資格名

品質管理検定 
 ※別名「QC検定」

資格の種類

公的資格

主催者

日本規格協会、一般財団法人日本科学技術連盟

資格試験の概要

品質管理検定は、一般財団法人日本規格協会と一般財団法人日本科学技術連盟が主催し、一般社団法人日本品質管理学会(JSQC)が認定する品質管理に関する検定である。 QC検定とも呼ばれている公的資格です。この検定では、品質管理の重要性や職場生活の基本や、品質管理の専門知識まで幅広い知識が習得でき、品質管理に関する知識がどの程度あるかを筆記試験の結果によって評価を行います。2005年に第1回の試験が行われました。

試験の級は、1級から4級までレベルがあります。3級は工場などの現場で働くために必要な知識が主になった試験で、現場作業者や監督者のほか、就職対策で受験する人もたくさんいます。
3級の受験対策の勉強で得られることは、主に品質管理の重要性や品質管理の専門知識に関する幅広い知識です。また、4級では品質管理の考え方などの基礎的知識です。最高位の1級取得には高度なデータ処理や、統計学の知識が求めらます。このように、 QC検定では自分の知識レベルに合わせて受験できるように構成されています。多くの企業では、ますます品質向上への取り組みが重要視されている現在、品質検定で得られる知識は、あらゆる業種・職種で役に立つでしょう。

※級別の試験の対象者
1級
部門横断の品質問題解決をリードできるスタッフ、品質問題解決の指導的立場の品質技術者
2級
自部門の品質問題解決をリードできるスタッフ、品質にかかわる部署の管理職・スタッフ
3級
自分たちの職場の問題解決を行う社員、品質管理を学ぶ大学生・高専生・高校生
4級
初めて品質管理を学ぶ人や新入社員、社員外従業員や大学生・高専生・高校生




合格率・資格難易度

難易度 
  ・3級・4級   「D」 易しい
  ・2級       「C」 やや易 
  ・1級      「B」 普通 

【資格の難易度レベル】
QC検定の2級から4級の試験では、全ての問題の解答が○×式や語句の選択式になっていることもあって難解なレベルの試験ではありません。特に4級は一般社会人なら常識程度の問題です。
また、3級は仕事で品質管理やQCサークルのような経験がある人なら決して難しくないはずです。3級の場合は、ヒストグラム、グラフ、散布図、特性要因図、パレート図などをしっかり理解していれば簡単に解ける問題ばかりです。
2級では、少し複雑な統計的手法が出てきますので、数字や統計に苦手意識がある人は苦戦することがあるかもしれませんが、必要な知識レベルは統計や高校の数学知識が求められます。
また、1級試験の難易度は2級よりもかなり高くなります。1級試験では十分な知識があっても、それを論理的に説明できる力がないと2次試験の論述問題では合格するのが難しくなります。
出題内容は品質管理のリーダーとして求められる手法や、実践全般、品質管理の手法や基礎知識です。論述試験もあるのでかなりレベルが高くなります。
3級以下なら誰でも1ヶ月もあれば独学で突破は十分可能です。2級でも市販のテキストや問題集、過去問などを活用して独学でチャレンジし合格している方も多く、少し基礎知識があれば勉強時間は2ヶ月ほどあれば問題なさそうです。ただ、1級はかなりレベルが高く、ちょっと独学で勉強したくらいでは合格はむずかしいと思います。難解な計算問題なども出題され、解答にも時間がかかる問題が多く、仕事などで品質管理を日々実践している人でも、結構勉強をしなければ合格できないレベルであることを認識しておいた方がいいでしょう。

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●合格率
  2022年度9月第34回QC検定(品質管理検定)試験結果
  合格率 1級10.4%(73/705) 2級25.2%(2,231/8,843) 
      3級54.4%(14,486/26,633) 4級85.9%(6,808/7,926) 

※参考データ
2021年度9月第32回QC検定(品質管理検定)試験結果
  合格率 1級12.7%(59/465) 2級44.3%(2,480/5,594) 
      3級54.4%(9,053/16,644) 4級85.2%(4,202/4,935) 
2020年度9月第30回QC検定(品質管理検定)試験結果
  合格率 1級8.1%(63/778) 2級27.6%(2,657/9,617) 
      3級53.7%(13,120/24,435) 4級85.1%(6,840/8,039) 
2019年度9月第28回QC検定(品質管理検定)試験結果
  合格率 1級2.6%(27/1,045) 2級23.0%(2,883/12,557) 
      3級49.7%(18,530/37,276) 4級84.0%(9,565/11,384) 
 ・2019年度3月第27回QC検定(品質管理検定)試験結果
  合格率 1級7.2%(81/1,125) 2級26.6%(3,343/12,574) 
      3級51.2%(17,598/34,392) 4級85.2%(9,679/11,367)  
  ・2018年度9月第26回QC検定(品質管理検定)試験結果
  合格率 1級4.6%(50/1,095) 2級24.9%(2,917/11,720) 
      3級50.3%(16,541/32,857) 4級84.2%(8,605/10,218)  

受験対策・学習法ほか

QC検定の過去の試験実績を見ると、3級の受験者数は全体の約50%、2級は20~30%、1級は10%以下の割合になっています。1級合格は狭き門で、合格者数累計が約3,000人となっています。受験者数、合格者が一番多いのが3級です。累計で50万人以上が受験し約30万人が合格している結果が出ています。まとめると、QC検定は2005年の検定開始以来14年(27回)で累計約100万人が受験し、50万人を超える合格者を誇り、申し込みした企業や団体は大企業を中心に、全国で2,000以上にもなる人気のある検定試験ということになります。

QC検定合格のための勉強方法は、独学ならテキストと過去問を中心に問題を繰り返し解くという方法で対応できます。QC検定の場合、普通は3級からチャレンジし、上位を段階的に狙って勉強するのがいいと思います。試験科目には実践(計算)と手法(文章)の2科目がありますが、統計や数字に苦手意識のある人は、実践の勉強に時間がかかるので、それを十分考慮した学習計画にしなければなりません。勉強の進め方は資格試験では王道とされる方法ですが、「テキストを読み」、基礎知識の内容を理解しながら「過去問集や問題集で繰り返し演習をする」という勉強法です。ただ、QC検定では数学の公式がよく出てきますので、公式はまとめて後から勉強できるように別に表にしておくことをお勧めします。さらに、過去問や問題集で分からなかったり、間違ったところは必ずテキストに戻って、再度復習しなければなりません。

QC検定の特徴は、キャリアアップができる資格だというところです。一般に工場や製造業では、管理職への昇進にQC検定の取得が条件となっているところもあります。また大手企業の工場などでは品質管理部門が設けられているので、QC検定取得者は品質管理部門への移動、転職も可能になります。そこで専門の知識や経験が活かすことができます。さらに、資格を取得することで個人の問題解決能力や品質管理レベルの向上を図ることができ、それが組織のために役立つ結果につながります。「QC検定合格は全社員必須」の目標を掲げて「QC活動」に取り込むことで、ものづくりに対する知識、意識を高め、活性化を図っている工場や企業が全国にあります。

一方、工場の品質管理で実務で活かせる資格レベルはQC検定2級以上です。2級で求められるのは、職場で発生する品質に関係した問題の解決や改善ができることです。QC検定2級取得を目標に、3級からチャレンジして2級を取得できれば、企業で評価が高まっている「QC検定2級取得」は、就職・転職時にも大きなアピールポイントになることは間違いないと思います。品質管理への取り組みが重要視されている昨今、この資格の勉強を通じて得た知識は、あらゆる業種・職種で役に立つはずです。中でも工場などの製造部門で働いている人や、営業職に就いている人の場合はこの資格の取得により高い評価を受けられ、業務にもプラスになります。

受験資格

・各級とも年齢、性別、職種、実務経験に関係なく誰でも受験できます。
※品質管理検定には1級から4級までありますが、どの級から受験してもかまいません。そのため、自分の知識に自信がある人は、最初から高い階級を目指すことも可能です。

試験方式

●試験の形式
 【4級,3級,2級】マークシート方式
 【1級】マークシート方式と記述式(論述試験) 
●試験時間
 【4級,3級,2級】90分
 【1級】120分

・合格基準
 【4級】総合得点概ね70%以上
 【2級 ・ 3級】
  総合得点概ね70%以上、手法分野・実践分野に分類し、各分野概ね50%以上得点すること
 【1級】下記条件を全て満たすことで合格となります。
  ①一次試験(手法分野、実践分野):各分野の得点が概ね50%以上であること。
   及び、総合得点(手法分野+実践分野)が概ね70%以上であること。
  ②二次試験(論述):得点が概ね50%以上。
  ③総合得点(一次・二次試験の合計点)が概ね70%以上
※1級試験の受検者の中で、一次試験のみ合格された方は、「準1級」の認定となります。

試験科目

【出題範囲】
【4級】
 ・品質管理の実践:品質管理、改善、工程(プロセス)、検査、標準標準化、
 ・品質管理の手法:事実に基づく判断、データの活用と見方
 ・企業活動の基本:常識に関する理解度の確認
【3級】
 ・品質管理の実践:QC的ものの見方・考え方、品質の概念、管理の方法、品質保証 ほか
 ・品質管理の手法:データの取り方・まとめ方、QC七つ道具、新QC七つ道具 ほか
【2級】
 ・品質管理の実践:QC的ものの見方・考え方、品質の概念、管理の方法、品質保証 ほか
 ・品質管理の手法:QC的ものの見方・考え方、新QC七つ道具、統計的方法の基礎 ほか
【1級】
 ・品質管理の実践:品質の概念、品質保証(新製品開発)、品質保証(プロセス保証) ほか
 ・品質管理の手法:データの取り方とまとめ方、新QC七つ道具、統計的手法の基礎 ほか

(出題)
 ・1級 企業内の品質管理に関する業務全般の知識を持っているかどうかが試される問題
 ・2級 主に、QC7つ道具を使って品質に関わる問題を解決できるかどうかを試す問題
 ・3級 QCの7つ道具の個別手法を理解しているかを問う問題
 ・4級 これから品質管理に携わる方や初心者向けの基礎知識を問う問題

スケジュール

・試験日:年2回
  ①9月上旬 ②3月中旬)
・申込受付期間
  ①6月上旬~下旬まで
  ②12月上旬~翌年1月上旬まで
※申込みはインターネット申込み(クレジットカード決済限定)
・合格発表
  ①10月上旬
  ②4月下旬

 2023年度第35・36・37回品質管理検定(QC検定)試験日程

試験会場

・1級 
宮城県、埼玉県、東京都、神奈川県、富山県、長野県、静岡市、名古屋市、大阪府、広島県、
香川県、福岡県

・2,3,4級 
札幌市、苫小牧市、青森県、宮城県、秋田県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県千葉県、東京23区、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県静岡市、浜松市、豊橋市、西三河、名古屋市、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県奈良県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、福岡県佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、鹿児島県、沖縄県

受験料

【個人受験】(税込み)
・1級  11,000円
・1級(一次試験免除) 8,800円
・2級  6,380円
・3級  5,170円
・4級  3,960円
1・2級併願 15,730円
2・3級併願 10,450円
3・4級併願 8,250円
準1級と認められた方の1級受検  10,450円

問い合わせ先

日本規格協会
https://www.jsa.or.jp/
〒108-0073 東京都港区三田3-13-12三田MTビル
TEL:03-4231-8595
電話受付時間:9:00~17:00
(土・日曜、祝日、年末年始は除く)

【以下の各項には一部広告が含まれています。】

通信講座・eラーニング

協会主催の各種品質管理通信講座
協会主催のeラーニング

通学スクール・講座

協会主催の各種品質管理セミナー

教材(過去問集)

過去問題で学ぶQC検定2級 2021年版
過去問題で学ぶQC検定1級 2019・2020年版
過去問題で学ぶQC検定3級 2021年版
QC検定3級、4級過去問のアプリ

教材(テキスト・参考書)

品質管理検定試験対策教材一覧

【品質管理検定 おすすめ教材】
【新レベル表対応版】QC検定受検テキスト1級 (品質管理検定集中講座[1])
【新レベル表対応版】QC検定受検テキスト2級 (品質管理検定集中講座[2])
【新レベル表対応版】QC検定受検テキスト3級 (品質管理検定集中講座[3])
【新レベル表対応版】QC検定受検テキスト4級 (品質管理検定集中講座[4])
過去問題で学ぶQC検定1級 2018・2019年版
過去問題で学ぶQC検定2級 2018・2019年版
過去問題で学ぶQC検定3級 2018・2019年版
【新レベル表対応版】QC検定4級模擬問題集 (品質管理検定講座)

関連情報

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