資格名

コンプライアンス・オフィサー
※試験名:金融コンプライアンス・オフィサー認定試験

資格の種類

民間資格

主催者

日本コンプライアンス・オフィサー協会

資格試験の概要

「コンプライアンス・オフィサー」の名前のつく民間資格は3つありますので注意が必要です。
(1)コンプライアンス・オフィサー協会主催の「コンプライアンス・オフィサー認定試験」
(2)一般社団法人コンプライアンス推進機構が主催する「認定コンプライアンス・オフィサー(CCO)」
(3)金融財政事情研究会が主催する「金融業務能力検定」の中の1科目、「コンプライアンス・オフィサー(SCO)」
どれも名称が似ていますが、それぞれ内容はかなり異なる民間資格試験です。
ちなみに、(1)は金融系の資格ですが、(2)は一般の企業倫理、企業法務に関する総合的なコンプライアンスを扱い、(3)は金融業界向けの試験で、銀行コースや生命保険コースなど、4つのコースを設けています。
(2)の 「認定コンプライアンス・オフィサー(CCO)」について、詳しくはこちらを。 
(3)の「金融業務能力検定」の中の1科目、「コンプライアンス・オフィサー(SCO)」についてはこちらを参照ください。

このペサイトで扱う「コンプライアンス・オフィサー」は(1)の日本コンプライアンス・オフィサー協会の「コンプライアンス・オフィサー認定試験」です。




全ての企業人、組織人が持ち合わせていなければならない基本的な資質には、法令遵守、職業倫理などがありますが、この試験は、主に金融機関の行職員などが基本的な資質として備えておかねばならない倫理観や社会的常識、法令等に関する知識などについて、その習得の程度を測る目的で実施されている試験です。
コンプライアンス・オフィサー認定試験には、以下の4種類の試験があります。
①金融コンプライアンス・オフィサー2級・1級
②保険コンプライアンス・オフィサー2級
③金融個人情報保護オフィサー2級
④JAコンプライアンス3級
※ここではこのうちの①金融コンプライアンス・オフィサー2級・1級 ②保険コンプライアンス・オフィサー2級 の2種類の
試験について掲載し、解説しています。

「金融」と「保険」の2種類の認定試験は、それぞれ一般行職員向きの2級と金融機関の上級管理者向きの1級の認定試験になっています。「金融コンプライアンス・オフィサー 2級」は、初級管理者および一般行職員に求められるコンプライアンスに関する実務知識等、また「金融コンプライアンス・オフィサー 1級」は上級管理者に求められるコンプライアンスに関する実務知識等、「保険コンプライアンス・オフィサー2級」は保険会社職員に求められるコンプライアンスに関する実務知識等についての試験になります。
試験で一定基準を満たした受験者には、日本コンプライアンス・オフィサー協会より認定証書が発行されます。

  → 試験の詳しい内容はコンプライアンス・オフィサー協会のページで確認ください。

合格率・資格難易度

難易度 
  2級  「C」 やや易 
  1級  「B」 普通

【資格の難易度レベル】
金融財政事情研究会が主催する「金融業務能力検定」の中の科目である「コンプライアンス・オフィサー」と比較すると、このコンプライアンスオフィサー協会の「認定コンプライアンス・オフィサー」の難易度ははるかに低くなります。
金融2級の場合、試験は初級レベルで、出題は多くが過去に出題された問題の類似問題で構成されています。従って、過去問を中心に対策して勉強することで対策できると思います。ただその中で独占禁止法の勉強は忘れずに十分にしておくことです。
2級の場合は金融機関の職員として必要な一般的な法令遵守の知識が問われる試験になっていますので決して難しい試験ではありません。金融1級については、管理職へのステップアップとして取得する人が多く、六法全書の持ち込み可の記述試験は、自分の意見とその理由について法律に基づいた回答が求められる試験ですが、難易度は一番高いようです。試験対策は過去問の演習で対策可能ですので、基本的な制度をよく理解した上で、問題のレベルを上げて幅広く過去問で演習しておきましょう。またすぐに小六法で手引きできるように実際に使って練習しておくことも必要です。

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●合格率   
 2022年6月金融コンプライアンスオフィサー試験結果 
 金融1級 合格率33.8% 受験者数 228名  合格者数77名
 金融2級   

※参考データ
・2021年6月金融コンプライアンスオフィサー試験結果 
 金融1級 合格率36.9% 受験者数 350名  合格者数129名
 金融2級 合格率76.1% 受験者数 3,386名 合格者数2,576名  
・2020年10月金融コンプライアンスオフィサー試験結果 
 金融1級 合格率33.8% 受験者数 337名  合格者数114名
 保険2級 合格率65.0% 受験者数 910名  合格者数591名
・2019年10月第47回金融コンプライアンスオフィサー試験結果 
 金融1級 合格率33.0% 受験者数 434名  合格者数143名
 保険2級 合格率79.3% 受験者数 911名  合格者数722名
・2018年10月第44回コンプライアンスオフィサー試験結果 
 金融1級 合格率29.6% 受験者数 635名  合格者数188名
 保険2級 合格率80.8% 受験者数 1,048名  合格者数847名  
・2018年コンプライアンスオフィサー試験結果 
 金融2級 合格率76.6% 受験者数 4,527名  合格者数3,466名  
 保険2級 合格率76.8% 受験者数 994名  合格者数763名 
・2017年6月第41回コンプライアンスオフィサー試験結果 
  金融1級 合格率44.6% 受験者数 623名  合格者数278名 

受験対策・学習法ほか

この試験は、金融機関行職員等が心得ておくべき倫理観や、社会的常識、中でも特に法令等に関する知識などの習得の程度を測る目的で創設された試験であるため、誰でも受験できますが、2級は銀行や保険会社の初級管理者や一般行職員向け、また1級は銀行等金融機関の上級管理者向きの内容になっています。従って、試験の内容も金融監督庁制定の「金融検査マニュアル」に準拠しています。そういうことから、資格を習得する場合は、この業界に就職してからになるでしょう。現に、受験生の大半は、金融業界への就職希望者、又は既に就職している人です。

試験内容は、金融機関の行職員に求められる法的な倫理遵守に関して、実務的で信頼度の高い問題が出題されるなど、将来的には金融機関の行職員にとっては必須の資格になる可能性もあります。出題内容は専門的な知識よりも、銀行員の社会常識や、一般常識で解ける問題が多い試験です。試験では、金融機関で働く場合に必要なコンプライアンスの知識などが問われるため、受験勉強は業務に役立ちます。仕事で起きるトラブルを防ぎ、あらゆる状況に備えることが可能になります。
試験対策の勉強方法としては、協会の主催する通信教育か、もしくは協会の教材を活用した独学が主になりますが、金融1級、金融2級、保険2級ならどの試験も基本的には最新の過去問題集をベースに勉強すれば対応できますので独学でも問題ありません。試験の傾向を言うと、金融1級は試験問題に既出問題の類似形式が多いことと、法改正などがあった場合は、それに関連した問題の出題率がとても高くなることです。金融2級も法改正などでは新しく変わったところの出題率が高くなりますので、テキストなどは最新のものを使用することです。保険2級も既出問題の類似形の出題が多い試験ですが、使用するテキストは経済法令研究会が出している「保険コンプライアンスの実務」というテキストを使って下さい。このテキストと

特に金融機関、保険業界への就職・転職を希望する人は、自分自身のスキルアップのためにも、積極的に取得した方がよい資格の一つだと思います。資格を取得していれば、ある程度の知識を持っていることを客観的に証明することにもなります。さらに、1級の資格所有者は少ないため、転職にも活かせるでしょう。

受験資格

特に制限はありません。誰でも受験できます。
ただし、1級は銀行等金融機関の上級管理者向き、2級は初級管理者および一般行職員向き試験となっています。

試験方式

(試験の種類)
このページで解説する資格試験は、コンプライアンス・オフィサー協会が主催する「コンプライアンス・オフィサー認定試験」の中の以下の3種類の試験になります。
 ・金融コンプライアンス・オフィサー1級
 ・金融コンプライアンス・オフィサー2級
 ・保険コンプライアンス・オフィサー2級

●出題形式
※金融コンプライアンス・オフィサー2級は公開試験およびCBT方式にて実施しています。
【金融】
・2級 4答択一マークシート式 50問/試験時間 120分
・1級 記述式 10問/試験時間 180分
【保険】
・2級 4答マークシート択一式 50問/試験時間 120分

●合格基準
【金融】【保険】 2級 1級ともに同一基準
・満点の60%以上(試験委員会にて最終決定)
●正解発表
・試験日の3日後(試験日含まず)にホームページ上に正解が発表されます。

試験科目

◆試験科目と出題数
【金融】
(2級):初級管理者および一般行職員に求められるコンプライアンスに関する実務知識等について、その習得程度を測定します。
(1級):上級管理者を対象に、コンプライアンスの諸問題につき、適切に対処するための応用実践的な知識について、その習得程度を測定します。
●2級 
(1)金融機関とコンプライアンス 10問
(2)金融取引とコンプライアンス 30問
(3)内部のリスク管理態勢とコンプライアンス 10問
●1級 
(1)金融機関とコンプライアンス
(2)金融取引とコンプライアンス
(3)内部のリスク管理態勢とコンプライアンス  これらの項目から10問出題

【保険】
保険業務において直面する、コンプライアンスに関する諸問題に対処するため必要な実務知識等について、その習得程度を測定します。
●2級
(1)総論 10問
(2)保険契約の募集、締結、保全におけるコンプライアンス 25問
(3)商品販売におけるコンプライアンス 5問
(4)資産運用におけるコンプライアンス 5問
(5)内部管理におけるコンプライアンス 5問

◆試験科目と内容
【金融】
・金融機関とコンプライアンス
①コンプライアンス態勢の構築 ②企業経営
・金融取引とコンプライアンス
①民法関連 ②商法(手形・小切手)関連 ③刑法関連 ④銀行法関連 ⑤独禁法関連 ⑥証取法関連 ⑦諸法関連
・内部リスク管理態勢とコンプライアンス
①文書・書類の管理 ②高齢化社会のリスク管理 ③情報管理態勢 ④契約・取引管理 ⑤人事・労務管理
【保険】
・総論
①コンプライアンスの意義 ②コンプライアンス体制の確立等 ③コンプライアンスと法的責任 ④保険会社に対する規制・監督等
・各論
①保険契約の募集、締結、保全におけるコンプライアンス ②商品販売におけるコンプライアンス ③資産運用におけるコンプライアンス ④内部管理におけるコンプライアンス等



スケジュール

●試験実施日:開催月によって項目が異なります。
 ・金融コンプライアンス・オフィサー(1級・2級):年2回実施(6月上旬 10月下旬) 
 ・保険コンプライアンス・オフィサー(2級):年1回実施(10月下旬)  
●申込み
 個人(インターネット)で申込みする場合の申込方法はこちら 
 CBT試験の申込み → CBTソリューションズ


2023年度コンプライアンスオフィサー認定試験日程
  
  金融コンプライアンス・オフィサー1級、2級、
  保険コンプライアンスオフィサー2級    

試験会場

試験の受験地一覧(協会が全国に設置する約220会場、またはCBTテストセンター

受験料

●金融 
1級 8,250円(税込)   
2級 5,500円(税込)
●保険 
2級 5,500円(税込)

問い合わせ先

日本コンプライアンス・オフィサー協会      http://jcoa.khk.co.jp/
〒162-0845 東京都新宿区市谷本村町3-21  TEL03(3267)4826

・経済法令研究会 https://www.khk.co.jp/

【以下の各項には一部広告が含まれています。】

通信講座・eラーニング

日本銀行協会/コンプライアンス・オフィサー協会  通信講座

通学スクール・講座

日本銀行協会/コンプライアンス・オフィサー協会  セミナー

教材(過去問集)

金融コンプライアンス・オフィサー1級教材一覧
金融コンプライアンス・オフィサー2級教材一覧
保険コンプライアンス・オフィサー2級問題解説集一覧

教材(テキスト・参考書)

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