資格名 | 正式名称:IATA・FIATA INTERNATIONAL CARGO AGENTS TRAINING PROGRAMME
※日本語の資格名 「国際航空貨物取扱士」
※IATA International Air Transport Associationの略 (国際航空運送協会) |
資格の種類 | 国際資格 |
主催者 | 認定:IATA(国際航空運送協会) |
資格の概要 | 「IATAディプロマ」は、IATA(国際航空運送協会)が航空貨物運送についての知識とスキルを認定する世界80ヶ国で通用する国際資格です。1977年より始まり、現在、世界100カ国で実施されており、すでに5万人以上が受験しています。合格者には「IATA DIPLOMA(ディプロマ)」という国際資格認定証が授与されます。航空貨物運送業界への就職、転職の際に有利となる自己証明書になります。日本では「国際航空貨物取扱士資格」とも呼ばれます。
IATAディプロマには、「基礎コース」、「危険物コース」、「危険物資格更新コース」 の3つの資格試験コースがあります。
①基礎コース(Cargo Introductory Course)
航空便手配の基礎となる国際航空貨物の基礎知識を学ぶコース
②危険物コース(Dangerous Goods Regulations-Initial)
危険物の輸送に関わる知識を学ぶコース
③危険物資格更新コース(Dangerous Goods Regulations-Recurrent)〕の試験
どの資格試験も日本だけでなく世界100カ国で通用する国際資格です。合格者には「ディプロマ」という国際資格が付与され、航空貨物運送業界への就職、転職の際に有利となる自己証明書になります。また、これらの資格はCARGO分野での受験者数が世界で毎年30,000人を超える重要な資格として認知されています。
尚、試験教材及び試験問題は各国共通で、世界中の受験者が同じ問題に取り組んでいます。
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試験の合格率・難易度 | ●難易度
基礎コース 「C」 やや易
危険物コース 「B」 普通
【資格の難易度レベル】
IATAディプロマ認定試験の受験者数は、毎回おおよそ基礎コースで600名、危険物コースで200名くらいです。また合格率は基礎コースで約60%、危険物コースで約40%でそれほど難易度も低くありません。試験は、講座で設定されている18ヶ月の自宅学習のなかで資格試験を受けて受かれば合格できます。初学者もまじめに勉強すれば取得できるレベルです。ただ試験はすべて英語で行われますが、高校卒業程度または日常会話レベルの英語ができれば問題ありません。送られてくる教材で学習すれば、基礎コースの場合、最短2ヵ月で修了できます。
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●合格率
2023年度IATAディプロマ認定試験実施結果
基礎コース 年6回実施 受験者数 668名 合格者数 557名 合格率 81.0%
(JAFA)基礎コース 受講者数 43名 合格者数 43名
(JAFA)荷主向けコース 受講者数 68名 合格者数 67名
(JAFA)フォワーダー向けイニシャルコース 受講者数 223名 合格者数 214名
(JAFA)フォワーダー向けリカレントコース 受講者数 74名 合格者数 73名
2022年度IATAディプロマ認定試験実施結果
基礎コース 年6回実施 受験者数 638名 合格者数 516名 合格率 80.9%
危険物コース 年4回実施 受験者数 195名 合格者数 131名 合格率 67.2%
危険物資格更新コース年回実施 受験者数 60名 合格者数 51名 合格率 85.0%
2021年度IATAディプロマ認定試験実施結果
基礎コース 年6回実施 受験者数 518名 合格者数 432名 合格率 83.4%
危険物コース 年6回実施 受験者数 201名 合格者数 142名 合格率 70.6%
危険物資格更新コース 年回実施 受験者数 61名 合格者数 54名 合格率 80.5%
2020年度IATAディプロマ認定試験実施結果
基礎コース 年1回実施 受験者数 183名 合格者数 165名 合格率 90.2%
危険物コース年2回実施 受験者数 304名 合格者数 239名 合格率 78.6%
危険物資格更新コース 年2回実施 受験者数 57名 合格者数 55名 合格率 96.5%
2019年度IATAディプロマ認定試験実施結果
基礎コース 年2回実施 受験者数 559名 合格者数 483名 合格率 86.4%
危険物コース 年4回実施 受験者数 364名 合格者数 250名 合格率 68.2%
危険物資格更新コース 年4回実施 受験者数 63名 合格者数 58名 合格率 92.1% |
試験の内容・勉強法 | ディプロマの資格取得のための学習はインターネット講座や各種学校もあるようですが、基本的には在宅学習で資格取得できます。受講の手順は、上記「試験の概要」にもある通り、協会に受講登録をすると教材が送られてきます。それに従って、まずは自宅学習からスタートします。協会からは、協会が教材を送付した受講登録者だけを対象に試験の受験者を募集します。受験を希望した場合は、事前に講習会開催案内が送られてきますので、受講可能な日を選んで受講を申し込みます。この試験は、協会より送られてくるテキストで自学自習して試験を受けることが前提になっていますので、受験申込みの前に、この自習のための登録が必要になるわけです。協会ではこれを協会では「受講登録(Enrolment)」と呼んでいます。受講登録すると、協会から、参考資料を含めて7冊の自習用の英語で記述されたテキストが送られてきます。また、協会のウェブサイトで過去問と正解をダウンロードできます。これらを活用して学習します。
試験では問題文も答も全て英語ですが、日常英会話レベルの英語なので英語の難易度はそれほど高くありません。問題の内容は基礎コースでは「輸送取扱いの基本的な知識」と考えればよいでしょう。一方、危険物コースでは、1000ページ以上ある非常に分量の多い「航空危険物規則書」を正しく活用して各規則を確認できるかどうかが成否を分けます。
海外・貿易関係資格の中で比較した場合、試験の難易度は基礎コースの場合、貿易実務検定C級と同程度と考えてよいでしょう。尚、試験前には各コースとも、受験予定者を対象に、東京、名古屋、大阪、福岡等で事前講習会が開催されます。参加費用は無料です。(参加義務はありません)
日本では、過去には主として当協会会員会社の業務担当社員が受験してきましたが、最近では、航空会社、空港での各種の作業会社、空港施設会社、大学生、専門学校生など、受験者の幅も広がってきています。もちろん、輸出入の業務に携わる人が多いようです。
合格者には「ディプロマ」という国際資格が付与されます。ディプロマは、海外では就職、転職の際に必須の自己証明書になるものです。日本国内でも、IATA-FIATAディプロマの資格取得でキャリア・アップを図ったり、就職や転職の際のアピール・ポイントにすることが可能です。
ディプロマの資格取得者が活躍できる場は、航空会社や空港施設会社、商社、メーカーなど、航空貨物業界や貿易、流通関係業界が中心になります。また、仕事は輸送スケジュールの作成や各種航空貨物の運賃計算、航空貨物運送状作成が主になります。 |
試験日程 | ●試験実施
・基礎コース:年2回(3月・9月)。
受験有効期間は12カ月、期間内であれば2回まで受験可能です。
・危険物コース:年4回(3月・6月・9月・12月)。
受験有効期間は12か月で、2回まで受験可能です。
・危険物資格更新コース:年4回(3月・6月・9月・12月)。
受験有効期間は12か月で1回受験可能です。
※どのコースも受験有効期間が経過、又は2回とも不合格になると受験資格は失効、改めて受講登録が必要になります。
●試験の申込方法
受験するためには受講登録(Enrolment)をしていることが前提になりますので、最初に「受講登録」を行います。
各コースとも「受講登録」は、JAFA Webシステムより行います。
※サイトは受講募集期間中のみ開きます。
①個人情報の登録を行う。
②コース(基礎コース・危険物コース・危険物資格更新コース)を選択します。
③教材を購入します。
●受講登録(Enrolment)後の受験までの流れ
・受講登録のあと、IATAモントリオールより英文教材到着後、全ての教材が送られます。
①試験(Registration)の案内
②事前講習会の案内(登録のE-mailアドレスへ、①の試験案内と同時に送付)
③受験票・試験実施要領(試験の約10日前に送付)
※航空貨物運送協会に受講登録後送られて来る教材で自宅学習し、その後講習会に参加してから、受験します。
※日本国内でIATAディプロマ認定試験を受ける場合、JAFA 一般社団法人航空貨物輸送協会 を利用します。
2025年度IATA ディプロマ(危険物コース)試験スケジュール
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受験資格 | ・制限はありません。
・受講登録済みで受験有効期間中の方。
※どのコースも誰でも受験出来ます。受験コースの順番はありません。
※危険物資格更新コースは危険物コースを合格した者。 |
試験会場 | ・札幌、仙台、東京、大阪、名古屋、福岡、広島、沖縄
※事前講習会(参加自由)
東京、名古屋、大阪、福岡(受験予定者対象) |
受験費用 | ・基礎 コース
非会員価格 58,520円(税込) JAFA会員価格 47,850円(税込)
・危険物 コース
非会員価格 53,900円(税込) JAFA会員価格 43,230円(税込)
・危険物資格更新 コース
非会員価格 48,840円(税込) JAFA会員価格 38,170円(税込) |
試験方式 | ・基礎コース
国際航空貨物の運送状及び輸送スケジュールの作成、運賃計算等についての基礎知識が問われる
出題:試験は英語で行われ、100題出題(四択問題) 試験時間3時間
英文教材( TACT Training Edition)を参照しながら解答します。
合格基準:100点満点中60点以上の正解で合格。ディプロマが授与されます。
合否:試験終了後、直ちに合否が判明します。合格証は自宅に郵送またはデジタル合格証が発行されます。
・危険物コース
IATA危険物規則書(DGR)についての関連書類、輸送梱包等の専門知識が問われます。
出題:試験は英語で行われる。試験時間3時間半
英文教材(IATA危険物規則書)を参照しながら解答します。
合格基準:試験の配点は100点満点で、80点以上で合格し、Certificate (ディプロマ)が授与されます。
・危険物資格更新コース
出題:試験は英語で行われる。試験時間3時間半
英文教材(IATA危険物規則書)を参照しながら解答します。
合格基準:試験の配点は100点満点で、80点以上で合格し、Certificate (ディプロマ)が授与されます。
●試験の1カ月前に過去の試験問題を参考にし、試験対策を中心とした実践的な内容の講習会が開かれます。試験は英語で行われます。試験対策の講習会ですので自学習を前提として参加下さい。なお、事前講習会は任意参加です。
・英文教材のOAF Training Edition 及び TACT Training Edition をみて解答します。
・配点は100点満点で、60点以上で合格。
※基礎コースの受講登録が終わると、申込後18カ月間に実施される3回の試験のうち2回まで受験可能になります。1回目の試験で不合格でも、もう1回受験チャンスがあります。 |
試験科目 | 【学習内容】
●基礎コース
国際航空貨物の運送状(AWB)及び輸送スケジュールの作成、運賃計算等についての基礎知識が問われます。
1.発着地空港を中心とした世界地理
2.国際時刻表の見方と利用方法
3.航空機の種類と機能
4.航空貨物運送状の作成
5.TACT(THE AIR CARGO TARIFF)の規則と航空貨物運賃・諸料金の計算等について、基礎知識について解説した英文のテキストと和文の教材をもとに自宅学習をします。
●危険物コース
IATA危険物規則書(DGR)についての関連書類、輸送梱包等の専門知識を問われますが、特に
1.IATA DANGEROUS GOODS REGULATIONS (IATA) 危険物規則書の正確な適用
2.危険物の輸送に関する輸出者、貨物取扱店及び航空会社の適正な取扱いについて
3.適確な梱包、マーキング、ラベリング
4.危険物輸送の諸条件を満たした危険物申告書及び航空貨物運送状の作成等についての質問が出ます。
IATA危険物規則書をよく理解して、危険物輸送の特殊性に習熟することが必要です。
●危険物資格更新コース
ICAO(国際民間航空機関)規則の改正が毎年多いため、最新知識の習得を第一として有資格者の資格更新が義務付けられています。
※危険物(M2)コースと、教材・試験問題とも全く同様です。
IATA危険物規則書(DGR)についての関連書類、輸送梱包等の専門知識が問われます。 |
試験関連情報 | 【資格の難易度情報】
・資格の難易度とランキング
・ジャンル別資格の難易度ランキング
●試験関連情報
この資格は、CARGO(貨物)分野での受験者数は世界で毎年30,000人を超える重要な資格として認知されています。
●関連資格
貿易実務検定
通関士 |
問い合わせ先 | (社)航空貨物運送協会
〒104-0033 東京都中央区新川1-6-1 アステール茅場町4階
電話(03)6222-7571 FAX(03)6222-7577
URL: http://www.jafa.or.jp/diploma/ |
【以下の各項には一部広告が含まれています。】 |
教材(テキスト・参考書) | IATAディプロマ基礎コース参考書2冊セット(Edition5) |
教材(過去問・問題集) | - |
講座・スクール | - |