資格名

航空工場検査員

資格の種類国家資格(業務独占資格)
主催経済産業省 製造産業局 航空機武器宇宙産業課 試験担当
資格の概要

「航空工場検査員」は、航空機の製造・修理や、航空機用機器の製造等を行うところで必要になる航空機や関連機器の検査、確認、製造証明などを担当する専門家を認定する国家資格です。航空機や航空機用機器の製造工場・修理工場では、この資格に合格した人のなかから、経済産業大臣が航空工場検査員を指名し、検査事務にあたることになっています。
航空工場検査員の具体的な仕事内容は、検査の専門家として製造過程の最終チェックや、飛行機を安全に保つために修理補修工場での検査を行います。この検査員の国家試験は、経済産業大臣によって、毎年1回実施されています。

●航空工場検査員の資格区分は次の13に分かれています。
(1)航空機
(2)航空機用原動機
(3)航空機用プロペラ
(4)回転翼
(5)降着装置
(6)発電機
(7)空気調和装置用機器
(8)飛行指示制御装置
(9)統合表示装置
(10)航法用電子計算機
(11)レーザージャイロ装置
(12)回転翼航空機用トランスミッション
(13)ガスタービン発動機制御装置

●資格区分13の各試験科目
・航空機
① 航空機製造事業法及びその附属法令 
② 航空機の強度、構造及び性能に関する理論
③ 航空機の材料に関する事項
④ 航空機の製造及び修理の方法に関する事項)
⑤ 航空機用原動機の強度、構造及び性能に関する理論
⑥ 航空機用プロペラの強度、構造及び性能に関する理論
⑦ 回転翼の強度、構造及び性能に関する理論
・航空機用原動機
① 航空機製造事業法及びその附属法令
② 航空機用原動機の強度、構造及び性能に関する理論
③ 航空機用原動機の材料に関する事項
④ 航空機用原動機の製造及び修理の方法に関する事項
・航空機用プロペラ
① 航空機製造事業法及びその附属法令
② 航空機用原動機の強度、構造及び性能に関する理論
③ 航空機用プロペラの強度、構造及び性能に関する理論
④ 航空機用プロペラの材料に関する事項
⑤ 航空機用プロペラの製造及び修理の方法に関する事項
・回転翼
① 航空機製造事業法及びその附属法令
② 航空機用原動機の強度、構造及び性能に関する理論
③ 回転翼の強度、構造及び性能に関する理論
④ 回転翼の材料に関する事項
⑤ 回転翼の製造及び修理の方法に関する事項
・降着装置
① 航空機製造事業法及びその附属法令
② 降着装置の強度、構造及び性能に関する理論
③ 降着装置の材料に関する事項
④ 降着装置の製造及び修理の方法に関する事項
・発電機
① 航空機製造事業法及びその附属法令
② 発電機の強度、構造及び性能に関する理論
③ 発電機の材料に関する事項
④ 発電機の製造及び修理の方法に関する事項
・空気調和装置用機器
① 航空機製造事業法及びその附属法令
② 空気調和装置用機器の強度、構造及び性能に関する理論
③ 空気調和装置用機器の材料に関する事項
④ 空気調和装置用機器の製造及び修理の方法に関する事項
・飛行指示制御装置
① 航空機製造事業法及びその附属法令
② 飛行指示制御装置の強度、構造及び性能に関する理論
③ 飛行指示制御装置の材料に関する事項
④ 飛行指示制御装置の製造及び修理の方法に関する事項
・統合表示装置
① 航空機製造事業法及びその附属法令
② 統合表示装置の強度、構造及び性能に関する理論
③ 統合表示装置の材料に関する事項
④ 統合表示装置の製造及び修理の方法に関する事項
・航法用電子計算機
① 航空機製造事業法及びその附属法令
② 航法用電子計算機の強度、構造及び性能に関する理論
③ 航法用電子計算機の材料に関する事項
④ 航法用電子計算機の製造及び修理の方法に関する事項
・レーザージャイロ装置
① 航空機製造事業法及びその附属法令
② レーザージャイロ装置の強度、構造及び性能に関する理論
③ レーザージャイロ装置の材料に関する事項
④ レーザージャイロ装置の製造及び修理の方法に関する事項
・回転翼航空機用トランスミッション
① 航空機製造事業法及びその附属法令
② 回転翼航空機用トランスミッションの強度、構造及び性能に関する理論
③ 回転翼航空機用トランスミッションの材料に関する事項
④ 回転翼航空機用トランスミッションの製造及び修理の方法に関する事項
・ガスタービン発動機制御装置
① 航空機製造事業法及びその附属法令
② ガスタービン発動機制御装置の強度、構造及び性能に関する理論
③ ガスタービン発動機制御装置の材料に関する事項
④ ガスタービン発動機制御装置の製造及び修理の方法に関する事項

試験方式

●試験方式
 ○×式や語群選択式などのマークシート方式
●試験の科目と出題数・試験時間(平成29年試験)
・航空機
① 航空機製造事業法及びその附属法令(出題数8問/試験時間60分) 
② 航空機の強度、構造及び性能に関する理論(出題数5問/試験時間45分)
③ 航空機の材料に関する事項(出題数5問/試験時間45分)
④ 航空機の製造及び修理の方法に関する事項(出題数10問/試験時間60分)
⑤ 航空機用原動機の強度、構造及び性能に関する理論(出題数5問/試験時間45分)
⑥ 航空機用プロペラの強度、構造及び性能に関する理論(出題数5問/試験時間45分)
⑦ 回転翼の強度、構造及び性能に関する理論(出題数5問/試験時間45分)
・航空機用原動機
③ 航空機用原動機の材料に関する事項(出題数5問/試験時間45分)
④ 航空機用原動機の製造及び修理の方法に関する事項(出題数10問/試験時間60分)
・航空機用プロペラ
③ 航空機用プロペラの強度、構造及び性能に関する理論(出題数5問/試験時間45分)
④ 航空機用プロペラの材料に関する事項(出題数5問/試験時間45分)
⑤ 航空機用プロペラの製造及び修理の方法に関する事項(出題数8問/試験時間60分)
・回転翼
③ 回転翼の強度、構造及び性能に関する理論(出題数5問/試験時間45分)
④ 回転翼の材料に関する事項(出題数5問/試験時間45分)
⑤ 回転翼の製造及び修理の方法に関する事項(出題数10問/試験時間60分)
・飛行指示制御装置
② 飛行指示制御装置の強度、構造及び性能に関する理論(出題数5問/試験時間45分)
③ 飛行指示制御装置の材料に関する事項(出題数5問/試験時間45分)
④ 飛行指示制御装置の製造及び修理の方法に関する事項(出題数10問/試験時間60分)
・統合表示装置
② 統合表示装置の強度、構造及び性能に関する理論(出題数5問/試験時間45分)
③ 統合表示装置の材料に関する事項(出題数5問/試験時間45分)
④ 統合表示装置の製造及び修理の方法に関する事項(出題数10問/試験時間60分)
・回転翼航空機用トランスミッション
② 回転翼航空機用トランスミッションの強度、構造及び性能に関する理論(出題数5問/試験時間45分)
③ 回転翼航空機用トランスミッションの材料に関する事項(出題数5問/試験時間45分)
④ 回転翼航空機用トランスミッションの製造及び修理の方法に関する事項(出題数10問/試験時間60分)
・ガスタービン発動機制御装置
② ガスタービン発動機制御装置の強度、構造及び性能に関する理論(出題数5問/試験時間45分)
③ ガスタービン発動機制御装置の材料に関する事項(出題数5問/試験時間45分)
④ ガスタービン発動機制御装置の製造及び修理の方法に関する事項(出題数10問/試験時間60分)
上記の通り、各試験区分には4~7科目程度がありますが、一度に全部合格しなくても、3年間に限り合格科目は免除されます。

●合格基準:「法及びその附属法令」および「製造及び修理の方法に関する事項」の科目については概ね7割、その他の科目については概ね6割の得点で科目合格となります。かつ試験の種類ごとに定められた試験科目の全てに合格することが必要です。

※免除(科目等)について
(1)大学、高専で航空工学等を専修した者に対する一部試験科目の免除。
大学、短大、高専等で、航空工学、機会・精密工学、電気・電子工学、計測・応用物理学の課程を修了した卒業者は、申請により科目の一部免除があります。
(2)他の国家試験合格者に対する一部試験科目の免除。
(3)科目合格者に対する連続3回の同一試験科目の免除。

受験資格

受験資格の制限は特にありません

試験科目

●試験科目
試験区分によって異なりますが「法およびその附属法令」の科目は全試験区分共通になっています。それ以外は、各試験区分の航空機や航空機部品に関する構造や性能、製造・修理方法などに関する科目になります。
●試験の種類
・試験の種類ごとに定めた4~7科目があり、その中から試験の種類によって定められた科目を受験します。
・試験の種類(8種類)
(1)航空機 (2)航空機用原動機(3)航空機用プロペラ(4)回転翼(5)飛行指示制御装置(6)統合表示装置(7)回転翼航空機用トランスミッション(8)ガスタービン発動機制御装置

(平成30年の試験の種類)
・航空機国家試験
・航空機用原動機国家試験
・航空機用プロペラ国家試験
・回転翼国家試験
・飛行指示制御装置国家試験
・統合表示装置国家試験
・回転翼航空機用トランスミッション国家試験
・ガスタービン発動機制御装置国家試験
※試験の内容は各科目によって異なります。

スケジュール

試験実施:年1回( 10月 )
申込受付:6月下旬~7月上旬
願書提出:経済産業省製造産業局航空機武器宇宙産業課へ受験願書を提出
(郵送による場合は、必ず「特定記録郵便」で郵送。また、締切期日までの消印のあるものに限り受け付ける。)

平成30年航空工場検査員国家試験受験案内
・試験日:平成30年10月25日(日)または10月26日のうち指定する日時 
・受験申請受付:平成30年6月25日(月)~7月6日(金)
・合格発表:試験日の約2ヶ月後 

試験会場

東京都

受験料

8,000円(収入印紙を貼付)

資格難易度

●難易度
  「B-上」 普通の上位
●合格率
  平成29年航空工場検査員国家試験(全区分合計)結果 ⇒詳細
  受験者数454名 合格者数167名 合格率36.8%
(試験別合格率)
航空機41.2% 航空機用原動機23.4%  航空機用プロペラ78.6%  回転翼29.7% 飛行指示制御装置29.7%   統合表示装置19.4% 回転翼航空機用トランスミッション41.2% ガスタービン発動機制御装置68.8%

※参考データ
・平成28年航空工場検査員国家試験(全区分合計)結果
 受験者数453名 合格者数138名 合格率30.5%
(試験別合格率)
航空機19.2% 航空機用原動機21.2%  航空機用プロペラ66.7%  回転翼53.8% 降着装置71.4%発電機22.2% 空気調和装置用機器35.7% 飛行指示制御装置45.0% 統合表示装置20.0% 航法用電子計算機38.7%  レーザージャイロ装置25.0% 回転翼航空機用トランスミッション65.4% ガスタービン発動機制御装置21.4%

【資格の難易度レベル】
航空工場検査員の資格は高い専門性を求められる国家資格であり、難易度は高いと言えます。難しい上に試験科目も多いので勉強は大変です。ただ、科目合格制度がありますので、一度に全ての科目を合格する必要がないことだけが救いです。
試験科目別の合格率を見ても、低い科目は20%以下という非常に難しい科目もあるので、そのような科目は独学での突破は無理かも分かりません。いづれにせよ、計画を立てて勉強をしておかなければ合格は難しいでしょう。合格するためには専門学校などに通ったほうが確実なので、計画性をもってチャレンジすることが大切です。

受験対策&
資格の将来性

この試験の過去問はありますが、受験対策教材(参考書や問題集)は販売されていません。そのため各科目の勉強は各分野の専門書でするしか方法がありません。大学理工学部卒業など学歴による科目免除が受けられる人は、法令科目と製造・修理方法に関する科目のみの勉強だけですみますのでかなり有利です。

この資格があればどこでも働くことができるので転職や就職にも大変有利にであることは事実ですが、就職のためにこの資格を取得するという道ではなく、まずは航空工場に就職して実務経験を積むことが大切です。そしてその仕事のステップアップとして勉強して資格取得を目指すのが一般的です。

航空機の製造工場・修理工場と航空機部品の製造工場では、従業員の中から航空工場検査官を選任して、認可を受けた方法で製造・修理を行っていることを確認させなければならないことが、航空機製造事業法で決められています。その中で航空工場検査員は経済産業大臣の指名を受けて、こうした事務手続きを行うこともできます。
航空工場検査員の就職は航空工場になりますが、航空機や人の命を守る非常に重要な仕事なので、やりがいを求める人には最適な仕事になるでしょう。

通信講座

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スクール

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オンライン学習

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教材

航空工場検査員国家試験 過去問

売れ筋教材

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問い合わせ先

経済産業省 製造産業局航空機武器宇宙産業課
東京都千代田区霞が関1-3-1
03-3501-1692(直通)
http://www.meti.go.jp/

経済産業省 製造産業局 航空機武器宇宙産業課
URL: http://www.meti.go.jp/information/license/c_text15.html

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