資格名

アルゴリズム実技検定 (略称 PAST)
※(英語名)Practical Algorithm Skill Test 

資格の種類

民間検定試験

主催者

AtCoder株式会社

資格試験の概要

「アルゴリズム実技検定」は、時代に影響されないプログラミングスキルの可視化を目的として2019年12月に第1回試験がAtCoder社の主催で実施されました。
従来のプログラミングの検定試験は、ほとんどが知識型試験であったことに対し、この検定は”プログラムを、いかに出題文に書かれた通りに正確に実装できるか?”という点を審査し測定する実践的な試験であるところが他の検定とは大きく異なります。受験者に実際にプログラムを書かせて、1からプログラムを作成する能力を問うことで、実践を想定した日本初の検定試験と言えます。

プログラミング能力の評価は、以下の3項目の特徴によって能力を5段階で評価します。
・知識型ではない。
・受験者が得意なプログラミング言語を選べる。
・アルゴリズムの実力を測る。
このことによって、選んだ言語やツールの使い方という視点でなく、効率のよいロジックをプログラミングで早く正確に記述するための思考力を測定することが可能になるとしています。

【5段階の評価・認定】
・エキスパート
・上級
・中級
・初級
・エントリー
受けた認定・評価はAtCoder公式認定の等級として付与されます。またランク認定された受験者にはマイページで認定証が発行されます。

【資格の有効期間】
機器の進化、受験者総数の変化、活かす職域の変化など、アルゴリズムスキルを活かす環境は変化することが予想されるため、有効期限が設定されています。
資格の有効期間:受験日から2年間有効




合格率・資格難易度

●難易度  
  上級   「A」 難関
  中級   「B-上」 普通の上位
  初級   「B」 普通   

【資格の難易度レベル】
試験では、ルートや指数計算、整数に関する問題、数列、行列など、高校で習った数学の公式や考え方が必要な問題がよく出題されますので、数学はきちっと勉強しておかないと合格は難しくなります。数学が苦手な人でも、最低、行列だけでも基本的なことはあらかじめ勉強しておかねばならないでしょう。過去の第1回試験などの結果を見ると、全体の約半分の受験者がエントリーと初級クラス合格者でした。AtCoderユーザの受験者でも約3割がエントリー・初級クラス合格者です。また、基本情報技術者試験は試験方式は異なりますが、難易度面からみると午後問題では難解なアルゴリズムが出題される点や、プログラミングに関する知識が要求される点はアルゴリズム実技検定と同じなので、一般受験者として難易度を考えれば、初級クラスでは出題範囲が圧倒的に広い基本情報技術者よりは難易度は低いと言えます。
アルゴリズム実技検定の第3回試験が終わり、結果が発表されました。第3回アルゴリズム実技検定の受験者数は5,087名で、最も多かったランクは初級の28.3%でした。今回に限り受験資格が無償提供されたこともあって、第2回試験に比べ受験者数が10倍以上に増加し、幅広い層からの受験者でした。試験の難易度と受けた感想では、72.1%が「難しかった+どちらかというと難しかった」という回答でした。ちなみに受験者の職業は、技術系の会社員が31.9%で、つぎに大学生が27.9%、大学院生が13.4%でした。

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・合格率
   合格率等は非公開
第3回アルゴリズム実技検定結果
  受験者数 5,087名
※最も多かったランクは初級の28.3%。受験資格が無償提供であったため、第2回試験に比べ受験者数が10倍以上に増加しました。

(参考データ)
・第2回アルゴリズム実技検定結果
  受験者数 356名
  合格者(中級取得者24.7% 上級取得者18.0%)
・第1回アルゴリズム実技検定結果
  受験者数 458名(このうち約30% 126名が一般受験者)
  試験結果(合格者数/割合)
  エントリー240名/19.7% 初級150名/32.7% 中級101名/22.1%
  上級27名/5.9% エキスパート66名/14.4% ※このうち38名が満点でした。 

受験対策・学習法ほか

2018年経済産業省「IT人材需給に関する調査」によると、GAFAをはじめ世界中の企業で高度なスキルをもつプログラマーの需要が高まっている一方で、2030年には先端的なスキルを持つIT人材は約55万人不足すると推定されています。その一方で、企業は高いプログラミングスキルをもつ高度IT人材の確保が大きな課題であるものの、プログラミングスキルを定量的に把握する方法がないため、求職者と企業間で採用のミスマッチが発生していると言われています。

こういう状況の中で、IT人材のプログラミングスキルを測る明確な「基準」を設けることは、学生やビジネスパーソンだけでなく、日本企業における高度IT人材不足の解消や、高度IT人材の活躍の機会創出を図るための大きな第1歩になります。
アルゴリズム実技検定の結果は、優れたアルゴリズムを扱えるプログラマーの証として、有効に活用することができます。それはアルゴリズムを理解しているということだけでなく、読解力や思考力、コーディング能力を駆使して問題解決に至る能力の証明でもあり、間違いなくこれからのソフトウェアエンジニアに求められる能力のひとつであり、将来的にもあらゆる企業において必要とされていくことになります。

※参考
AtCoder株式会社は、約193,315人(うち日本人107,430人)が参加登録し、毎週開催される定期コンテストには約9,700人が挑戦する、日本最大の競技プログラミングコンテストサイト「AtCoder(https://atcoder.jp/)」を運営しています。

受験資格

なし。誰でも受験できます。

試験方式

・試験方式
  オンライン受験(AtCoderIDを使用)
・試験時間
  リアルタイム受験・通常受験いずれも開始時間から5時間
 ※リアルタイム受験:決められた試験日・日時に受験する方法
 ※通常受験:AtCoderIDを使用し、自宅・職場など場所を選ばず受験する方法
・試験結果
  試験結果(点数・ランク)は試験終了後に即時発表
・出題数/点数
  合計 15問(1問目=9点/2~3問目=8点/4~6問目=7点/7~15問目=6点)
・ランク
  エントリー(25-39点)、初級(40-59点)、中級(60-79点)
  上級(80-89点)、エキスパート(90-100点)の5段階

試験科目

●公式認定ランクに応じた出題範囲
・エントリー
標準入出力や、整数型、文字列型の扱い、forやifなどのループや条件分岐などの、プログラミングにおける基本的なロジックを、問題に合わせて適切に組み合わせる能力を問います。
・初級
エントリーの要件に加え、多次元配列やリスト構造などを用いた、複雑性の高く、コーナーケースも多く含まれる、実装の難しいプログラムを組む能力が要求されます。 また、四則演算や簡単なデータの持ち方の工夫、ソートなどで解決可能な、計算量を改善する問題も出題されます。
・中級
初級の要件に加え、深さ優先探索や幅優先探索などを用いた複雑な全探索や、動的計画法や貪欲法・二分探索などの、高度な計算量の改善を要求する問題が出題されます。例えばグラフアルゴリズムでは、最短経路問題や最小全域木などの、有名な問題も出題されます。また、確率や組み合わせを数理的に計算する能力も求められます。 単に知識を問う問題ではなく、それらのアルゴリズムを正しく適用出来るかが問われます
・上級
中級の要件に加え、出題される典型アルゴリズムが増加し、問題の複雑性が増加します。動的計画法や貪欲法においても、単純に適用出来るような問題ではなく、さらに工夫が必要な問題が出題されるようになります。例えばグラフアルゴリズムでは、最小共通祖先や最大流問題や最小費用流問題などの、高度なアルゴリズムが出題される可能性があります。
・エキスパート
出題されるアルゴリズムは上級と変わりませんが、アルゴリズムの適用難易度が高い問題が出題されます。

スケジュール


2023年アルゴリズム実技検定 試験日程

【第15回・第16回・第17回】 
いずれもオンラインで受験可能で、試験時間は受験開始から5時間の予定です。
試験結果(点数・ランク)は試験終了後に即時発表

試験会場

●オンライン受験
 オンライン受験/AtCoderIDを使用し、自宅・職場など場所を選ばず受験可能

受験料

・一般受験:8,800円/人(税込) 
・団体受験(30名以上):7,040円/人(税込) 
・団体受験(100名以上):6,160円/人(税込)

問い合わせ先

AtCoder株式会社  https://atcoder.jp/
 東京都新宿区新宿4-1-23新宿SKYビル7階
・お問合わせ窓口
  support@atcoder.jp

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教材(過去問集)

第一回アルゴリズム実技検定 過去問
第二回アルゴリズム実技検定 過去問
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