資格名

鉄道設計技士

資格の種類

公的資格

主催者

財団法人鉄道総合技術研究所

資格試験の概要

鉄道設計業務を総合的に管理できる技術能力を客観的に証明することで、鉄道技術全体の向上を図ることを目的に、平成8年度より始まった、わが国で唯一の鉄道技術に関する登録試験です。
鉄道技術に特化した設計技術者のための資格で、試験には、「鉄道土木」 「鉄道電気」 「鉄道車両」の3つの試験区分が設けられています。試験合格者は登録手続後、鉄道設計技士と認定されます。試験は、鉄道設計業務に関して十分な経験に基づく高度な管理能力および必要な知識を有することを確認するため、鉄道土木、鉄道電気、鉄道車両の試験区分ごとに、3科目の筆記試験(共通試験、専門試験Ⅰ、専門試験Ⅱ(論文))が実施されます。

平成24年度以降、共通試験・専門試験Ⅰに合格し、専門試験Ⅱ(論文)に合格しなかった場合、翌年度から3年間に限り、申請により共通試験・専門試験Ⅰが免除されることになりました。
※この試験は、国土交通大臣の登録を受け、鉄道事業法施行規則第24条に定められた設計管理者の要件の一つになっています。
※本試験の合格者には「鉄道設計技士(鉄道土木/鉄道電気/鉄道車両)」の称号が与えられます。

※鉄道設計技士試験に関する最新情報
【2021年度に鉄道設計技士試験の試験方法は、主に以下の点が変わりました】
①共通試験および専門試験Ⅰは、総問数を減らし、正誤、語群選択式のマークシート方式を導入。
②専門試験Ⅱは、業績論文に替えて記述式の問題を導入します(見識論文は従前どおり)
③記述式の問題は、鉄道技術者としての技術的な判断能力、応用能力を数値、語句等で解答。
 試験区分(鉄道電気では強電分野と弱電分野の各分野)ごとに4問程度出題しますので、その中から3問程度を解答して頂きます
④以上の変更に伴い、試験時間を5時間程度に短縮します。
 ※今後の状況により、変更となる場合があります
 ※試験実施時期および試験地、試験科目免除制度、受験資格、受験料は現行どおりです



合格率・資格難易度

難易度 
   「A」  難関

【資格の難易度レベル】
試験はかなり幅広い知識が必要な難関試験です。科目別では、特に「専門試験Ⅱ(論文)」が難度が高いです。技術士試験と同じように体験論文(業績論文)と専門試験(見識論文)があり、試験で求められる知識や内容が、体験で得られるものであることが多く、教科書的な一般的知識はあまり役に立ちません。ただ、多くの人が不合格になるのは「共通+専門Ⅰ」か難易度の高い「専門試験Ⅱ」です。共通試験の対策でも、主に過去問をできる限りこなしておくことが大切になります。鉄道設計に特化した試験なので、業務経験がないとかなり厳しいでしょう。
自信のない人は鉄道協会が主催する受験対策講習会を受講するのも一つの方法ですが、「資料は良いが受講料が高い」という声が多いので、十分検討が必要です。

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・合格率
令和元年度鉄道設計技士試験結果 
 (全体)受験者数1,062名 合格者数140名  合格率13.2%
(鉄道土木)受験者数234名  合格者数29名  合格率12.4% 
(鉄道電気)受験者数649名  合格者数91名  合格率14.0% 
(鉄道車両)受験者数179名  合格者数20名  合格率11.2%   

※参考データ
・平成30年度鉄道設計技士試験結果 
 (全体)受験者数1,067名 合格者数160名  合格率15.0%
(鉄道土木)受験者数225名  合格者数30名  合格率13.3% 
(鉄道電気)受験者数645名  合格者数96名  合格率14.9% 
(鉄道車両)受験者数197名  合格者数34名  合格率17.3% 
・平成29年度鉄道設計技士試験結果 
(鉄道土木)受験者数237名  合格者数43名  合格率18.1%
(鉄道電気)受験者数655名  合格者数86名  合格率13.1%
(鉄道車両)受験者数221名  合格者数39名  合格率17.6%  
  (全体) 受験者数1,113名 合格者数168名  合格率15.1%


受験対策・学習法ほか

国土交通大臣指定の資格で、鉄道施設及び車両に関する鉄道技術者の設計技術力を認定する試験です。試験は、3種類の筆記試験のどれもが合格率が2割前後の難関で、鉄道分野の技術士と考えたらいいでしょう。試験の内容は、鉄道やそれに関連する施設の設計についての知識だけでなく、従事した業務から体得した技術などについても広く問われます。

鉄道設計技士資格は国家資格ではないですが、設計のコンサルティングや工事の施工を請け負う会社などにおいては、割に重宝される資格で技術力の高さをアピールする材料として活用できます。鉄道会社の設計部門で働く人には取得しておくのが当然とされている資格でもあります。

仕事は、鉄道設計技士のほか、鉄道建設の電気設備関連業務、工事監督、工事発注、車体設計、鉄道の技術系総合職などで、どの職種も大学等を卒業した後に鉄道設計関連の会社に就職し、実際の業務に就きながら学んでいくことになります。

受験資格

年齢制限なし。
本試験を受験することができる者は、次に定める各号のいずれか一つに該当する者であること。
(1) 大学(短期大学を除く。)を卒業した者であって、設計に関する業務(受験する試験区分の専門分野に限る)に従事した期間(所属法人等の保守部 門、工事部門又は研究部門における設計対象に係わる業務の経験年数を含める)が5年以上の者
(2) 短期大学又は高等専門学校を卒業した者であって、設計に関する業務に従事した期間が7年以上の者
(3) 高等学校又は中等教育学校を卒業した者であって、設計に関する業務に従事した期間が9年以上の者
(4) 旧日本国有鉄道中央鉄道学園大学課程を卒業した者であって、設計に関する業務に従事した期間が6年以上の者
(5) 設計に関する業務に従事した期間が12年以上の者

試験方式

●試験は筆記試験3科目です。
・「共通試験」(全試験区分共通):正誤、語群選択式又は穴埋め式 1時間30分
・「専門試験Ⅰ」(各試験区分別):正誤、語群選択式又は穴埋め式  1時間30分
・「専門試験Ⅱ(論文)」業績(全試験区分共通):記述式 見識(各試験区分別) 3時間30分
●合格基準
・共通試験・専門試験Ⅰ:両試験の得点が各々満点の50%以上、かつ2科目の合計点が満点の60%以上であることを基準として問題の難易度で補正した点数を基準とする。
・専門試験Ⅱ(論文):業績、見識の得点が各々満点の50%以上、かつ2科目の合計点が満点のおよそ60%以上の者を合格者とする。
※共通試験・専門試験Ⅰが合格基準に満たない場合は、専門試験Ⅱ(論文)の採点は行わない。
●試験科目免除
共通試験・専門試験Ⅰに合格し、専門試験Ⅱ(論文)に合格しなかった場合、共通試験・専門試験Ⅰに合格した翌年度から3年間に限り、申請により共通試験・専門試験Ⅰが免除されます。ただし、3年間の免除期間内で専門試験Ⅱ(論文)に合格できなかった場合、免除期間最終年度の翌年度からは新たに共通試験・専門試験Ⅰから受験することになります。

試験科目

●共通試験(全試験区分共通)(150点)
(1) 鉄道営業法および鉄道事業法等の技術に関する法令の基礎的知識
(2) 鉄道土木A鉄道電気および鉄道車両の技術に関する基礎的知識
●専門試験Ⅰ(各試験区分別)(150点)各試験区分における専門的な知識
(1)鉄道土木
鉄道計画、線路、鉄道構 造物、停車場、その他鉄道土木に関する事項
(2)鉄道電気
送配変電設備、電車線設 備、信号設備、通信設備、その他鉄道電気に関する事項
(3)鉄道車両
電車、機関車、気動車、 客車、貨車、その他鉄道車両に関する事項
●業績(全試験区分共通)(60点)
鉄道に関する各自の業績を問うもの
●見識(各試験区分別)(60点)
鉄道設計技士としての見識を問うもの
※科目免除
共通試験・専門試験Ⅰに合格し、専門試験Ⅱ(論文)に合格しなかった場合、共通試験・専門試験Ⅰに合格した翌年度に限り、申請により共通試験・専門試験Ⅰ が免除されます。

スケジュール

試験実施:年1回  例年10月末

2023年度鉄道設計技士試験案内
受験申請書の配布
(1) 配布期間2023年6月9日(金)~2023年7月7日(金)
(2) 配布方法
   鉄道設計技士試験のウェブサイト(https://www.rtri.or.jp/gishi/)からダウンロードする。  

試験会場

東京、大阪

受験料

・共通試験・専門試験Ⅰおよび専門試験Ⅱ(論文)の受験者 
 25,000円
・試験科目免除対象者(専門試験Ⅱ(論文)のみの受験者)  
 15,000円
※合格証明書の交付および名簿の登録手数料 
 5,000円

問い合わせ先

公益財団法人鉄道総合技術研究所 鉄道技術推進センター 鉄道設計技士試験事務局 
〒185-8540 東京都国分寺市光町2-8-38 http://www.rtri.or.jp/index_J.html
TEL 042-573-7237

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関連情報

●試験関連情報
 ・2021年度からの鉄道設計技士試験の試験方法が変わります。(上記、資格の概要欄参照)

●関連資格