資格名

検査分析士

資格の種類

民間資格

主催者

特定非営利活動法人 分析産業人ネット

資格試験の概要

検査分析士は科学技術のさらなる前進・発展のために、分析技術者の量の確保と質の向上をはかり、分析技術者の社会的地位の確立を目指すことを目的として創設された民間資格であり、資格制度には「試験による実務能力の検定」と「自己啓発による実力の涵養(かんよう)支援」により「専門家としての地位の確立」を目指す、とされています。すなわち、機器分析技術を社会の抱える問題解決の道具として活用する専門家の資格です。検査分析士は個人が持つ資格で、自主認定資格として認定・登録を行います。
検査分析士の資格認定試験に合格したあとは、検査分析士会に入会することで、検査分析士の資格を得ることができます。資格は2年ごとの更新制となっています。
現在、約600名余の方が初級資格を取得しています。

合格後の能力向上の支援
機器分析の実務者は、実務経験を積み重ねながら継続的に学習をして、問題解決に必要な知識を得ることが必要なため、継続学習制度が設けられています。

◆能力評価の基準
機器分析の実務能力は習得している知識、技術のレベルにより、初級、上級、特級3段階のランクで評価します。
・初級:専門的な経験を問わないエントリー資格
「与えられた機器分析の課題について、定められたプロセスに沿って分析の操作が一通り出来る」ことが基準。機器分析に関する基礎知識があることを証明する必要がある方に向いています。
・上級:機器分析を行う実務家を対象として、専門能力を問う資格
「与えられた機器分析の課題の意味を理解し、自らの専門とする分析手法を用いて分析を行うことができる」ことが基準。機器分析の専門家として企業内で中核を担う人材を対象としています。
・特級:問題解決をはかる実務能力を問う資格。
特級試験は原則として上級資格保持者を対象とします。特級検査分析士は検査分析士制度を維持発展させる中核の人材として「取得した知識や技能を次の世代の方に継承できる」ことが求められます。




合格率・資格難易度

難易度 
  初級  「C」 やや易しい
  上級  「B」 普通  

【資格の難易度レベル】
検査分析士の初級は、筆記試験だけなので比較的簡単で、合格率も60~70%程度のようです。
しかし、検査分析士として就職先を探したり、就職に役立てるためには、最低でも上級、出来れば特級を取得しておくといいでしょう。 上級の合格率は30%程で、特級になると合格率も10%程の難関レベルに上がります。 ただ、検査分析士は民間資格の1つなので、資格を持っていなくても仕事をすること自体は可能です。
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合格率 
 2020年度第14回検査分析士資格試験結果
  全合格者数 初級 12名 上級 3名
・2019年度検査分析士資格試験結果
  初級 受験者数38名 合格者数26名 合格率68.4%
  全合格者数 初級 26名 中級 1名 上級 3名
・初級試験の合格率
第1回 82% 第2回 72% 第3回 74% 第4回 68% 第5回 66% 第6回 69% 
第7回 70% 第8回 67% 第9回 66%   第10回 58.8% 第11回 60.6% 第12回 78% 第13回 68% 
 (過去の試験合格率総平均 68%)

受験対策・学習法ほか

「検査分析士」は、機器分析技術を構成する「サンプリング・前処理・測定・データ解析・分析結果の報告」の 各プロセスを一連の作業として実施できる実務的な能力を持つ専門家の資格です。
機器分析を行う実務家を対象としたライセンス型資格として、取得者本人の能力が説明できる資格です。 この資格は、会社や団体などの所属機関に与えられるものではなく、個人に与えられます。

・「初級」の取得を目指す人には、高校の化学・物理の指導要綱程度の基礎知識を既にマスターし、これに加え最小限必要な分析に関する知識と技能を有することが望まれます。初級試験はこれから分析業務に取り組もうとする人を対象としています。主に機器分析の専門家を目指す人はもちろんのこと、 機器分析の部門に派遣や配属されている人や、販売をするために分析機器を操作しなければならない人などが対象になります。
またそれ以外には、就職対策として自分の能力を示したい人にも使えるでしょう。資格取得者には文系の学科を卒業して機器分析の専門家として活躍中の方もおられます。尚、受験者には「バイブルテキスト」が配布されます。
(公式サイトには以下のように記載されています)
初級試験は受験申込時に配布する初級試験テキストの範囲で出題します。このテキストは高校で学習する物理や化学の一部の概念や専門的な用語について理解していることを想定しています。物理や化学の知識を学んだ方にはテキストによる学習は個人差もありますが2か月もあれば充分だと思います。

・「上級」の取得を目指す人には、「与えられた機器分析の課題の意味を理解し、自らの専門とする分析手法を用いて分析を行うことができる」ことが基準になります。チャレンジャーには分析化学を専攻した大学卒業者と同等以上の知識と技能を持つことが期待されます。
尚、受験のための学習を早めに開始したい方のために「テキスト事前申込」の受け付けがあります。また、4カ月で学習を行う通信講座「検査分析士受験支援講座」も利用できます。

機器分析の実務者は、分析を実施する中で起こってくる問題を解決するため、実務経験を積み重ねながら継続的に学習をして、問題解決に必要な知識を得ることが必要になります。このため、検査分析士資格制度では継続学習制度が設けられています。
実務経験と共に、資格試験制度によって専門知識を習得することにより、機器分析の実務者の地位の向上を目指すことが可能になっています。

受験資格

【初級】
 高校卒業者または高等学校卒業程度認定試験合格者
【上級】
 高校卒業者または高等学校卒業程度認定試験合格者
※初級・上級とも受験資格は特にありませんが、高校卒業者または高等学校卒業程度認定試験合格者の知識が必要です。

【特級】
 検査分析士上級試験の合格者が対象の試験です。
※最低10年以上の実務経験があり、指導監督を行うための法律や実験室の管理、監督者としての人事労務に関する事項等の基本的な知識と、問題解決の依頼者への説明能力があることが目安です。
  「特級」の詳細について ⇒ 検査分析士特級資格試験申込制度の案内

試験方式

●試験の種類
 ・個人で受験する「一斉試験」
 ・団体(企業等)で受験する「団体試験(初級のみ)」

【初級】初級は基礎的な知識を問う選択式試験
 (1)4択選択問題50問/試験時間90分
【上級】
 (1)4択選択問題(基礎的な知識)/試験時間90分 
 (2)記述式(専門的な知識)10問程度/試験時間120分
※記述は30文字から100文字程度で専門用語の意味等を記述する。内訳は、機器の原理・構造から3題、サンプリング・前処理から2題、測定・データ処理から2題、応用手法・標準試料・法律規格から3題の10題が目安です。
 (2)論述問題2題/試験時間60分
 (3)技能試験:実務経験や同種資格の保持について書類選考で行われます。
 (3)面接審査:筆記試験及び書類選考で一定の成績を収めた方を対象に行われます。
※4択選択問題による試験は初級試験と同等の試験で初級検査分析士試験に合格した方は免除されます。
【特級】
 1次:業務知識を問う筆記試験(記述・論述式)/試験時間120分
     面接試験10分
 2次:論文作成と口頭発表15分(記述試験とプレゼンを行う)
※記述試験は「自らのもつ知識を体系的に伝えられる」テーマのレポート(テキスト)を作成して審査を受けます。但し、レポート(テキスト)作成には時間がかかるため、試験の受け付けは随時行い、レポート(テキスト)の提出までに半年の猶予が与えられます。 

試験科目

【初級】基礎的な知識は受験申し込みと同時に配布される「初級検査分析士資格試験テキスト」の範囲内です。 
●試験科目
1.検査分析士の基本知識
2.分析の目的と対象
3.機器分析の基本
4.分析のプロセス
5.湿式分析法
6.光をもちいた分析法
7.分離分析法
8.PH計
9.機器分析室の管理
※基礎的な化学・物理等の知識、分析機器等の一般知識で、個別の分析機器や手法の詳細までは問われません。
【上級】上級試験は初級試験の範囲に加え、「上級検査分析士試験区分方法」に準じた範囲です。
●試験科目
 四択選択問題:初級試験と同等の試験。初級検査分析士資格取得者は免除されます。
 専門的問題(記述式)
  ・機器の原理・構造(3題)
  ・サンプリング・前処理(2題)
  ・測定・データ処理(2題)
  ・応用手法・標準試料・法律規格(3題)
 論述問題

◆検査手法の選択(詳細は「手法の選択について」を参照ください)
上級試験は、以下に示す分光分析と分離分析の手法から2つの手法を選択して試験を行います。
選択する手法は、同一分野のものである必要はありません。 2019年度よりイオンクロマトグラフが選択手法に追加になりました。
※下記の分離分析の手法から選択する。
①分光分析、②分離分析、③表面分析、④顕微分析、⑤構造回折

スケジュール

●試験実施
【初級】
 ・筆記:7月末の土曜日
【上級/特級】
 ・筆記:7月末の土曜日
 ・面接:8月中旬~下旬の土または日曜日
●合格発表
【初級】8月下旬
【上級】9月上旬
【特級】9月上旬

2024年度 検査分析士資格試験日程
原則として試験を実施する日時より2か月以上前に受験申込をして下さい。
・申込書類は査分析士団体試験のページからダウンロードできます。
・「テキストの事前申込み」の受け付けもあります。

試験会場

・【初級】
 札幌、仙台、東京、名古屋、京都、福岡
・【上級/特級】
 東京、名古屋、京都

 

受験料

【上級】22,000円(税込み)
(中級資格取得者は5,500円、初級資格取得者は11,000円)
【初級】11,000円(税込み)
(事前申込者・再受験者は、4,400円)

問い合わせ先

特定非営利活動法人 分析産業人ネット   https://pai-net.or.jp/
 (英文名:Professionals’ Net-work in advanced Instrument Society)
〒101-0063
東京都千代田区神田淡路町2丁目6番地 淡路ビル4階
 電話 03-5294-3115 FAX 03-5294-334
問い合わせフォーム

【以下の各項には一部広告が含まれています。】

通信講座・eラーニング

検査分析士初級受験向け学習支援講座

通学スクール・講座

分析産業人ネットが主催するセミナー・講習会

教材(過去問集)

初級資格認定試験問題(サンプル)
上級検査分析士資格試験 例題

教材(テキスト・参考書)

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