資格の概要 | 「日本語検定」は2007年に始まり、2011年7月に文部科学省の後援を受けた検定で受検者数は年間およそ10万人。同種の検定では、受検者数は最大規模です。主な受検対象者は、日本語を母語とする人なら誰でも受験できます。
試験では、いつも使っている日本語をどこまで正しく理解して使いこなしているか、日本語の総合的な能力をどこまで身に付けているかなど、日本語の知識と総合的な運用能力を測る検定試験です。
よく日本語検定と間違われることがある「日本語能力試験(JLPT)」は日本語が母語ではない日本語学習者を対象とする試験で、日本語検定とは全く別の検定試験です。
総合型選抜( AO入試 )や推薦入学で優遇措置の対象となるのは、日本語検定では3級以上が多く、企業採用での評価対象は2級以上が主流になりますので就職対策を含め、学生のうちに2級を取得を目指すのがお勧めです。
●得点率による級の認定
【1~7級】【準1級~準7級】
※得点率により各級の合格もしくは各準級の合格に認定されます。
下の合格基準に加え7級以外の級では、全ての問題領域で50%以上の正答率が必要になります。
●級別の難易度レベル
【1級】社会人上級レベル
【2級】大学卒業レベル~社会人中級レベル
【3級】高校卒業レベル~社会人基礎レベル
【4級】中学校卒業レベル
【5級】小学校卒業レベル
【6級】小学校4年生レベル
【7級】小学校2年生レベル
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試験の合格率・難易度 | ●難易度
1級 「B-上」 普通の上位
2級 「B」 普通
3級・4級 「C」 やや易しい
5級~7級 「D」 易しい
【資格の難易度レベル】
日本語検定では難易度の目安が1~7級に分かれていますが、一般的には3級が平均的なレベルとされています。
7級~3級までの級の認定率は60~90%程度ですが、2級からは認定率が大きく下がっています。最難関の1級になると、認定には80%以上の正答率が必要になり、合格率は1~9%程度で、かなり難易度の高い試験であることがわかります。1級の合格者は受験者数全体に占める合格者の割合がわずか1.6%前後です。1級試験にチャレンジする場合には、漢字だけでもかなり難しく、漢検準1級レベルのものでもよく出題されるため適格に出題傾向をつかんだ受験対策が必要になり、さらに公式テキストや問題集を利用して幅広い知識を身につける必要があります。
一方、級別の出題レベルは2級が「大学卒業~社会人中級」、3級が「高校卒業~社会人基礎」となっていますので、2級も合格率が10%前後で難易度が高いことは間違いなく、過去の推移を見ると各回の出題内容によって合格率の変動が大きく難易度が変わるようです。合格率だけをを見ると難易度が高く感じますが、要点を押さえて試験対策できれば合格点に到達することは十分可能です。出題のポイントをつかんで勉強できれば、合格点は取れそうなので、出題傾向に沿ったカリキュラムを組んで、適切な教材で対策することが大切です。
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・合格率
・2023年日本語検定 試験結果
1級 受験者数1,087名 合格者数47名 合格率4.3%
2級 受験者数4,272名 合格者数667名 合格率15.6%
3級 受験者数14,998名 合格者数7,006名 合格率46.7%
・2022年日本語検定 試験結果
1級 受験者数1,139名 合格者数98名 合格率8.6%
2級 受験者数5,247名 合格者数824名 合格率15.7%
3級 受験者数21,142名 合格者数9,423名 合格率44.6%
・2021年日本語検定 試験結果
1級 受験者数1,275名 合格者数90名 合格率7.0%
2級 受験者数5,122名 合格者数882名 合格率17.2%
3級 受験者数19,899名 合格者数8,836名 合格率44.4%
・2020年日本語検定 試験結果
1級 受験者数733名 合格者数164名 合格率22.3%
2級 受験者数3,003名 合格者数381名 合格率12.7%
3級 受験者数14,190名 合格者数7,081名 合格率49.9%
・2019年日本語検定 試験結果
1級 受験者数1,214名 合格者数129名 合格率10.6%
2級 受験者数6,440名 合格者数549名 合格率8.5%
3級 受験者数33,598名 合格者数13,909名 合格率41.4%
・2018年日本語検定 試験結果
1級 受験者数1,225名 合格者数93名 合格率7.6%
2級 受験者数6,869名 合格者数652名 合格率9.5%
3級 受験者数34,147名 合格者数13,649名 合格率40.0% |
試験の内容・勉強法 | 日本語検定の受験者数は毎回多少の変動はありますが、2019年第2回試験で総計で100万人を突破しました。そして、その内半数近くが3級の受験者です。受検者層は8割以上が学生で、小学生から高校生までを合計すると全体の約9割になります。それほど学生中心の試験となっています。
日本語検定のレベルは1級から7級までありますが、一番人気のあるのは2級です。日本語検定2級の難易度は高く、常用漢字だけでも約2100字を覚えておく必要があります。また、日本語検定には決められた出題範囲がないため、「丸暗記」という勉強方法は使えませんので、その分、さらに難易度が高くなります(出題範囲と記載されているのは一応の目安を書いています)
2級、3級の受験を目指す場合には、「公式テキスト」と問題集を十分にやれば対応できるはずです。この時に使うテキストは、2級なら「日本語検定公式テキスト・例題集「日本語」上級」、3級なら「日本語検定公式テキスト・例題集「日本語」中級」がいいと思います。
日本語検定の有資格者は、大学入試で優遇されるケースもあり、その多くは、AO入試や推薦入試で出願する際の優遇条件や出願優遇、合否判定考慮などの評価になっているようです。また、有資格者を就職の際に優遇する企業もあります。このように認定者を入試等で優遇する学校や、入社試験で優遇する企業、各種研修の一環として実施する企業等が年々増えているのが実状です。
社会人として役立つ知識を身につけることが目的ならば2級取得を目指せばいいでしょう。試験時間は60分なので、1問あたり3分程で解かなければならないため、解答のスピードも合格には必要です。解答時間や出題傾向を把握するためにも過去問対策を十分にやって試験問題に慣れておくことが合格のためのポイントです。
この資格だけで就職に関して有利に働くことはありませんが、新入社員研修や各種の企業研修の中で日本語検定を採用しているところも多く、アピールできる資格ではあります。 |
受験費用 | 【1級】6,800円
【2級】5,800円
【3級】4,300円
【4級】3,000円
【5級】2,300円
【6・7級】各2,200円(各税込) |