資格の概要 | 「給水装置工事主任技術者」は、給水装置工事技術上の管理を行う責任者。給水装置工事の技術上の総括者として工事の適正な施工を確保するための責任と地位を与えるものです。
給水装置工事主任技術者試験は、水道法に基づく、(財)給水工事技術振興財団(厚生労働大臣指定試験機関)が実施する国家試験です。給水装置工事主任技術者として必要な知識および技能について問うもので、学科試験1、2、3、の分類で実施されます。
この試験に合格し、厚生労働大臣より免状の交付を受けた者が「給水装置工事主任技術者」と称することができます。この給水装置工事主任技術者の有資格者を事業所ごとに置かなければ、指定給水装置工事事業者にはなれません。また、工事実施の場合は給水装置工事ごとに有資格者を指名して、工事の技術面を総括する 高い職務を担わせるとともに、適正な工事の実施を図らなければなりません。
給水工事には、「給水装置工事主任技術者試験」とは別に、「給水装置工事配管技能検定」があります。水道法においては、指定給水装置工事事業者の事業の運営の基準として、配水管から水道メーターまでの給水装置工事については、適切な技能を有する者に施工させなければならないことが法令で定められています。
技能を有する者を養成するために「給水装置工事配管技能検定会」が開催され、実技課程や学科課程において習熟度考査が導入されています。⇒給水装置工事配管技能検定会
※給水装置工事主任技術者資格関連情報
・【主任技術者証の更新制度導入について】
令和元年10月に改正水道法の施行が予定され、指定給水装置工事事業者の5年更新制度が導入されることになります。それに伴い、更新時に、選任される主任技術者に対して水道事業者から研修の受講状況の確認が求められる予定です。
こうした背景から、主任技術者のための新たな研修を始めるとともに、研修修了者に発行する新たな主任技術者証の有効期限を5年とし、この主任技術者証には免状の情報を表示するほか、研修修了状況を明記することとして、研修名、受講修了年月日、有効期限、必要に応じて所属会社名を表示することになりました。
公益財団法人給水工事技術振興財団では、工事現場等で給水装置工事主任技術者資格の証明を求められた場合に提示できるように、主任技術者の資格を有する方(厚生労働大臣から交付された主任技術者免状をお持ちの方)で希望される方に、顔写真入りでカードタイプの「給水装置工事主任技術者証」を発行しています。新たな主任技術者研修の開始に併せて、技術者証が新しくなります。
→主任技術者証発行の手順
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資格難易度 | ●難易度
「B」 普通
【資格の難易度レベル】
給水装置工事旬技術者試験の合格率は、約30~40%で変わりませんが合否判定基準をクリアすることが課題と考えてください。試験科目を見れば分かるように、かなりの広範囲から出題されますので細かく計画を立てて勉強していくことが大切です。必要な勉強時間は50時間前後、1~1.5ヵ月程度で、主にテキストと過去問を活用できれば合格点を狙えます。独学でも十分対応可能ですが、独学が苦手な人は通信講座の利用もいいでしょう。試験はある程度専門的な問題も出題されますが、もともと受験資格が「実務経験3年以上」であるため、ある程度の専門的知識はある人と想定されますので、しっかりと参考書を読んだり、過去問を繰り返すことで知識を習得できる方は、独学でも十分合格可能と言えます。
試験では計算問題も出題されます。計算問題に苦手意識がある方は、計算式を勉強して正解を確実に出せるようにしておかねばなりません。いづれにしても、実務経験者なら難易度も「難関」とまではいかないレベルです。
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●合格率
令和3年度給水装置工事主任技術者試験結果
合格率 35.6%(受験者数11,829名 合格者数4,209名)
※参考データ
・令和2年度給水装置工事主任技術者試験結果
合格率 43.5%(受験者数11,238名 合格者数4,889名)
・令和元年度給水装置工事主任技術者試験結果
合格率 45.8%(受験者数13,001名 合格者数5,960名)
・平成30年度給水装置工事主任技術者試験結果
合格率 37.7%(受験者数13,434名 合格者数5,066名)
・平成29年度給水装置工事主任技術者試験結果
合格率 43.7% 受験者数14,650名 合格者数6,406名
・平成28年度給水装置工事主任技術者試験結果
合格率 33.7% 受験者数14,459名 合格者数4,875名
・平成27年度給水装置工事主任技術者試験結果
合格率 31.1% 受験者数13,978名 合格者数4,348名
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受験対策・資格の将来性 | 試験は給水装置工事主任技術者として必要な知識および技能について問うもので、学科試験1、2、3、の分類で実施されます。試験対策は過去問中心に、最低3年分はチェックすることが必要です。
科目的には「給水装置の構造及び性能」「給水装置工事法」「給水装置計画論」を中心に勉強するのがベストですが、この試験は「足切り」があるので注意が必要です。
資格取得については工事業種に制限はありませんが、資格の対象者は、水道施設工事業、上下水道工事業、管工事業、消防施設工事業、建築工事業、大工工事業、電気工事業 等になります。
経営事項審査制度により、資格者1人あたり1点、が企業の得点となり、公共事業などを受注する際の技術力として評価されます。
試験に合格し資格取得した人は、所定の手続きにより「監理技術者資格者証」が交付され、また、監理技術者講習を受講することで、「監理技術者講習修了証」が交付されます。
また、給水装置工事業における一般建設業の営業所に置く専任の技術者として認められ、また給水装置工事業の工事現場に置く主任技術者になれます。
仕事は給水装置工事に関する技術上の管理、給水装置工事に従事する人への技術指導・監督、給水装置の構造・材質が適合していることの確認などになります。
就職面でも、指定給水装置工事事業者は事業者ごとに給水装置工事主任者を選定することが義務付けられており、安定した需要が期待できます。
給水装置工事主任技術者の免状の交付を受けた後、管工事に関し1年以上の実務経験を有すると、建設業法による一般建設業のうち、管工事業の専任技術者(建設業許可)・主任技術者(現場常駐)として認められ、経営事項審査でも技術職員として評価されます。 |