資格名

漢語水平考試(HSK)
英名:Hanyu Shuiping Kaoshi

資格の種類

民間資格

主催者

国家中国語能力検定試験委員会

資格試験の概要

漢語水平考試 (HSK)は、母語が中国語ではない者(外国人、華僑、中国国内少数民族を含む)の中国語能力水準を検定するために設立した国家レベルの標準化試験であ り、今の北京語言大学によって研究制作されました。また、HSKは中国政府教育部(日本の文部科学省に相当)の公認する中国語の語学検定試験であり、HSKの開発や試験問題の作成は中国国家漢語国際推進事務室が行っています。中国政府認定の中国語検定であるため、中国や日本国内、そして世界中で、中国語能力の公的な証明として通用し、HSKの成績証明は中国留学の際の基準や就職・転職の際にも活用されています。
HSKには、基礎中国語能力検定試験(HSK基礎)、初中級中国語能力検定試験(HSK初中級)と上級中国語能力検定試験(HSK上級)が含まれています。試験は、毎年定期的に中国国内および国外で実施され、成績が規定基準に達した者には該当する「中国語能力証書」が発行されています。
この試験は中国の教育部認定試験であるため、中国において中国語力の証明として通用し、英語圏に留学する際に英語力の証明として提出が義務づけられているTOEFLの中国版のようにみなされています。1981年に認定が開始され、現在では世界で中国国内を含め60ヵ国、290以上の試験会場で実施されています。

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2010年度にHSKは全面改定され、ヨーロッパにおいて外国語学習者の能力評価時に共通の基準となるCEF(ヨーロッパ言語共通参照枠組み)と合致するよう設計されました。このため、欧米各国の外国語テストとの互換性から難易度の比較がしやすく、世界のどの地域でも適切な評価を受けることが可能となり ました。
HSKは、国際漢語能力標準化試験であり、中国語を母国語としない中国語学習者の生活面や、学習面、仕事面における中国語のコミュニケーション能力を測ることに重点を置いた試験です。
試験形式は筆記試験と口頭試験からなり、筆記試験は、HSK1級、HSK2級、HSK3級、HSK4級、HSK5級、HSK6級に分かれ、口頭試験は、HSK初級、HSK中級、HSK高級に分かれており、録音の形式が採用されています。
各級の問題は、TOEICなど西洋のテストで広く活用されている項目応答理論(Item Response Theory)を活用し運用され、テスト結果は級別点数表記されます。

※HSK適用対象
・HSK(基礎)は、基礎中国語レベルの学習者に適用します。100~800時間、現代中国語を正式に勉強した者(同等レベルの者)が受ける試験になります。
・HSK(初、中級)は、初、中級中国語レベルの学習者に適用します。400~2000時間、現代中国語を正式に勉強した者(同等レベルの 者)が受ける試験です。
・HSK(上級)は、上級中国語レベルの学習者に適用します。3000から3000時間以上、現代中国語を正式に勉強した者 (同等レベルの者)が受ける試験です。
取得した点数により1~8級に判定されます。基礎(1~3級)、初中等(3~8級)。

合格率・資格難易度

難易度
  中級(3級) 「B」 普通   

【資格の難易度レベル】
学習時間は初中等3級のレベルまでに約800時間が必要といわれていますが、HSKの場合、听力、文法、読解、総合の4分野のバランスで評価され、バランスが取れていないと合計点でも不合格になるため、短期学習、短期習得を目標にするのは非常に難しい試験と言えます。
中国語の検定試験のレベル比較では、HSK中級の6、7、8級クラスで、中検2級よりはやや難易度が高く、中日通検2級と同程度と考えてよいでしょう。

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●合格率 
  合否判定はありません。非公開   
※HSKの試験結果は、「聞き取り」「読解」「記述」の各分野ごとにスコアで表記されます。
※合格発表は試験後本人に通知されます。

受験対策・学習法ほか

比較的有名な中国語力を証明する資格には4つあります。 「HSK(漢語水平考試)」「中検」「TECC(中国語コミュニケーション能力検定)」「 中国語通訳ガイド試験」の4資格です。 
この中で、HSKは中国政府の教育部が主催する国家試験、 中検は民間資格で日本中国語検定協会主催、TECCも中国語コミュニケーション協会主催の民間資格試験です。 中国語資格試験として代表的なものは、HSKと中検です。日本における中国語の資格は「中検」が一般的ですが、この試験は日本にある協会法人が主催する試験であるため、資格の適用地域は日本のみになります。これに対し、「漢語水平考試(HSK)」は中国の国家認定試験であるため、中国において中国語力の証明として通用するわけです。
試験の内容面では、中検は発音や文法、または語彙力とかが偏重されている傾向があり、リスニング部分が平易に設定されている反面、文法・読解部分に難問が多い試験です。HSKの方は全体的な言語運用能力の試験だと言え、ヒアリング力と読解力を重視しているので、中検に比べてもヒアリングの文字数はかなり多く、初中等クラスで1分間に170字~220字程度でかなりのスピードになります。



HSKは、 中国語を母語としない学習者(外国人以外に華僑や中国国内の少数民族も含む)が対象の試験で、1 級から11級までがあり数字が大きいほど上位になります。
「基礎」「初中等」「高等」の3ランクがあり、点数に応じてそれぞれ1級~3級、3級~8級、9級~11級が決定します。「初中等」の場合なら3級以上を獲得できれば「漢語水平証書」がもらえます。これは中国における公的資格です。従って、規定の成績に達すると中国の大学へ正規留学もできる制度になっています(留学するためには学部・学科により3級~6級以上に合格する必要があります)

HSKの試験内容は、ヒアリング力と読解力を重視しているので、文法は100種類程度覚えれば問題ないようですが、単語は約8000語、出来れば約1万語の習得が必要でしょう。日本人の場合はヒアリングが苦手というケースが多いので、ヒアリングの勉強は、できれば現地からCD付きテキスト又は、カセットを取り寄せるのが一番です。それが無理な人は、常用表現を多く扱った教材を選び、 ネイティブスピーカーの発音を繰り返し聞く音声学習が必要です。
試験方式ではHSK初中等試験は、英語のTOEFLに酷似しており、問題文や解説が全て中国語、 全問マークシートが特徴になっています。

試験対策は、ハイレベルな級の取得をねらうなら、スクールや通信講座を利用してじっくり学ぶのがベスト。ちなみに、初中等3級以上を取得し漢語水平証書を獲得するには、800時間の学習が目安とされています。 また、日本での試験の受験者の構成は、大学生がおおよそ3割、高校生が1割程度、主婦が1割弱、その他が社会人という状況です。また、合格証の有効期間はありませんが、中国の大学に入学するための証明書としての有効期限は2年間になっています。
日常会話や限定された範囲内でのビジネス上のコミュニケーションができるレベルはHSK初等C級(3級)以上のレベルが必要でしょう。また、中国で就職したり、海外赴任してビジネスに活用するという場合には、最低必要とされる語学力は中級B(7級)以上のレベルと考えてよいでしょう。
いづれにしても、HSKは中国への留学や就職・転職、ビジネスなどには一番有効な資格と言えます。中国国家の市場経済提唱以来、広大なマーケットでの経済成長は今後も期待でき、日本企業の中国進出は活性化している現在、中国語をを身につけている人の需要は多く、これからも期待できると思います。活躍分野としては、中国語通訳者・翻訳者、中国と取引がある商社、メーカーへの就職などが主になるでしょう。

受験資格

誰でも受験可能(中国語が母語ではない方)

試験方式

●基本方式はマークシートによる解答方式。但し、総合穴埋めの問題などは筆記になります。
●口述試験は録音形式です。

筆記1級:聴力(聞き取り)・読解 40問/40分
筆記2級:聴力(聞き取り)・読解 60問/55分
筆記3級:聴力(聞き取り)・読解・書写(記述)80問/90分 
筆記4級:聴力(聞き取り)・読解・書写(記述)100問/105分 
筆記5級:聴力(聞き取り)・読解・書写(記述)100問/125分 
筆記6級:聴力(聞き取り)・読解・書写(記述)101問/140分 
口試初級:会話試験 3分野 合計27問/17分
口試中級:会話試験 3分野 合計14問/21分
口試高級:会話試験 3分野 合計6問/24分
※級別の詳しい試験内容はこちらで確認出来ます。
※HSKのスコアは、外国人留学生が中国の大学に入学するための証明としては、 その有効期間は受験日から起算して2年となります。

試験科目

●等級基準と各級のレベル(程度)と語彙量の目安
 【筆記試験】
・6級
(5000語以上の常用中国語単語)
中国語の情報をスムーズに読んだり聞いたりすることができ、会話や文章により、自分の見解を流暢に表現することができる。
・5級
(2500語程度の常用中国語単語)
中国語の新聞・雑誌を読んだり、中国語のテレビや映画を鑑賞することができ、中国語を用いて比較的整ったスピーチを行うことができる。
・4級
(1200語程度の常用中国語単語)
中国語を用いて広範囲の話題について会話ができ、中国語を母国語とする相手と比較的流暢にコミュニケーションをとることができる。
・3級
(600語程度の基礎常用中国語及びそれに相応する文法知識)
生活・学習・仕事などの場面で基本的なコミュニケーションをとることができ、中国旅行の際にも大部分のことに対応できる。
・2級
(300語程度の基礎常用中国語及びそれに相応する文法知識)
中国語を用いた簡単な日常会話を行うことができ、初級中国語優秀レベルに到達している。大学の第二外国語における第一年度履修程度。
・1級
(150語程度の基礎常用中国語及びそれに相応する文法知識)
中国語の非常に簡単な単語とフレーズを理解、使用することができる。大学の第二外国語における第一年度前期履修程度。

【口頭試験】
・高級(6級・5級):3000語前後の一般常用語彙及びそれに相応する文法知識
中国語全般にわたる高度な運用能力を有し、流暢に自分の意見を表現することができる。週に2~3時間の中国語学習を2年以上行った学習者に適している。
・中級(4級・3級):900語前後の一般常用語彙及びそれに相応する文法知識
中国語を母国語とする人たちと流暢に会話をすることができる。週に2~3時間の中国語学習を2年程度行った学習者に適している。
・初級(2級・1級):200語前後の日常生活語彙及びそれに相当する文法的知識
中国語の基本的な日常会話を行うことができる。週に2~3時間の中国語学習を半年から1年程度行った学習者に適している。

スケジュール

・試験実施:毎月中旬~下旬 (年12回)
・受付期間:試験月の前々月中旬~前月下旬頃
 ※1月試験(実施日1月中旬)の場合:11月中旬~12月下旬頃まで 
・合格発表:試験日から3週間後

   2023年度HSK中国漢語水平考試試験日程

試験会場

●筆記試験/口頭試験 東京・名古屋・大阪ほか、全国主要都市30都市
※受験日により受験地が異なります。詳しくは実施団体まで問い合わせください。

受験料

※費用はいづれも税込みです。
・6級:17,600円(筆記試験:9,790円・口頭試験:7,810円)
・5級:15,290円(筆記試験:8,580円・口頭試験:6,710円)
・4級:12,980円(筆記試験:7,370円・口頭試験:5,610円)
・3級:6,160円
・2級:4,950円 
・1級:3,740円
※試験時間が重複しない級の場合は併願可能です。

問い合わせ先

日本HSK実施委員会 HSK西日本事務局    http://www.hskj.jp/
電話(大阪)06-6885-6068 FAX(東京)03-5307-1205 
〒166-8532 東京都杉並区和田3-30-22 大学生協会館内

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