資格名 | IoTシステム技術検定試験(Internet of Things Exam) |
資格の種類 | 民間検定試験 |
主催者 | MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)/IoT検定準備委員会 |
資格の概要 | IoTとは、「Internet of Things」の略で、「モノのインターネット」と解説されます。パソコンやスマホなどの情報通信機器に限らず、すべての「モノ」がインターネットにつながることで、私たちの生活やビジネスが根底から変わると言われています。IoTは、様々な産業や公共分野において、大量のデータを収集し分析して機械を制御したり、AI(人工知能)により有益な情報を生み出しますが、IoTは多方面の技術の組み合わせによって実現されるため、それを推進するための人材は圧倒的に不足しています。従って、IoT分野の新たな人材育成は、企業や政府・自治体の大きな課題となっています。MCPCでは、2005年から実施してきたモバイルシステム技術検定を基礎に、新たにIoT技術者を5年間で10万人以上創出することを目指し「IoTシステム技術検定」を2016年12月から開始しました。
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IoTシステム技術検定は、IoTシステムを構築・活用するため基本的かつ実践的な技術知識の習得を目指す方を対象とし、基礎、中級、上級の3段階でIoTシステムの企画・構築・活用・保守・運用に関する技術知識を認定します。
級別の知識内容には、以下の基準が決められています。
・基礎:IoTに関する基礎知識
(認定)IoTに関する基礎知識を保持していることを認定:資格名 IoTアドバイザ
・中級:IoTシステム構築・活用に関する基本的な技術知識
(認定)IoTシステム構築に取り組むための基本技術を認定します:資格名 IoTエキスパート
・上級:IoTシステム構築・活用に関するより実践的な専門技術
(認定)高度なIoTシステム、業界固有または業界をまたがるサービスを構築する実践的な専門技術を認定:資格名 IoTプロフェッショナル
※試験の実施は、2016年度は「中級」の第1回検定が12月に、また2017年12月には「基礎」が初回試験として開始されました。また「上級」は2019年7月からスタートしました。
※IoTシステム技術検定試験の有効期限は、今のところ設定されていないようです。 |
試験の合格率・難易度 | ●難易度
基礎 「C」 やや易しい
中級 「B」 普通
【資格の難易度レベル】
IoTシステム技術検定中級試験は、IoTに関する広範囲な技術分野を勉強するにはベストな試験に思います。IoTやモバイルなどを知らない方にとっては、IoTの勉強に手頃な試験と言えますが、IoTを本業でされている方などにとっては、おそらく簡単すぎる試験レベルだと思います。テキストを何回か読めば取得できるレベルです。特に組み込み系ソフトウェア開発の知識があれば問題ありません。基礎・中級試験内容に関しては、公式テキストが出版されているので、テキストを何回か読んで十分内容を理解する勉強をすれば、合格は十分可能です。合格点や合格率が非公開なので、試験の難易度がわかりにくいですが、基礎検定と中級検定の難易度の差はそれほどないので、IoTの知識や経験のある方は、直接中級検定を受けても問題ないと思います。
上級は試験回数がまだ少ないですが、現状の出題を見る限りでは、まず実務経験がないと難しい試験です。問題に解答するためには実務経験と想像力が必要で、それがないと論文を書けません。
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・合格率
非公開 (予想:合格基準は65~70%以上の正答率)
※参考データ
試験結果(受験者数、合格者数、合格率、合格点ほか)が全て非公開なので、難易度の評価が難しい試験ですが、同じIoT関連資格の「IoT検定」との試験の難易度の比較や、試験形式、出題内容などの評価項目を数値化したデータにより、基礎は「C」、中級は資格の難易度「B」と判定しました。
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試験の内容・勉強法 | 中級試験では、無線ネットワーク、センサなどのIoTの基本構成以外に、データ活用技術(ビッグデータ、データ分析手法、人工知能など)や、セキュリティ、関連法令などから幅広く、専門的な知識が問われる問題が出題されています。中でも、人工頭脳やDeep Learningなどの分野は新しい分野で、かなり難度の高い問題も出題されています。専門的な知識分野には十分な受験対策が必要になりそうです。特にIoTはセンシングで得た情報を、サーバに送ってから処理することなので、試験対策では、これに関連する技術であるセンサーや、ネットワーク、クラウド、データ活用などを体系的に学習しておかなければなりません。また、テキストを読んで、専門的な語句の意味を正しく理解しておくことも大切です。
受験対策はテキストや参考書での勉強以外に、MCPC認定校において受験対策講座が開講されています。サンプル問題が公式サイトでは各級別に掲載されているので確認できます。
IT/ICT業界はもとより、環境エネルギー、運輸交通、製造業、農業、医療ヘルスケアなどIoTシステムに関連するあらゆる分野の技術者にお勧めの検定試験です。IoTを推進する人にとっては技術・ビジネス両方で有用な資格となると思われます。
資格取得者のメリットとして、合格者はITコーディネータ(ITC)専門スキル特別認定制度を利用できます。IoTシステム技術検定 上級資格に合格した人は、ITコーディネータ専門スキル特別認定試験(ITコーディネータ試験の一部を免除した当該制度用の試験)を受検することができます。
IoT関連の資格と言えば、主に「IoTシステム技術検定」と「IoT検定」の二つなので、よくその違いが比較されます。一番の違いは「受験対象者」だと言われます。
「IoTシステム技術検定」はどちらかと言うと技術系で、実際に導入する際のシステム構築に必要な知識が必要になります。また、大企業が会員として賛同しており、資格を取得した際に技術者として就転職に有利なところがあるようです。 |
試験日程 | ●試験実施:年2回
●申込受付:試験日のおよそ2か月前から
●合格発表:試験日の約1か月後、マイページにて合否発表。
●申込方法:申込みサイトで確認できます。
2023年 IoTシステム技術検定試験日程
(基礎:アドバイザ)(中級:エキスパート)(上級:プロフェッショナル) |
受験資格 | 【中級・基礎】
特になし。誰でも受験できます。
【上級】
下記いずれか一つを満たしているもの
・MCPC IoTシステム技術検定(中級)合格された方
・情報処理学会CITP有資格者
・早稲田大学スマートエスイー修了者
※CITFとは、高度の専門知識と豊富な業務実績を有する情報技術者に「認定情報技術者」(CITP:Certified IT Professional)という資格を付与する制度
※早稲田大学スマートエスイー(Smart SE : Smart Systems and Services innovative professional Education program)とは、文部科学省平成29年度「成長分野を支える情報技術人材の育成拠点の形成」enPiT-Proに早稲田大学が代表校として申請し採択されたものです。 |
試験会場 | 【中級・基礎】
東京、横浜、名古屋、大阪、札幌、仙台、さいたま、広島、福岡(変動あり)
【上級】
東京 |
受験費用 | 基礎:10,800円(税込)
中級:15,100円(税込)
上級
・IoTシステム技術検定中級合格者:55,000円(税込)
・CITP有資格者、スマートエスイー修了者:33,000円(税込)
・情報処理学会のCITP有資格者:33,000円(税込) |
試験方式 | 【基礎試験】
●出題形式:マークシート方式 4択問題
●出題数/試験時間:60問/60分
【中級試験】
●出題形式:マークシート方式 4択問題
●出題数/試験時間:80問/90分
【上級】
●出題形式:専門技術講座の受講+論文
●試験時間:講習+120分 |
試験科目 | 【基礎試験】
・IoTに関する基礎知識を保持していることを認定します。
(認定される技術知識)
1.IoTシステム構成と構築技術
IoTシステムアーキテクチャ、IoTサービスプラットフォーム
2.センサ/アクチュエータ技術と通信方式
IoTデバイス、ネットワーク、LPWA、プロトコル
3.IoTデータ活用技術(AI)
ビックデータ分析技術、活用事例
4.IoT情報セキュリティ対策技術
脅威と脆弱性、セキュリティ対策技術、情報セキュリティの標準と法制度
5.IoTシステムのプロトタイピング技術
プロトタイピング活用
【中級試験】
・中級試験ではIoTシステム構築に取り組むための基本技術を認定します。
(認定される技術知識)
1.IoTシステム構成と構築技術(出題比率5~15%)
IoTシステムアーキテクチャ、IoTサービスプラットフォーム
2.センサ/アクチュエータ技術と通信方式(出題比率30~35%)
IoTデバイス、ネットワーク、LPWA、プロトコル
3.IoTデータ活用技術(AI)(出題比率25~30%)
ビックデータ分析技術、活用事例
4.IoT情報セキュリティ対策技術(出題比率20~25%)
脅威と脆弱性、セキュリティ対策技術、情報セキュリティの標準と法制度
5.IoTシステムのプロトタイピング技術(出題比率5~15%)
プロトタイピング活用
【上級試験】
1.専門技術講習の受講 (1.5日)
・IoTビジネスモデル設計 3時間
・IoTセキュリティ 1.5時間
・AI活用によるIoTアプリケーション 1.5時間
・最新技術動向 1.5時間
2.論述試験 (2時間)
・文字数 1,500~1,800文字程度
・試験問(例)
「IoTをベースにしたシステム例」(下図)の10業種から3つ出題。
そのうち1つ選んで、論文構成項目の具体的内容と留意点を記述する。
(業種)
環境、エネルギー
運輸(交通・自動車)
社会インフラ、公共設備
製造業
農業
流通業(小売り)
医療ヘルスケア
建設・保全(家屋・ビル)
自然環境(天気・防災)
サービス業(メディア)
・論文構成
本当の顧客は誰か(仮名にて具体的な業種と業務内容等)
顧客が抱えている課題
技術的な訴求点(技術活用は課題解決にどのように貢献するのか)
ビジネス上の創出価値は何か |
試験関連情報 | |
問い合わせ先 | モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)検定事務局
http://www.mcpc-jp.org
〒105-0011東京都港区芝公園3-5-12 長谷川グリーンビル2F
TEL 03-5401-1935 |
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教材(テキスト・参考書) | IoTシステム技術検定試験対策教材一覧
【IoTシステム技術検定 おすすめ教材】
・IoT技術テキスト 第2版 ― MCPC「IoTシステム技術検定 中級」対応
・IoT技術テキスト 基礎編改訂2版 [MCPC IoTシステム技術検定基礎対応]公式ガイド |
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