資格名

労働基準監督官 

資格の種類

国家公務員 専門職試験(大卒程度)

主催者

厚生労働省 

資格試験の概要

全国では、約410万の事業場で約5,000万人もの労働者が働いています。労働者が安心して働ける職場環境を実現するためには、労働基準法などで定められた労働条件が確保され、その向上が図られることが重要です。
労働基準監督官は労働基準関係法令に基づいてあらゆる職種の事業場に立ち入り、事業主に法に定める基準を遵守させることにより、労働条件の確保・向上、労働者の安全や健康の確保を図り、また、不幸にして労働災害にあわれた方に対する労災補償の業務を行うことを任務とする国家公務員です。特に最近は、労働条件の確保・改善、労働災害の防止、職業性疾病の予防を推進する面でも労働基準監督官の活躍が期待されています。
毎年、厚生労働省が実施する労働基準監督官採用試験「労働基準監督A(法文系)」、「労働基準監督B(理工系)」の合格者から採用されます。労働基準監督官に任官された者は、ILO条約などの労働監督制度の趣旨に従い、労働基準法により労働基準監督官分限審議会の同意がない限り罷免されることはありせん。
採用後は埼玉県朝霞市にある労働大学校で約3ヶ月の中央研修と、配属された労働基準監督署での実地研修、合計1年半の研修受講後、全国に配置されます。初赴任地は原則的に出身都道府県での採用はなく、3年間は他の地方の労働基準監督所で働くことになります。




合格率・資格難易度

難易度
  「A」  難関  

【資格の難易度レベル】
労働基準監督官は大学卒業レベルの難関資格です。競争倍率は例年、労働基準監督官Aは倍率20倍程度、労働基準監督官Bは倍率10倍程度で、かなり難易度は高いです。幅広い教養試験と専門性の高い会計学と法律、経済には集中して勉強が必要です。試験では最低でも専門の択一で75%、教養の択一を合わせて70%以上、論文を最低65%~70%程度を取れると申し分ありません。難易度レベルは東京都庁上級職程度と考えて良いでしょう。専門性も高く高度な内容なので、簡単に合格できる試験でないことは事実です。

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合格率  
令和4年度 労働基準監督官採用試験結果  
【監督官A】最終結果  申込者数2,254名 合格者数319名
【監督官B】最終結果  申込者数668名 合格者数144名 
・令和3年度 労働基準監督官採用試験結果  
【監督官A】最終結果  申込者数2,224名 合格者数336名
【監督官B】最終結果  申込者数669名 合格者数160名 
・令和2年度 労働基準監督官採用試験結果  
【監督官A】最終結果  申込者数2,699名 合格者数358名
【監督官B】最終結果  申込者数747名 合格者数118名 
・令和元年度 労働基準監督官採用試験結果  
【監督官A】1次試験 申込者数2,703(1,009)名 合格者数1,111(397)名
【監督官B】1次試験 申込者数805(154)名 合格者数475(88)名 
【A+B】最終結果  最終合格者数573名(206名)
・平成30年度 労働基準監督官採用試験結果  
【監督官A】1次試験 申込者数3,156(1,137)名 合格者数1,043(337)名
【監督官B】1次試験 申込者数889(159)名 合格者数545(102)名 
【A+B】最終結果  最終合格者数612名(215名)
 ( )内の数字は女性の人数(内数) 
・平成29年度 労働基準監督官採用1次試験結果  
1次試験 申込者数3,711(1,132)名 合格者数1,339(326)名 ※数値はA,B合計
最終結果  最終合格者数478名(147名)



受験対策・学習法ほか

採用試験は、労働基準監督官Aは(法文系)で文系の問題が出題され、労働基準監督官Bは(理工系)で理系の問題が出題されます。試験のレベルは大学卒業レベル(国家一般職レベル)で、労働基準監督官Aも、労働基準監督官Bも競争倍率から考えて、かなり難易度が高い資格です。
労働基準監督官に限らず、一般的に大抵の国家公務員試験は1次試験、特に専門試験重視になっていますので受験対策も、まずは1次の専門試験に的を絞った勉強をメインに考えていきます。
労働基準監督官の場合、受験する人の約半分くらいは独学で、残りの人は公務員予備校に通っています。費用のこともあるので、できれば独学がいいと思いますが、この試験を独学で突破できるのは、たぶん難関の国立大学大学合格者や、勉強が好きで勉強にはかなりの自信がある人ぐらいではないかと思います。一般的には、労働基準監督官の専門試験(記述式)や人物試験などは独学で対策するのはかなり厳しい試験だと思います。





結論的には、基礎能力試験や専門試験(多肢選択式)は勉強に自信がある人なら、市販の参考書や問題集を使って問題演習に取り組むことで合格点を超えることは不可能ではないと思いますが、専門試験(記述式)や人物試験対策は、ノウハウの蓄積が十分な公務員予備校などを利用する方が効率的で、目標達成の近道であることは間違いないと思います。労働基準監督官の場合は受験資格の要件に大学卒業は入っていませんが、合格者のほとんどが大学卒であることを考えても、資格スクールの利用は必須といえるかも知れません。

科目的には、特に労働法と行政法と民法の法律と会計の専門知識が難解です。法律は合格レベルになるまで、勉強に相当な時間と労力がかかりますのでその覚悟が必要です。学校や通信教育等を利用し年単位で勉強しない限り、なかなか合格レベルには達しないでしょう。「幅広い知識と教養、法律や会計の専門知識、面接、身体検査」というかなり難解な試験です。尚、2次試験では、人物試験(個別面接)と、身体検査と身体測定がありますが、配点はありませんが、人物試験は一定の水準以下だと不合格になります。基準は5段階評価で5と4は合格、3は1次試験との兼ね合いで決定。2と1は不合格になるようです。身体検査・身体測定は内科検診と視力聴力検査で、これも一定の水準以下だとこれだけで不採用になります。

受験資格

1.受験年の4月1日の時点で21歳以上30歳未満の者
2.21歳未満で次に掲げる者
(1)大学を卒業した者。または受験年の翌年3月に卒業見込みの者。
(2)又は人事院が①と同等の資格があると認める者。
※身体基準有り(視力、聴力)

次のいずれかに該当する者は、この試験を受けることができません。
 1.日本の国籍を有しない者
 2.国家公務員法第38条の規定により国家公務員となることができない者
 ①成年被後見人、被保佐人(準禁治産者を含む)
 ②禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまでの者またはその刑の執行猶予の期間中の者、その他その執行を受けることがなくなるまでの者
 ③一般職の国家公務員として懲戒免職の処分を受け、その処分の日から2年を経過しない者
 ④日本国憲法またはその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、またはこれに加入した者

試験方式

●採用試験 第1次試験
・教養試験:出題形式は全問五肢択一式。 科目別出題数は年度により若干変動。試験時間3時間
・専門試験:出題形式は全問五肢択一式。 科目別出題数は年度により若干変動。試験時間2.5時間
・専門試験:(記述式) 試験時間2時間
●採用試験 第2次試験
・人物試験:個別面接
・身体検査: 内科検診
・身体測定: 視力、聴力

◆合格基準
・第1次試験
 基礎能力試験及び専門試験(多肢選択式)において基準点(満点の30%)以上である者について、両試験種目の標準点を合計した得点に基づいて第1次試験合格者を決定。
・最終合格者(2次試験)
 第1次試験合格者のうち専門試験(記述式)において基準点以上であり、かつ人物及び身体検査に合格した者について、全ての試験種目の標準点を合計した得点に基づいて最終合格者を決定。

試験科目

労働基準監督官Aと労働基準監督官Bと2つの区分に分けて募集があり、労働基準監督官Aは(法文系)文系の問題が出題され、労働基準監督官B(理工系)は理系の問題が出題されます。

【労働基準監督官A(法文系)】
●1次試験
・基礎能力試験(多肢選択式 40題/2時間20分)
  1.知能分野(27題)
  2.知識分野(13題)
 ・専門試験(多肢選択式48題出題、40題解答/2時間20分)
  1.必須問題(12題)
  2.選択問題(36題中28題選択)
 ・専門試験(記述式 2題出題、2題解答/2時間) 
●2次試験
 1.人物試験 個別面接(人柄、対人的能力などについての個別面接)
 2.身体検査 内科検診(主に胸部疾患(胸部エックス線撮影含む)、尿、その他一般内科系検査)
 3.身体測定 視力、聴力

【労働基準監督官B(理工系)】
●1次試験
・基礎能力試験(多肢選択式 40題/2時間20分)
  1.知能分野(27題)1.文章理解 2.判断推理 3.数的推理 4.資料解釈
  2.知識分野(13題)1.自然・人文・社会(時事を含む)
 ・専門試験(多肢選択式 46題出題、40題解答/2時間20分)
  1.必須問題(8題) 1.労働事情(就業構造、労働需給、労働時間・賃金、労使関係、労働安全衛生)
  2.選択問題(38題中32題選択)
      1.憲法・行政法・民法・刑法   2.経済学・労働経済・社会保障・社会学
・専門試験(記述式 4~6題出題、2題解答/2時間)
  1.必須問題(1題) 1.工業事情
  2.選択問題(3~5題中1題選択)
   1. 工学に関する専門基礎(機械系、電気系等の工学系の専門工学に関する専門基礎分野)

●2次試験
 1.人物試験 個別面接(人柄、対人的能力などについての個別面接)
 2.身体検査 内科検診(主に胸部疾患(胸部エックス線撮影含む)、尿、その他一般内科系検査)
 3.身体測定 視力、聴力

スケジュール

・試験日
  1次試験 6月上旬 
  2次試験 7月中旬の指定日
・受付期間 
  3月下旬~4月上旬頃までの2週間程度
・合格発表
  1次試験 6月下旬 
  2次試験 8月中旬  

   令和6年度労働基準監督官採用試験案内

試験会場

・第1次試験
札幌市・仙台市・秋田市・東京都・新潟市・名古屋市・金沢市・大阪市・松江市・広島市・高松市・松山市・福岡市・熊本市・鹿児島市・那覇市
・第2次試験 
札幌市・仙台市・東京都・名古屋市・大阪市・広島市・高松市・福岡市・熊本市・那覇市

受験料

無料

問い合わせ先

厚生労働省労働基準局総務課人事係     http://mobile.mhlw.go.jp/info/rodokijun/index.html

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