資格名

ガンマ線透過写真撮影作業主任者

資格の種類

国家資格

主催者

公益財団法人 安全衛生技術試験協会  厚生労働省認定

資格試験の概要

ガンマ線はエックス線と同様に放射線の一種で、ガンマ線を取り扱う「ガンマ線透過写真撮影作業主任者」は、日本の労働安全衛生法に基づく作業主任者の一つで、都道府県労働局長からガンマ線透過写真撮影作業主任者免許の交付を受けた者の中から、管理区域ごとに作業主任者を事業者が選任して監視させなければならないことが義務付けられています。選任された作業主任者は、ガンマ線による障害防止の措置の職務に携わります。
主に鋳物や溶接部分の内部欠陥の検査では、ガンマ線装置が使われますが、ガンマ線透過写真撮影作業主任者は、それら検査業務をおこなう際、管理区域ごとに選任された主任者が担当します。

従って、ガンマ線透過写真撮影作業主任者の試験では、ガンマ線による透過写真の撮影の作業に関する知識や関係法令、ガンマ線照射装置に関する知識、ガンマ線の生体に与える影響に関する知識などが問われます。

次の要件のいずれかに該当する者(18歳未満の者を除く。)は、都道府県労働局長に対し免許交付申請をすることで、この免許の交付を受けることができます。

  • 次節の免許試験に合格した者
  • 診療放射線技師免許を受けた者
  • 原子炉主任技術者免状の交付を受けた者
  • 第一種放射線取扱主任者免状又は第二種放射線取扱主任者免状の交付を受けた者

次節の免許試験合格者は東京労働局長へ、その他の該当者は住所もしくは勤務地を管轄する都道府県労働局長へ交付申請することになります。




合格率・資格難易度

●難易度 
  「C」  やや易しい

【資格の難易度レベル】
無試験で資格を得ようとする場合、放射線関連の類似資格のエックス線作業主任者の場合は放射線取扱主任者第1種の合格証が必要ですが、ガンマ線透過写真撮影作業主任者の方は放射線取扱主任者第2種の合格証があれば取得できます。その点から見てもガンマ線透過写真撮影作業主任者の方が難易度レベルは下の位置付けであることが判断できます。
試験問題をみても、ガンマ線透過写真撮影作業主任者の問題は、パターンが決まってるような感じがあり、毎回よく似た過去問題が繰り返し出題されているので、合格率も70%前後とかなり高めになっています。試験の対策も立てやすく、過去問を数回分繰り返しやってみて、ほとんどが解けるようになるまで勉強して慣れれば、合格点はとれます。
類似の資格にエックス線作業主任者や放射線取扱主任者がありますが、複数の資格を取得しようとする場合は、放射線取扱主任者→エックス線作業主任者→ガンマ線透過撮影写真作業主任者の順に取得する人が多いようです。理由は、難易度の差や内容が被る部分などを考えると、この順序の方が勉強がスムーズに進められるからだと思われます。いづれにしても、ガンマ線透過撮影写真作業主任者資格は、受験者数が毎年400名程度の超マイナーな国家資格で、放射線関連では一番取得が簡単な資格と言えそうです。

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・合格率
  2020年度ガンマ線透過写真撮影作業主任者試験結果 
  受験者数 283名 合格者数 202名 合格率71.4%

※参考データ
・2019年度ガンマ線透過写真撮影作業主任者試験結果 
  受験者数 424名 合格者数 299名 合格率70.5%
・平成30年度ガンマ線透過写真撮影作業主任者試験結果 
  受験者数 351名 合格者数 235名 合格率67.0%
・平成29年度ガンマ線透過写真撮影作業主任者試験結果 
  受験者数 418名 合格者数 321名 合格率76.8%
・平成28年度ガンマ線透過写真撮影作業主任者試験結果 
  受験者数 360名 合格者数 216名 合格率60.0%

受験対策・学習法ほか

試験では計算問題も、透過写真の撮影の作業に関する知識とガンマ線照射装置に関する知識で各2問と関係法令で1問程度の出題がありますが、過去問で何度も繰り返し勉強し、計算を解く練習をして慣れておけば、問題は毎回類似の問題が出ますので問題ありません。
「ガンマ線透過写真作業主任者試験」はエックス線作業主任者試験の知識で解ける問題が多いため、先に受験機会の多いエックス線作業主任者試験を受験しておくと有利にガンマ線透過写真作業主任者試験の受験勉強を進めることができ、1~2か月も学習期間があれば十分合格は可能です。

ガンマ線透過写真撮影作業主任者資格は、特に非破壊検査を行っている事業場などでは評価されます。ただ、この資格を活かして転職しようとするのであれば、エックス線作業主任者や放射線取扱主任者第2種以上などを合わせて取得し、さらに現場での実務経験があれば就職先の選択肢も広がり、非常に有利になります。理由は非破壊検査を行う会社では経験者が優遇されるからです。
実際の転職の例を見ても、ガンマ線透過写真撮影作業主任者試験よりも先にエックス線作業主任者試験などに合格して、科目の免除を利用してガンマ線透過写真撮影作業主任者資格を取得した人などが多く、何らかの現場経験を持っている人が必要に応じて受験するというスタイルが多いようです。

受験資格

●受験資格の制限は一切なく、誰でも受験できます。
(注1)
学歴・実務経験等による受験制限はありませんが、本人確認書類(運転免許証の写し等)の添付が必要です。また、受験時の年齢制限はありませんが、合格後の免許交付対象は満18歳以上の者に限られます。
(注2)
合格後の免許申請は、受験地を管轄する都道府県労働局に対して行います。

試験方式

●試験方式
 ・学科試験(全問マークシート方式)のみで実技はありません。
 ・出題数は、1科目10問。

●試験の順序
 ・午前(2時間)
  1.ガンマ線による透過写真の撮影の作業に関する知識:10問(30点)
  2.関係法令:10問(20点)
 ・午後 (2時間)
  1.ガンマ線照射装置に関する知識:10問(25点)
  2.ガンマ線の生体に与える影響に関する知識:10問(25点)
 ・合格基準
  受験科目全体で6割以上かつ各科目4割以上を正解すること。
 ※科目免除者は試験時間が午前、午後合計3時間

試験科目

●科目
 1.ガンマ線による透過写真の撮影の作業に関する知識
 2.ガンマ線照射装置に関する知識
 3.ガンマ線の生体に与える影響に関する知識
 4.関係法令

実際の試験は午前の2時間と午後の2時間で、それぞれ2科目ずつまとめて(1科目ごとの時間区分なしに)実施されます。全て5択のマークシート式です。
  ・午前:10:00~12:00
    1.ガンマ線による透過写真の撮影の作業に関する知識
    2.関係法令
  ・午後:13:30~15:30
    4.ガンマ線照射装置に関する知識
    5.ガンマ線の生体に与える影響に関する知識

●科目免除
・診療エックス線技師免許を受けた者、又はエックス線作業主任者免許試験に合格した者は、3.の(ガンマ線の生体に与える影響に関する知識)が免除されます。この場合、その者についての午後の試験時間は1時間となる。生体免除を申請した場合は、受験時に免状の原本証明が必要になります。

(注)
生体の免除を利用して受験すると、本来、計40問100点満点のところを、生体の問題がなくなって計30問75点満点になります。合格するためには、その中で、科目それぞれ40%以上、かつ75点の60%以上を得点しなければなりませんので、生体が苦手でなく、得点源になるような人であれば、逆に免除せずに受験したほうが総得点は高くなる場合もあることを理解して決めるとよいでしょう。

スケジュール

・試験実施:年1回(5月または11月)
・申し込み期限:試験日の2ヵ月~14日前まで

※年間の試験回数は、都道府県によってかわりますが、北海道・関東・近畿・九州は5月下旬頃、東北・中部・中国・四国は11月中旬頃とされています。

令和5年度ガンマ線透過写真撮影作業主任者免許試験日

試験会場

全国7か所の安全衛生技術センターにおいて定期的に実施されます。
※通常は各センターで年1回。5月又は11月のいずれかに実施されます。

受験料

6,800円(非課税)

問い合わせ先

公益財団法人 安全衛生技術試験協会
〒101-0065 東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル東館9階
  TEL 03-5275-1088
https://www.exam.or.jp/exmn/H_shikaku710.htm

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通信講座・eラーニング

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通学スクール・講座

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教材(過去問集)

ガンマ線透過写真撮影作業主任者 過去問題・解答解説集 2020年4月版
ガンマ線透過写真撮影作業主任者 過去問題・解答解説集 2019年4月版
ガンマ線透過写真撮影作業主任者 過去問題・解答解説集 2018年4月版

教材(テキスト・参考書)

【ガンマ線透過写真撮影作業主任者試験 おすすめ教材】
ガンマ線透過写真撮影作業主任者テキスト(透過写真撮影業務特別教育用テキスト)
エックス線作業主任者試験 徹底研究(改訂2版)

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