資格名

技術英語能力検定(略称:技術英検)
※旧:工業英語能力検定(工業英検)

資格の種類

民間検定試験

主催者

公益社団法人 日本工業英語協会

資格試験の概要

「技術英語能力検定(技術英検)」は、科学技術文書を英語で読み、書く能力を正しく客観的に評価する唯一の資格検定で、一般の英語検定(英検やTOEIC等)と異なり、科学技術英語に特化した英語検定です。検定試験の受験級は4種類です。以下を参照ください。

【技術英語能力検定の受験級とレベル】
・プロフェッショナル/準プロフェッショナル
 工業英語の専門家としての実務能力を有しているレベルで、工業英語を指導できる。
※準プロは同一のプロフェッショナル試験の得点によって、プロ又は準プロに認定される。
・1級
 大学専門課程・大学院、高等専門学校専門課程の工業英語の知識を有している。
・2級
 大学工学部低学年、高等専門学校高学年程度の工業英語の応用知識を有している。
・3級
 工業高校、高等専門学校低学年程度の工業英語知識を有している。

【級別の求められるスキル】
・プロフェッショナル/準プロフェッショナル
科学・技術分野の英語文書を読みこなし、かつ正しく、明確に、簡潔に書くことができる。文書のスタイルは種類(マニュアル、仕様書、論文等)に応じて異なることを理解しており、正しく使いわけることができる。
・1級
科学・技術に関する英文を読むことができる。英文資料の要約、議事録、英文E-mail等の短文が書ける。
・2級
科学・技術英語の語彙力があり、構文・文法を理解している。
・3級
科学、技術英語の基礎的な語彙力があり、構文の基礎を理解している。

【検定試験制度の変更に伴う該当受験級】
(旧)工業英検 → (新)技術英検
  1級 → プロフェッショナル
  2級 → 準プロフェッショナル
 準2級 → 1級
  3級 → 2級
  4級 → 3級

●技術英語の特徴
技術英語は一般的な英語と少し異なる特徴があります。技術英語、特にマニュアルや仕様書、特許出願文書、論文などの科学技術に関する英語文書においては、間違いは事故の原因ともなりかねないため、当然ながら「正確さ」が求められます。加えて、誰が読んでも同じ内容として理解されるように、曖昧さのない「明確な」ものとなっていること。そして、読み手が読みやすく、理解しやすいように、「簡潔な」表現となっていることが不可欠です。こうしたことから、「3つのC」が技術英語の基本となっているのです。(日本能率協会公式サイトより引用)

① Correct(正確に)
② Clear(明確に)
③ Concise(簡潔に)

「Clear」 は曖昧な表現を避けることです。文章の流れから明らかな場合でも何を指すのかは省略しないほうがよいのです。また、できるだけ能動態で書くことが望まれます。命令形も有効です。「Correct 」は本当のことを書かないといけません。この 3C の中で一番重要なことです。「Concise」 は冗長な表現を避けることです。同じ意味の表現であれば、単語数は 1 語でも減らすべき、というのが工業英語の考え方です。他には、 1 文を 18 単語以内に抑えるなどのテクニックもあります。小説ではないので短い文章が続いても問題無い、というのが技術英語の考え方です

※技術英語能力検定関連情報
公益社団法人日本技術英語協会は、科学技術文書を英語で読み、書くための能力の検定試験として「工業英語能力検定」を実施し、多くの受験生を受け入れ、多くの工業英語能力検定合格者を輩出してきましたが、我が国の産業構造の高度化が科学技術全般に広がっている現状を鑑み、令和2年度(2020年度)より本検定の名称が「工業英検/工業英語能力検定」から「技術英検/技術英語能力検定」へと変更されました。また、2021年4月から主催団体名も「日本工業英語協会」から「日本技術英語協会」に変りました。

合格率・資格難易度

●難易度  
  プロフェッショナル「A」 難関
  1級     「B」    普通
  2級     「B」    普通
  3級     「C」    やや易しい      

【資格の難易度レベル】
技術英検が他の英語試験と一番異なる点は、技術英検が工業技術や工業製品の性能・取り扱い方法などを英語で理解し、それを活用する力が試される試験であるところです。工業英語に特化しているため、単語はかなりマニアックで複雑です。そういったことが原因して、技術英検の難易度は平均に高く、英検より難しいと思われます。それでもまだ2級までは比較的難易度が低く、無理なく取得できますが、1級から「準プロフェッショナル(旧・工業英検2級)」になると、難易度が一気に高くなります。「プロフェッショナル」が文章の翻訳(和英・英和両方)が中心の試験なので、受験者が英検やTOEICでどの程度の力があるかにもよりますが、例えばTOEIC700点くらいの人なら、準プロの難易度はかなり高いと感じるでしょう。それはプロフェッショナルの主題内容がもとも翻訳家向けに作成されている内容であるからです。
「技術英検2級」の難易度はTOEIC520点程度とされていますが、試験ではTOEICなどではあまり出てこない単語や、工学的な読み方をする単語などが出題されるため、工業英単語集などで単語力の強化をすることが必要です。単語力の強化を計りながら、公式の過去問題集繰り返し解いて理解することに集中する勉強が効果的です。技術英検を難しくしているのが難しい単語と英文和訳・和文英訳問題です。他の語学試験とは求められる知識がかなり変わってきますので、英語に自信がある人も最初は3級から受験されるのがいいでしょう。

技術英検・工業英検・英検・TOEICのクラス比較(目安)
(英検)(技術英検) (工業英検) (TOEIC)
1級    -     -      -
 -   プロ       1級         990 
準1級   準プロ     2級     740
 -       1級      -     650
2級      2級            -            520
 -     3級     -       500
準2級   -      3級      400 
3級    -      4級      360

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・合格率 
 第126回技術英語能力検定試験結果
  プロフェッショナル
 受験者数128名 合格者数4名 合格率3.1%
  準プロフェッショナル  
 受験者数-名 合格者数22名 合格率22%
  1級
 受験者数186名 合格者数85名 合格率45.7%
  2級
 受験者数281名 合格者数193名 合格率68.7%
  3級
 受験者数508名 合格者数386名 合格率76.0%

※参考情報
 ・第125回技術英語能力検定試験結果
  1級 受験238 合格114 合格率47.9%
  2級 受験355 合格149 合格率42.0%
  3級 受験734 合格386 合格率52.6%
・第124回技術英語能力検定試験結果
  Pro 受験161 合格2 合格率1.24%
 準Pro 受験 -  合格21 合格率13%
  1級 受験232 合格123 合格率53.0%
  2級 受験423 合格193 合格率45.6%
  3級 受験785 合格332 合格率42.3%
・第122回工業英語能力検定試験結果
  2級 受験213 合格103 合格率48.3%
 準2級 受験142 合格92 合格率64.8%
  3級 受験543 合格164 合格率30.2%
  4級 受験1,118 合格589 合格率52.7

受験対策・学習法ほか

技術英検はマニアックですが、出題分野が技術・工業と絞られている分、考え方によっては対策はしやすい試験であるともいえます。上位級の場合は特に問題集等が市場に出回っていませんので、「過去問題・資料 – 公益社団法人日本工業英語協会」の過去問無料サンプルか、協会が発行している対策資料などを活用するしかありません。または協会主催の通信講座の受講もおすすめです。
受験対策に迷うときは、日本工業英語協会のサイトにある過去問等で確認してみて、無理しなくても取れそうな級に向けた勉強を、とりあえず始めてみることが大切です。

技術英語でテクノロジー英語の基本を身につければ、エンジニアの強力な武器になるため、技術英検は、技術英語が必要な業務に携わる人や工業・技術系の学生を中心に人気のある試験なっています。そして、その応用範囲は工業分野だけでなく産業界で幅広く応用が効くため、農業、鉱業、医療などの分野においても商品開発や生産に従事する技術者には、取扱説明書、仕様書、規格等を技術英語で正確に表現・読解し、理解する能力をつけることが今後さらに必要になるはずです。
更に、グローバル化が進む現代では海外への工場移転により、移転先の生産現場でのコミュニケーション能力も必要になり、第一線監督者にとっても技術英語の必要性がさらに高くなっていますので、理系大学院生や、大学院進学希望生、エンジニア、メーカーの海外部門従事者などには必携の資格になるでしょう。将来的なことを考えるなら、出来れば1級以上を取得しておくと就職にも有利です。企業内で技術的な翻訳、通訳のほか、独立して工業英語専門の翻訳家として活躍することも可能です。 




受験資格

年齢、学歴等に制限はなく誰でも受験できます。

試験方式

●試験形式と出題数/試験時間
 【プロフェッショナル】記述式 7~9問:2時間
 【1級】マークシート式 17問+記述式 4問:1時間20分
 【2級】マークシート式 43問:1時間10分
 【3級】マークシート式 57問:1時間

●合否基準
【プロフェッショナル】合計で75%点以上の得点で合格(150点以上)
     但し、得点が50%未満の解答が1問でもあると、合計得点に関わらず不合格 
【準プロフェッショナル】プロフェッショナルと同一試験で合計60%以上の得点で合格
【1~3級】満点の60%以上の得点で合格(120点以上)

●出題形式と配点
【プロ・準プロ】   出題形式    問題数/配点
・英語長文の英文要約(800文字前後) 2問/50点
・和文英訳(200~300文字)    1/30
・冗長和文の英文要約(500文字)  1/40
・テクニカルライティングの考え方  2~3/40
・冗長英文のリライト        1~2/40

【1級】
・英単語英文解説  5問/20点
・英文空所補充1   3/30
・短文リライト   5/30
・英文空所補充2   4/20
・英文(70〜80words程度)和訳 1/30
 [2つから1つを選択]     
・和文(100〜130字程度)英訳   2/70    
 [3つから2つを選択]

※2級・3級については協会の公式サイトを参照ください。

試験科目

■プロフェッショナル

  1. 英語長文の英文要約
  2. 和文英訳
  3. 冗長和文の英文要約
  4. テクニカルライティングの考え方
  5. 冗長英文のリライト

■1級

  1. 英単語英文解説
  2. 英文空所補充1
  3. 短文リライト
  4. 英文空所補充2
  5. 英文和訳(2つから1つを選択)
  6. 和文英訳(3つから2つを選択)

■2級

  1. 語彙(英→日)
  2. 語彙(日→英)
  3. 語彙解釈
  4. 英文空所補充1
  5. 英文空所補充2
  6. 英文和訳
  7. 英作文

■3級

  1. 英文和訳
  2. 語彙(英→日)
  3. 英作文1
  4. 英文空所補充1
  5. 英作文2
  6. 英文空所補充2
  7. 語彙(日→英)

スケジュール

●試験の実施
 ・プロフェショナル
   6月中旬頃
   11月中旬頃 
 ・1級、2級、3級
   6月中旬頃
   11月中旬頃
   1月下旬頃
●試験の申込み
 受験の申込はwebシステムで受付け。
 (1)「受験規約」「各規定」「申込マニュアル」を確認
 (2)「マイページログイン」より申込みを行う
※詳細は「受験申込みについて」を参照。


2023年度技術英検日程(第132・133・134回)
 

試験会場

・プロフェッショナル
  東京、名古屋、大阪、福岡
・1級
 札幌、青森、仙台、東京、名古屋、金沢、大阪、広島、福岡
・2~4級
 札幌、青森、仙台、東京、静岡、名古屋、金沢、大阪、広島、福岡 

受験料

【プロフェッショナル】16,500円
【1級】6,400円
【2級】5,300円
【3級】2,600円(各税込)

問い合わせ先

公益社団法人 日本工業英語協会(JSTC)
〒105-0011 東京都港区芝公園3-1-22
TEL 03-3434-2350
http://jstc.jp/index.html

【以下の各項には一部広告が含まれています。】

通信講座・eラーニング

・協会主催の技術英語セミナー/Webセミナー
・協会主催の技術英語オンラインコース

通学スクール・講座

-

教材(過去問集)

協会の技術英検 過去問題の資料販売

教材(テキスト・参考書)

技術英検対策教材一覧

【技術英検おすすめ教材】
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関連情報

【資格の難易度情報】
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●技術英検関連情報
 2021年4月1日付けで法人名を変更。
  旧法人名:公益社団法人日本工業英語協会
  新法人名:公益社団法人日本技術英語協会

●関連資格
 日商ビジネス英語検定試験 
 国連英検
 国際公務員(JPO派遣候補者選考試験)