資格の概要 | レストランなどで酒類に関する専門知識を持ち、ワインの品質保存や在庫管理をしながら、客の要望に応えてワインと料理との相性についてお客に適切なアドバイスをするワイン専門の給仕人を「ソムリエ(Sommelier)」と言います。
「ソムリエ」はフランスでは国家資格になっていますが、日本では(社)日本ソムリエ協会が行う呼称資格認定試験に合格することで、「ソムリエ」という職業を名乗ることができます。ワイン関係の資格の中では、国内ではもっともステータスと知名度がある資格です。
試験は、一次試験と二次試験があり、一次試験では公衆衛生の知識、ワインを含む飲料の必須知識などが問われます。一次試験の合格者が二次試験に進み、二次試験で口頭試問、サービス実技などの試験を受けます。
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日本で日本ソムリエ協会が行う一般呼称資格認定試験には、「ソムリエ」の他に、「ワインアドバイザー」 「ワインエキスパート」の3種類があります。
尚、それ以外には、一般呼称資格の上位にあたる「シニア呼称資格認定試験」として、「シニアソムリエ」、「シニアワインアドバイザー」、「シニアワインエキスパート」の資格認定試験もあります。
※「ソムリエ」は厚生労働省の職業分類表のとおり認定された独自の職業です。 詳しい職業分類については、こちらで確認できます⇒職業分類表
※ソムリエ、ワインアドバイザー、ワインエキスパートにランク分けはありません。ソムリエとワインアドバイザーは職種の違いであり、ワインエキスパートはソムリエやワインアドバイザーに該当する職に就いていない人の資格です。
◆ソムリエ呼称資格認定試験関連情報
・2018年度試験より「ソムリエ」「ワインエキスパート」呼称に限り、一次試験でCBT方式が導入されました。
・日本酒に特化した認定制度である「J.S.A. SAKE DIPLOMA」が発足。
「2018年度 J.S.A. SAKE DIPLOMA認定試験」出願期間 2018年6月29日(金)まで。
・2016年度以降の日本ソムリエ協会(J.S.A)呼称試験制度が一部変更になりました。
●ワインアドバイザー →【ソムリエ】 呼称を統一することが決まりました。
●シニアワインアドバイザー →【シニアソムリエ】呼称を統一することが決まりました。
※呼称の統一に伴い、「ワインアドバイザー」及び「シニアワインアドバイザー」の有資格者は指定の期間中に申請手続きをすることで、「ソムリエ」、「シニアソムリエ」に認定されます。⇒詳細はこちらを参照ください。 |
試験の合格率・難易度 | ●難易度
「C」 やや易
【資格の難易度レベル】
ソムリエ呼称資格認定試験の取得のハードルが高いところは、試験そのものよりもチャレンジするためにはワインおよびアルコール飲料を提供する、飲食サービス業での数年間の勤務経験(実務経験)が必要な点です。通算5年以上協会に会員として登録している場合は、通算3年以上で、現在も続けて働いていなければなりません。ワインエキスパートの場合は、ワインの職務に携わらない人を対象にした試験なので、受験者も少なく、受験者がソムリエ呼称資格のように実務経験者やプロではないからです。反対に、飲食実務経験者で、専門分野の知識があるソムリエ呼称資格認定試験の受験者の合格率がワインエキスパートより高いのは当然といえば当然なのです。
試験については、一次試験はワインスクールの初級の受験対策講座を受講しておけば問題はありません。ただ、ワインに関しての知識ゼロの人は、初級講座の受講修了だけでは難しいかも知れません。
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●合格率
2020年度試験結果
・ソムリエ呼称資格認定試験結果
受験者数4,316名 合格者数1,635名 合格率37.9%
・ワインエキスパート呼称資格認定試験結果
受験者数3,213名 合格者数1,391名 合格率43.3%
※参考データ
2018年度試験結果
・ソムリエ呼称資格認定試験結果
受験者数5,233名 合格者数1,386名 合格率26.5%
・ワインエキスパート呼称資格認定試験結果
受験者数3,214名 合格者数1,054名 合格率32.8%
2017年度試験結果
・ソムリエ呼称資格認定試験結果
受験者数5,520名 合格者数1,299名 合格率23.5%
・ワインエキスパート呼称資格認定試験結果
受験者数3,174名 合格者数1,051名 合格率33.1%
2016年度試験結果
・ソムリエ呼称資格認定試験結果
受験者数5,713名 合格者数1,659名 合格率29.0%
・ワインエキスパート呼称資格認定試験結果
受験者数3,238名 合格者数1,238名 合格率38.2% |
試験の内容・勉強法 | 「ソムリエ資格呼称認定試験」のソムリエ、ワインアドバイザー、ワインエキスパートにランク分けはありませんが、難易度は、ワインエキスパート資格が一番難しく、次にワインアドバイザー資格、一番簡単なのはソムリエ資格です。
試験対策や期間などは受験生によって様々です。ワインスクールに通って学んでいる方や、通信教育を受講されている方も多いですが、協会の教本(「日本ソムリエ協会教本〈2012〉―ソムリエ・ワインアドバイザー・ワインエキスパート」) より出題されますので、教本にて基礎知識を習得することがまず必要です。教本の内容がそのまま出るパターンも多いので、本は分厚いですが、一通り目を通しておく必要はあります。併せて、過去問が出る確率がかなり高いので、必ずやっておかねばなりません。
(一次試験対策)
問題は、ワインを中心としたアルコール飲料に関する全般的な知識問題です。ワインの造り方や名前などが問われますが、かなり難しい問題もあります。出題数100問のうち、80問程度はソムリエ、ワインアドバイザー、ワインエキスパートの3資格共通の問題です。残り20問が資格別に異なる問題になります。協会の教本からの出題になりますので、ある程度の時間をかけて、テキストに沿って系統立ててきちんと勉強しておけば大抵の人は合格できます。
(二次試験対策)
テイスティング対策は、試験2、3日前から睡眠を十分にとり、当日は体調ベストで試験に臨めるようにしておきましょう。試験では、それぞれのワインについて、外観、香り、味わいのコメントを行ったあとに、生産国、品種、収穫年などを解答します。
サービス実技では、ワインの抜栓とデキャンタージュを行いますが、手順が決まった基本的な動作チェックなので、高度な技は求められません。日々店で仕事をされている方なら、それほど難しくありません。 いづれにせよ、ソムリエ資格は一次試験さえ合格すれば、二次試験はほぼ全員が合格できます。
(対策本)
東大進学の数学講師が出したソムリエ試験対策本 ↓が、今たいへん好調だとか
⇒詳細はこちらを。
⇒受験のプロに教わる ソムリエ試験対策講座 地図帳付き<2014年版>
◆ワインエキスパート資格
この資格は趣味としてワインを嗜んでいる人のためのもので、ソムリエとは違ってあくまで個人でのワインの知識となります。従って、就職とか仕事に役立てたい場合はソムリエがおすすめです。試験はかなりの高難度で、むしろソムリエ資格よりも問題が難しくなっており、一次試験では1年以上ワインに関して勉強した人でないと合格するのは難しいと言われるほどで、過去5年間の平均合格率は約37%です。二次試験は合格率約64%ですが、こちらの試験はテイスティングにより行われ、一次試験と同様にソムリエよりも難しく、かなりの量のワインを飲んでいないと合格はできません。資格の難易度は、ソムリエ、ワインエキスパート、ワインアドバイザーの中ではワインエキスパートの難易度が一番高くなっており、一度これに合格してしまえばほかの資格は楽に取れるはずです。
◆ワインアドバイザー資格
ソムリエに準ずる資格ですが、飲食店ではなく酒販店に勤務されておられる方向けの資格です。お酒の流通に関係した仕事に3年間以上携わっている人だけが受験できます。
◆ワインエキスパート資格
ワインの品質判定に的確なる見識を持っている愛好家を認定する資格ですが、ここ最近、ワインエキスパート資格を受ける人が急増し、一般呼称資格認定試験合格者の約40%はワインエキスパートという状況です。
この資格もソムリエに準ずる資格ですが、職業、経験は不問で、全ての人が受験できます。結局、飲食店で働いていない人は、ソムリエの資格試験は受けられないということになります。 |