資格名

環境計量士

資格の種類

国家資格

主催者

独立行政法人産業技術総合研究所の計量研修センター

資格の概要

「計量士」は、計量法第122条により経済産業大臣の登録による国家資格。計量法に基づく計量士資格の国家試験は1953年に始まりました。
主な職務は、計量器の整備、計量の正確の保持、計量方法の改善、その他適正な計量の実施を確保するために必要な措置を講ずることで、取引や証明などにおいて適正な計量を確保するための重要な資格です。例えば、環境計量士の場合は、大気中の汚染物質や水質の汚濁、土壌汚染などを測量する「濃度関係」と、建設工事などの騒音や振動を計測する「騒音・振動関係」の2種類に区分されています。調査・検査業務の入札で、管理技術者や主任技術者の資格要件として環境計量士を指定する自治体もあります。

平成5年の法改正で「一般計量士」と区分されたことをきっかけに「環境計量士」が誕生し、それによって、計量士の資格は、一般計量士、環境計量士(騒音・振動) 、環境計量士(濃度)の3種類に区分されました。さらに、環境計量士、一般計量士の区分に従い、計量管理の職務に必要な知識、技能について、毎年1回、経済産業大臣が筆記試験を実施することになったものです。
一般計量士は、秤やメーター、温度計など計量器機の検査・管理を行うための国家資格ですが、環境計量士は、工場排水の濃度や事業所から出る騒音や振動の分析・計量を行う国家資格です。

計量士になるためには2つの方法があります。1つは、計量士国家試験に合格し、それぞれの定められた実務の経験などの要件を満たし、計量士登録をする方法と、もう1つは経済産業省計量教習所の課程(一般計量教習3カ月)を修了し、計量士資格認定を受け、定められた実務の経験などの要件を満たし、計量士登録をする方法です。

計量士の登録者数は、平成26年3月末現在
環境計量士(濃度関係):約9,590人  環境計量士(騒音・振動関係):約2,860人




試験の合格率・難易度

難易度
 一般計量士    「B」  普通 
 環境計量士(濃度/騒音・振動)   「A」  難関 

【資格の難易度レベル】
環境計量士は、理系資格の中でも取得を途中で断念する人が多い資格の一つで、試験の難易度は高いですが、技術士よりは易しく、公害防止管理者よりは数段難易度は高い、合格率15%前後の試験です。環境関連資格の中では、技術士の次に難易度の高い資格です。知識レベルは大学受験レベルの化学の知識が必要で、試験では特に化学分析概論及び濃度の計量に関する難問が多く出題され、計量および計量管理に必要な知識と技能が問われます。
環境計量士の難易度は一般計量士に比べては、やや高いと考えていいでしょう。ただ、試験問題が数学や物理の問題がほとんどなので、理系が得意な人にとってはそれほど難易度は高くないかも知れませんが、文系や理数が苦手な人にとっては、難易度はかなり高くなります。数学計算や物理などが苦手な人は、過去問と高校生レベルの問題集で繰り返し基礎固めと問題を十分にこなしておくことが必要です。

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・合格率
  令和3年 (第72回)計量士試験結果 
(一般計量士) 
 合格率23.4% 受験者数820名 合格者数192名
(環境計量士) 
 濃度16.8% 受験者数1,937名 合格者数326名
 騒音・振動 17.5% 受験者数628名 合格者数110名

※参考データ
・令和2年 (第71回)計量士試験結果 
(一般計量士) 
 合格率21.0% 受験者数813名 合格者数171名
(環境計量士) 
 濃度16.4% 受験者数1,817名 合格者数298名
 騒音・振動 18.4% 受験者数572名 合格者数105名
・令和元年12月実施 (第70回)計量士試験結果 
(一般計量士) 
 合格率22.5% 受験者数939名 合格者数211名
(環境計量士) 
 濃度15.4% 受験者数2,250名 合格者数346名
 騒音・振動 17.5% 受験者数736名 合格者数129名
・平成30年3月実施 (第68回)計量士試験結果 
(一般計量士) 
 合格率20.7% 受験者数990名 合格者数205名
(環境計量士) 
 濃度15.2% 受験者数2,910名 合格者数443名
 騒音・振動 18.1% 受験者数888名 合格者数161名
・平成29年3月実施 (第67回)計量士試験結果
一般計量士:合格率24.5% 受験者数992名 合格者数243名
環境計量士:濃度15.2% 受験者数3,195名 合格者数486名
騒音・振動 17.1% 受験者数875名 合格者数150名 

試験の内容・勉強法

■一般計量士
平成20年度の受験者数1220人。計量に関する専門的な知識と技術を要する国家資格。主に、企業、官公庁などで使用する計量器具の検査などを行う資格で安定したニーズがある。試験の難易度は公害防止管理者よりやや難しいというレベル。受験が全く初めての人は、過去問とその解答が理解出来るようにすることから勉強を始めた方が良い。また参考書は日本計量振興協会の問題集がよいと思います。資格取得後の具体的な業務は、一般的なものの測定、都道府県の計量検定所の定期検査の代行、計量証明事業者の事業所の軽量器の整備など。
■環境計量士
計量士は、環境計量士(濃度関係・騒音関係・振動関係)と一般計量士に分かれます。
環境計量士は社会からのニーズが高く、就職、転職においても有利な資格ではありますが、この資格に合格できたらさらに上位の、技術士や弁理士などに挑戦する道もあります。他には環境コンサルタントも目標にできます。
【環境計量士(濃度関係)の出題傾向】  
・基礎知識
環境基本法、大気汚染防止法、水質汚濁防止法などの法律関係の問題と、高校~大学一般教養レベルの化学の問題の出題が多い。大学で化学を専攻した人はかなり有利
・化学分析概論及び濃度の計量
原子吸光分析、ICP発光分析、クロマトグラフィー、濃度計などの分析機器の問題と分析法の問題
・計量関係法規
計量法から出題多い
・計量管理概論
統計学の基礎を中心にした出題が多い



環境に関する資格は、数多く存在しますが、そのほとんどは日本国内でのみ有効な資格になっています。その種類は、国家、公的、民間資格にそれぞれありますが、環境系の資格は、さらに化学系、生物系、工・物理学系に分けられます。その中の化学系に分類される資格としては、環境計量士(濃度、騒音・振動)と、公害防止管理者が代表的です。環境計量士は、経済産業大臣から与えられる国家資格です。この資格所持者は、汚染や騒音、振動の測定、分析の専門知識と経験をもつ技術者と認められます。

試験日程

試験実施時期:<年1回>毎年12月中旬の日曜日
試験受付期間: 毎年 7月上旬~8月上旬頃 
合格発表:   2月中旬頃

試験日程は環境計量士、一般計量士共通です。
令和6年実施 第75回計量士国家試験実施日程  
令和6年度(第75回)計量士国家試験直前対策講習会

受験資格

学歴、年齢その他一切の制限はなく、誰でも受験できます。

試験会場

北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州、沖縄

受験費用

・ 8,500円(収入印紙を貼付)

試験方式

試験は、「環境計量士(濃度関係)」、「環境計量士(騒音・振動関係)」、「一般計量士」の3区分からなっています。

●試験方式
 ・環境計量士(濃度関係)五肢択一式
  出題:1科目25問×4科目
 ・環境計量士(騒音・振動関係)五肢択一式
  出題:1科目25問×4科目
 ・一般計量士 筆記試験(五肢択一式)
●合格基準 以下の①と②の両方の基準を満たすものが合格となります。
 ①専門2科目の合計
   環境計量士(濃度関係):50問中、25問(100点)以上の正答が必要。
   環境計量士(騒音・振動関係)50問中、27問(108点)以上の正答が必要。
   一般計量士:50問中、28問(112点)以上の正答が必要。
 ②共通2科目の合計:全試験区分とも50問中、30問(120点)以上の正答が必要。
●科目免除
濃度、騒音振動、一般のいずれかの合格者は、合格した試験以外の区分において、「計量関係法規」及び、「計量管理概論」が免除されます。

試験科目

共通科目(計量関係法規と計量管理概論)2科目と、他に資格区分別に計量に関する基礎知識と、各々計量問題が出題される。
■環境計量士(濃度関係)
 (1)環境関係法規および化学に関する基礎知識
 (2)化学分析概論・濃度の計量(環境・一般の共通科目)
 (3)計量管理概論(環境・一般の共通科目)
 (4)計量関係法規
■環境計量士(騒音・振動)
 (1)環境関係法規および化学に関する基礎知識
 (2)音響・振動、音圧レベル・振動加速度レベル(環境・一般の共通科目)
 (3)計量管理概論(環境・一般の共通科目) 
 (4)計量関係法規
■一般計量士
 (1)計量基礎知識 
 (2)計量器概論、質量計量(環境・一般の共通科目) 
 (3)計量管理概論(環境・一般の共通科目) 
 (4)法規
※環境計量士試験に合格している場合は、申請により共通2科目が免除される。

試験関連情報

【資格の難易度情報】
・資格の難易度とランキング(環境計量士 一般計量士)
ジャンル別資格の難易度ランキング

●試験関連情報
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●関連資格
 公害防止管理者

問い合わせ先

・経済産業省 産業技術環境局 計量行政室  http://www.meti.go.jp/intro/data/akikou06_1j.html
TEL03(3501)1688(直)
※願書等についての問い合わせは、各経済産業局へ直接問い合わせる。
・日本計量振興協会 http://www.nikkeishin.or.jp/

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教材(テキスト・参考書)

計量士試験対策教材一覧

【環境計量士試験 おすすめ教材】
はじめて学ぶ 環境計量士試験 濃度関係 (国家・資格シリーズ 228)
図解入門よくわかる最新分析化学の基本と仕組み[第2版]

教材(過去問・問題集)

経済産業省公式サイト掲載
一般社団法人日本環境測定分析協会掲載
国家試験問題解答と解説

 

講座・スクール

環境計量士講座(日本分析化学専門学校)