資格名 | ビジネス通訳検定(TOBIS)
※Test of Business Interpreting Skills |
資格の種類 | 民間資格 |
主催者 | NPO法人通訳技能向上センター 事務局 |
資格の概要 | 世界がグローバル化に進む中、企業(団体)における通訳業務の重要性はますます高まっています、また同時に、それに伴うグローバル人材の育成が急務とされています。
「ビジネス通訳検定(TOBIS)」は、通訳者が企業(団体)内で活躍するために必要な通訳スキルを判定し、通訳の実力を証明できる試験で、通訳スキルの新しい基準となるビジネス知識を含む通訳スキルを総合的に判定する試験です。逐次通訳試験と同時通訳試験の2つからなり、成績に応じて1級~4級を判定します。
この試験の特徴は、受験者自身がスキルを客観的に把握できるようにするために、細かく結果がフィードバックされます。このことによって、受験者が自身の強みと弱みを把握でき、以後のスキルアップにつなげることが可能になります。
ビジネス通訳検定(TOBIS)は、日本を代表する通訳者が運営する非営利団体「CAIS(NPO法人 通訳技能向上センター)」が実施する資格です。
※ビジネス通訳検定(TOBIS)に関する情報
2019年7月実施の第21回ビジネス通訳検定(TOBIS)より、「逐次通訳試験」の内容や問題構成、受験料および「同時通訳試験」の受験料が改定されました。
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試験の合格率・難易度 | ●難易度
TOBIS3級 「B」 普通
TOBIS2級 「B-上」 普通の上位
TOBIS1級 「A」 難関
【資格の難易度レベル】
TOBIS3級は、社内会議や展示館などで逐次通訳者のサポートで通訳できるくらいのレベルで難易度は「B」普通程度です。TOBIS2級は、社内会議や展示館などでメインの逐次通訳者として通訳できるレベルで、難易度は「B-上」~「A-下」難関の下位。TOBIS1級は、逐次通訳以上の同時通訳としても通用するレベル、国際会議などで重要な通訳を務めることができるレベル。難易度は「A-上」難関の上位で、国家資格の通訳案内士と同じ程度と考えていいでしょう。
ビジネス通訳では、もちろんビジネス知識は必要ですが、それ以上に一般的な英語の理解力、表現力の向上が大切です。また通訳の試験では、どうしても日→英がカギになるため、日→英の逐次試験を重視することが大切です。
通訳の資格は独学で取る事も可能です。また専門知識があればその分野に特化した通訳者になる事も可能です。しかし、そういう進み方で通訳者として社会に認められる実績を積む事はかなり難しいため、まず大学や養成学校に通ってしっかりと語学を学び、訓練を積んで通訳スキルを高める必
要があります。通訳は、基本的には独学よりもスクールなどに通って訓練することが前提となっています。なお、受験生は現役で活躍しながら通訳としてのスキルアップを図ろうとしている人や自分のスキルの証明としたい人が多いようです。
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・合格率
原則非公開
2019年の各級の合格率は以下の通りでした。
1級:3% 2級:4% 3級:16% 4級:39% 不合格:38%
※参考データ
・受験者の属性(2019年度)
55%がフリーランスあるいは社員・職員として通訳に携わっている人
15%が過去にビジネス通訳の経験がある人
19%が未経験者
・第21回 ビジネス通訳検定 【合格者の級別割合】
1級=3%、2級=4%、3級=16%、4級=39%、不合格 38%
・第10回 ビジネス通訳検定 【合格者の級別割合】
1級=2%、2級=28%、3級=26%、準3級=18%、4級=26% |
試験の内容・勉強法 | ビジネス通訳検定の逐次試験のトピックは、一般的な会話から、ビジネス、経営に関する内容が多く、同時通訳試験のトピックはビジネス、経営に関する内容が主になっています。ビジネス関係のトピックに対しては、普段からニュースなどを通じて、ビジネス知識とその英語表現を身につけておくことが必要です。同時通訳試験の過去の出題例はこちらをご参照ください。ビジネス通訳検定の過去問や受験対策書籍は市販されておりません。
資格取得を目指す場合、主な勉強方法には通訳学校に通う方法と、独学の2通りがありますが、時間や効率を考えると通訳学校で学ぶのがおすすめです。その中でもTOBIS検定主催のCAIS(通訳技能向上センタ―)が行っている研修会に参加することをお勧めします。現役で活躍中の通訳者やプロアナウンサーが講師を務め、有益な学習が受講でき、技能強化にたいへん役立つと評判です。東京・大阪以外の地域の方で、参加が難しい場合は、ウェブセミナーを利用する方法があります。パソコンとインターネット環境が整っていれば受講が可能です。
一方、独学で勉強する場合には、次の方法があります。
・基礎的な文法から復習
・シャドーイング:シャドーイングは流れる音声を聞きながら同時に同じ発音・同じリズムで発音する勉強法・練習法です。会話形式の勉強に向いています。
・リピーティング:リピーティングとは、1センテンスずつ音声を止めて真似して発音する練習法です。短文形式に対する勉強法です。
・リプロダクション:リプロダクションは、リピーティングよりも長い区切りで同じ文章を声に出して発音する方法でスピーチ形式の対策に使います。
まずは3級・4級を目指してみることをお勧めします。時事問題やビジネス系の語彙、表現などを身につけることから始めます。通訳学校で学ぶ以外に、動画サイトやテレビなどを通じて最新のニュースを勉強に取り入れると効率的です。
通訳といえば国家資格「通訳案内士」が有名ですが、通訳案内士試験は旅行に関する通訳者を対象にしたテストです。これに対してビジネス通訳検定は、外資系企業や貿易会社などに常駐して企業内の通訳者として業務を行う「ビジネス通訳者のための試験」であると言えます。従って、ビジネス通訳検定の受験者は、企業や団体で通訳を行う方や、フリーランスの通訳者として数年程度の実績がある方などが多く受験しているようです。 |
試験日程 | ・試験日:12月上旬頃
※2019年までは、例年試験は7月に大阪・12月に東京で年2回行われてきました。
2020年はコロナの影響で試験が行われませんでした。また2021年度についてはオンラインで2月に実施されています。今後は試験がオンライン化される可能性もあります。
・申込受付:10月上旬~11月中旬頃
・合格発表:2月中旬
2023年ビジネス通訳検定(TOBIS)試験日程 |
受験資格 | ※3通りの受験方法より選択できます。
●逐次通訳試験
・通訳業務経験者(企業内通訳者、企業派遣通訳者含む)
・通訳を目指して勉強中の方
●逐次通訳試験および同時通訳試験(両方受験)
・通訳業務経験者(企業内通訳者、企業派遣通訳者含む)
・通訳を目指して勉強中の方
※上記に該当する方で、かつ次のいずれかに該当する方、又はそのレベルに準ずる方
・同時通訳実務経験 2年以上
・同時通訳専門訓練を修了した方
●同時通訳試験 過去2年間以内のTOBIS2級を取得した者。
※1級以外を目指す方は、「同時通訳試験」の受験は必要ありません。
※過去2年間以内(2017年7月実施第17回~2019年7月実施第21回)に2級を取得済みで、今回1級を目指して受験を希望される方は「逐次通訳試験」が免除されます。 |
試験会場 | 東京 |
受験費用 | ●逐次通訳試験(2~4級):12,000円(税込み)
●同時通訳試験(1級):15,000円(税込み)
●逐次通訳試験および同時通訳試験(両方受験):25,000円(税込み) |
試験方式 | ◆試験はすべてヘッドフォンから流れる音声を聞いて、マイクで通訳音声を録音する方式です。
●逐次通訳試験:2~4級 (成績により2~4級と不合格に分けられます)
・一般会話からビジネス現場までを想定した内容で、英日、日英双方向での通訳試験。
・解答は録音方式
※試験では逐次通訳の技術、ビジネス上でよく使われる英語の語彙力、およびビジネスの基礎知識などが問われます。
(英→日、日→英)
・内容:一般的な会話からビジネス現場を想定した内容
・問題構成:
Part1 会話形式:英語・日本語混合の会話を通訳する問題が出題されます。
Part2 短文形式:1~数センテンスで構成される英語・日本語の文章を通訳する問題です。
Part3 スピーチ形式:ある程度の長さのスピーチを逐次通訳する問題です。
・試験時間:60分
・判定内容:1級、2級、3級、4級
※予め録音された問題音声を聞いた後、マイクに向かって逐次通訳をする。
※4級の基準に達していない場合は不合格とする
(科目免除)
過去2年以内のTOBIS試験で既に2級を取得しており、1級受験を希望する方は「逐次通訳試験」が免除されます。
●同時通訳試験:1級
・ビジネス現場を想定した内容で、英日、日英双方向での通訳試験。
・解答は録音形式。
※同時通訳の技術、ビジネス上でよく使われる英語の語彙力、ビジネスの基礎知識が問われます。
(英→日、日→英)
・内容:ビジネス現場を想定した内容(録音による試験)
・問題構成:スピーチ形式
・判定内容:1級(1級判定試験です)
・試験時間:約20分(前半が英→日、後半が日→英問題の出題で試験時間は合計約20分)
※予め録音された問題音声を聞きながら、マイクに向かって同時通訳をします。
(注)TOBISは目指す級を決めて受験するのではなく、試験の成績に応じて1級~4級に判定される試験です。 |
試験科目 | ●トピックの内容
・逐次通訳試験:一般的な会話から、ビジネス、経営に関する内容
・同時通訳試験:ビジネス、経営に関する内容
●試験級別合格の基準
【1級】
ビジネス通訳をする上で必要な知識・用語が身についており、日本語・英語の両言語において適切な表現で通訳ができる。ビジネスの現場で逐次・ウィスパー・同時通訳のいずれのモードでも柔軟に対応できる技術が身についている。 |
【2級】
ビジネス通訳をする上で必要な知識・用語が身についており、日本語・英語の両言語において適切な表現で逐次通訳をすることができる。ある程度のまとまった長さを精度を損なわずに通訳できる技術が身についている。 |
【3級】
一般的な社会知識/ビジネス知識と逐次通訳の初歩的スキルが身についている。継続して関わる会議の通訳において、短い区切りでの通訳、または要点を掴んだ逐次通訳を行うことができる。 |
【4級】
英語を使ったコミュニケーションのサポートができる。業務例として、商談会での会話の補助、外国人接客のサポート、ボランティア通訳など。 |
【不合格】
非母語の言語力や知識・理解力などの不足により、ビジネス通訳検定の認定基準に達していない。 |
逐次通訳の技術(2~4級)・同時通訳の技術(1級)、ビジネス上でよく使われる語彙力など英語に関する力に加えて、ビジネスの基礎知識がどの水準なのかも併せて認定されます。 |
試験関連情報 | 通訳案内士 |
問い合わせ先 | NPO法人通訳技能向上センター 事務局(CAIS)
〒104-0061 東京都中央区銀座7-16-12 G-7ビルディング
03-5565-1289 FAX:03-5565-7176
https://www.cais.or.jp/index.html |
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