資格名

土壌医検定試験

資格の種類

民間検定試験

主催者

一般財団法人 日本土壌協会

資格の概要

近年、地力の低下や土壌病害の発生、生産コストの低減等が課題となり、作物を育てる上で一番大切な、土づくりの推進が重要になってきています。しかし、土壌診断や施肥改善などの土づくりに関する知識を持った専門家が少なくなり、こうした人材を育成するために行われてきたのが「土壌医検定試験」です。この試験の名称は、作物生育の健全性を維持するために土壌診断を通じて改善を行う専門家という内容から「土壌の医者」という意味で「土壌医検定試験」と命名されています。試験は農林水産省後援の資格試験制度です。

日本土壌協会では、土づくりのアドバイスや指導を担う人材を多く確保するために、土づくりに関心がある人達の底辺を広げ、段階的にレベルアップしていけるように3段階の試験区分の検定試験を実施しています。試験の合格者は、協会に登録することで「土壌医」等の資格の名称が使えるようになります。試験は1級から3級まであり、1級に合格し土壌協会に資格登録の申請を行うと「土壌医」、2級は「土づくりマスター」、3級は「土づくりアドバイザー」の資格が与えられます。

◆資格と技術レベル
●土壌医 (土壌医検定1級)
土づくりについて高度な知識・技術を有し、また、5年以上の指導実績又は就農し土づくりに取組んできた実績を有する者で、処方箋作成とともに施肥改善、作物生育等改善の指導ができるレベルにある者
●土づくりマスター (土壌医検定2級)
土づくりに関しやや高度な知識・技術を有するとともに、土壌診断の処方箋を作成できるレベルにある者
●土づくりアドバイザー (土壌医検定3級)
土づくりに関する基礎的な知識・技術を有し、土づくりアドバイザーとして対応できるレベルにある者

◆資格登録・更新
(登録)
・資格名は、試験合格後の登録申請(任意)により付与します。
 登録料 6,300円(税込)が別途必要です。
・資格試験に合格すると、土壌医資格登録を行うことができます。
 登録については、日本土壌協会に申請する必要があります。
 登録申請を行うと、協会から登録証が交付され、登録の有効期間は3年間です。
➡※資格登録申請について

(更新)
土壌医として適切なアドバイスや指導を行っていくためには、資格取得後も知識・技術レベルを維持・向上していくための努力が必要です。そのため、資格登録者は登録有効期間の3年の間に、所定のCPD単位(Continuing Professional Development)の取得を行います。CPD単位を取得するには、協会が主催する研修会や講習会、「土壌医の会」講習会への参加などが必要になります。

試験の合格率・難易度

難易度  
     1級 「B」    普通   
 2級・3級 「C」    やや易しい

【資格の難易度レベル】
毎年の試験結果を見ると、3級は受験した人の半分以上が合格していますが、2級、1級では合格率がぐっと下がっていて、簡単に合格できる試験ではないことがわかります。
1級の難易度が高い原因は、提出が課せられている業績レポート(土づくりにおいてどのような活動を行ってきたかなど)のハードルが高いこと、さらに基準に満たない場合は筆記試験でどれだけ優秀でも不合格となるという基準が大きい原因のようです。
ただ、確かに問題は難しいですが、多くの問題が土壌医検定試験既出問題集に掲載されている内容なので、テストに合わせて、よく読んでいれば理解できる範囲にあると思われます。難度が高いのは、やはり記述問題です。記述問題に関しては、そのようになることの理由や根拠を細かいところまできちっと知って、覚えて書けるようにしておく必要があります。ここが2級や3級試験との難易度の違いになっています。
2級・3級のついては、基本的にはテキストからの出題が多い(例えば、基本的な必須元素やその効用など)ので、過去問中心に繰り返しやっておけば合格できます。ちなみに、2級の合格までに要する勉強時間は、農学部などの専門教育を受けた方なら、この勉強法で50時間前後勉強すれば合格できます。また基礎知識のない初学者の場合は、100~120時間程度は必要でしょう。
「日本農業技術検定」という同じ農業分野の試験がありますが、この検定試験との難易度を比較するならば、土壌医検定2級→日本農業技術検定三級→日本農業技術検定二級→土壌医検定1級、の順になるでしょう。

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合格率 
  2021年度土壌医検定試験結果
(1級)受験者数95名 合格者数19名 合格率20.0%
(2級)受験者数1000名 合格者数333名 合格率33.3%
(3級)受験者数1438名 合格者数847名 合格率58.9%
・2020年度土壌医検定試験結果
(1級)受験者数67名 合格者数19名 合格率28.4%
(2級)受験者数995名 合格者数317名 合格率31.9%
(3級)受験者数1463名 合格者数827名 合格率56.5%
・2019年度土壌医検定試験結果
  (1級)受験者数123名 合格者数38名 合格率30.9%
  (2級)受験者数1,036名 合格者数316名 合格率30.5%
  (3級)受験者数1,398名 合格者数806名 合格率57.7%
・2018年度土壌医検定試験結果
  (1級)受験者数125名 合格者数43名 合格率34.4%
  (2級)受験者数952名 合格者数279名 合格率29.3%
  (3級)受験者数1,495名 合格者数862名 合格率57.7%
・2017年度土壌医検定試験結果
  (1級)受験者数122名 合格者数25名 合格率20.5%
  (2級)受験者数1,025名 合格者数313名 合格率30.5%
  (3級)受験者数1,640名 合格者数933名 合格率55.9%

試験の内容・勉強法

試験問題の出題傾向として、3級は基本的な土づくりと作物生育との関係の基礎知識を問う問題が多く、協会発行の参考書「土づくりと作物生産」(土壌医検定3級対応)の3章の化学性からの出題が全体の約1/3を占めています。次いで2章の「作物の健全な生育と土壌環境」と、5章の「土壌・施肥管理」からの出題が多くなっています。
2級(土づくりマスター)は、土づくりに関して、やや高度な知識・技術を有し、土壌診断の処方箋を作成できるレベルにある者ということから、参考書「新版土壌診断と作物生育改善」(土壌医検定2級対応)の2章・3章の化学性からの出題が多く、次いで7章の「肥料・土壌改良剤・堆肥の種類と特色」からも多く出題されている傾向があります。

1級は、土壌化学性・物理性・生物性のほか、農産物の生育障害と対策、環境負荷軽減と農作物の品質向上を目指した対策技術等の正確な知識が問われ、参考書「新版土壌診断と対策」(土壌医検定1級対応)から、1章の土壌化学性からと、次いで5章の「環境負荷軽減、農作物品質向上を目指した対策技術」から多く出題されています。1級は、実践的ですぐにでも使える知識が勉強で習得できます。

勉強方法としては、1級、2級、3級ともに受験対策の教材で特に重要なものは「過去問集」です。
2級、3級は過去問集と公式テキストを使っての受験対策で十分対応できますが、1級はレポート作成などがあり難易度が高いため、不安がある場合は協会主催の土壌医検定研修会などに参加して知識のレベルアップを計れば十分対応できます。基本的には1級、2級、3級ともテキストと過去問使っての独学で突破できるレベルの試験です。過去問集を繰り返しこなして、分からなかったところや間違ったところをテキストや資料で調べて理解して進めれば、自然に自信がついてきます。
土壌医検定の受験者の職業別統計を見ると、一番多いのは肥料や、土壌分析、種苗会社等の会社員、次が農業高校生、農業者や、農業法人、公務員、大学生、農業大学校生等の順になっています。最近は会社員より農業高校生や農業大学校生、農業者などが増えています。

農業において土は極めて重要な役割を持っています。作物の美味しさは土が決めると言っても過言ではありません。そんな大事な土だからこそ、専門的な知識を持って土の状態を適切に見極めて改善する人が必要なのです。その改善を指導できるのが土壌医です。土壌医資格を取得できれば農業に関わる企業に高い評価を得られることは間違いありません。
作物を健康的に栽培するには、土壌に関する正しい知識が必要不可欠です。農業大学校や専門学校に通っている学生や、社会人で本格的に農業をやりたい、と思っている人は、ぜひ取得することをおすすめします。土壌の改善を行える人は極めて少ないため、土壌医資格を持っていることはある種のステータスになると思います。

土壌医検定を合格した後、その知識レベルを維持、向上させていくためには、研鑽が必要となります。このために、首都圏土壌医の会等の地域土壌医の会や土壌医の会全国協議会が、合格者に対して研鑽の場を提供しています。 ➡資格登録者等を対象としたレベルアップ研修会

試験日程

・試験実施
 試験は年に1回の実施です(3級~1級)
・申込方法
受験の申込みはインターネット、または郵送で受け付けされます。
土壌協会のウェブサイトに詳しい申込み手順が発表されます。

2022年度土壌医検定試験日程 
          2022年度試験は終了しました。
試験実施:2023年2月12日(日) 午後2時
申込み期間:2022年11月1日(火) ~ 12月15日(木)※当日消印有効
合格発表予定日:1級:4月20日、2級及び3級:3月23日
※ホームページで合格者の受験番号発表、合格者に合格証が送付されます。

受験資格

●土壌医(1級)
  土づくり指導または就農実績5年以上
●土づくりマスター(2級)
  特に問いません。誰でも受験できます。
●土づくりアドバイザー(3級)
  特に問いません。誰でも受験できます。

※試験はどの級から受験することも可能で、1級でも土づくり指導、または就農実績5年以上の実績を申告できれば受験可能です。

試験会場

・1級
札幌、仙台、埼玉、福井、名古屋、大阪、岡山、福岡、沖縄
・2級・3級
札幌、仙台、埼玉、福井、名古屋、大阪、岡山、福岡、沖縄、網走、秋田、山形、鴻巣、長野、静岡、新潟、島根、愛媛、高知、大分
※上記の会場(エリア)は変更または増減する場合があります。

受験費用

●土壌医(1級)1級      10,500円(税込み)
●土づくりマスター(2級)   6,300円(税込み)
●土づくりアドバイザー(3級) 5,250円(税込み)
 (生徒割引3,000円:高校生の生徒10名以上を含む団体での申込みが対象)

※新規登録料 6,000円(新規に資格登録する場合)

試験方式

試験方式
●土壌医(1級)
 学科試験(四肢択一式 50問)+記述試験(記述式)+業績レポート
  (マークシート方式の筆記試験に加えて、記述形式の試験や業績レポートの提出があります)
●土づくりマスター(2級)
 学科試験(四肢択一式 60問/筆記試験)
●土づくりアドバイザー(3級)
 学科試験(三肢択一式 50問/筆記試験)
※1級から3級まで、同日同時刻に試験が実施されるため、1級と2級、2級と3級の併願受験はできません。

合格基準
●土壌医(1級)
 ・学科試験(配点50点)
 ・記述式問題(配点25点)
  業績レポート(配点25点)の合計100点の試験
合格ラインは100点中70点以上。ただし、業績レポートが20点に満たない場合は、全体で70点以上でも不合格となります。
●土づくりマスター(2級)
 60問中40問以上正解/ 学科問題出題60問(マークシートは4者択一)
●土づくりアドバイザー(3級)
 50問中30問以上正解/ 学科問題出題50問(マークシートは3者択一)

試験科目

試験内容は土壌に関する知識のみではなく、土づくりと作物の生育・収量・品質との関係を重視した出題内容になっています。
【試験科目】
●土壌医(1級)
2級レベルの知識に加え、作物生育との関係での土壌診断と対策(処方箋)の指導ができる知識と実績
〔土壌化学性・物理性・生物性と農作物の安定生産・品質向上対策、栽培環境の変化と土づくり対策、環境負荷軽減を目指した土づくり対策等〕
●土づくりマスター(2級)
3級レベルの知識に加え、施肥改善の処方箋が作成できる知識
〔作物生育と化学性・物理性・生物性の診断と対策、肥料・土壌改良資材、堆肥の種類と特色、主要作物の栽培特性と土壌管理、土壌診断の種類と進め方等〕
●土づくりアドバイザー(3級)
土づくりと作物生育との関係の基礎知識
〔作物の健全な生育と土壌環境、作物生育と土壌化学性・物理性・生物性との関連、土壌管理・施肥管理、主要作物の施肥特性、土壌診断の内容と進め方等〕

【出題範囲】
・2級テキスト出題範囲
第1章 ⼟壌・施肥管理の現状と制度
第2章 作物⽣育と化学性診断
第3章 化学性診断結果に基づく対策の⽅法
第4章 作本⽣育と⼟壌物理性診断
第5章 ⼟壌物理性診断結果に基づく改善対策の⽅法
第6章 作物⽣育と⼟壌⽣物性診断と対応
第7章 肥料・⼟壌改良資材・堆肥の種類と特徴
第8章 主要作物の栽培特性と⼟壌管理
第9章 ⼟壌診断の種類と進め⽅
・3級テキスト出題範囲
第1章 作物の⽣育に及ぼす栽培環境と適地⽣産
第2章 作物の健全な⽣育と⼟壌環境
第3章 作物⽣育と⼟壌の化学性、物理性、⽣物性
第4章 作物の⽣育障害
第5章 ⼟壌・施肥管理
第6章 主要作物の施肥特性と施肥管理
第7章 ⼟壌診断の内容と進め⽅

試験関連情報

【資格の難易度情報】
資格の難易度とランキング
ジャンル別資格の難易度ランキング

●関連資格
 日本農業技術検定
 ビオトープ管理士

問い合わせ先

一般財団法人 日本土壌協会[土壌医検定事務局]   ● お問合せコーナー
 TEL 03-3292-7281 (9:30~17:30)
 東京都千代田区神田神保町1丁目58番パピロスビル6階

【以下の各項には一部広告が含まれています。】

教材(テキスト・参考書)

1級・2級・3級公式参考書/過去問(申し込みもできます)

【土壌医検定試験 受験に役立ったおすすめ教材】
新版 土壌肥料用語事典 第2版
だれにもできる 土壌診断の読み方と肥料計算
新版 土壌学の基礎(農学基礎シリーズ)

教材(過去問・問題集)

「土壌医検定」主催者おすすめの参考書と過去問集
※土壌医検定試験の過去問題集は「土壌医検定試験既出問題集 ~出題傾向とポイント解説~」として、日本土壌協会より発刊されています。
またこれ以外についても、協会がすすめる参考書が土壌医検定の公式ウェブサイトで掲載されており、試験問題は基本的にそれらの参考書から出題されます。また協会主催の研修会なども開催されます。

講座・スクール

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