から「英検」はリニューアルされました。
具体的には、
 ・一次試験の英作文問題が1題から2題に増加しました。
 ・1級〜2級では、要約問題が追加されました。
 ・準2級と3級では、Eメール問題が追加されました。

●関連資格
 TOEIC  
 TOEFL

問い合わせ先

公益財団法人 日本英語検定協会  http://www.eiken.or.jp/
〒162-8055 東京都新宿区横寺町55  TEL03(3266)8311

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