資格名

火薬類製造保安責任者

資格の種類

国家資格

主催者

経済産業省(全国火薬類保安協会)

資格試験の概要

火薬や爆薬を製造する事業者は、製造所ごとに保安責任者を選任、設置し、従業員を指揮監督しなければならないことが火薬類取締法で定められており、火薬類製造保安責任者は、火薬類製造施設における製造・貯蔵・消費などの取り扱い上の保安に関し、従業者を指揮・監督することが職務となります。また、火薬類製造保安責任者免状は、経済産業大臣が発行する甲種および乙種と、都道府県知事が発行する丙種に分かれています。試験はだれでも受験できますが、免状交付は満18歳以上になります。

・甲種は製造において、火薬及び爆薬1日1t以上、硝安油剤爆薬1日7t以上、起爆薬1日50kg以上、変形及び修理において火薬、爆薬及び火工品(信号えん管、信号火せん及び煙火を除く)1日1t以上、
・乙種は製造において火薬及び爆薬1日1t未満、硝安油剤爆薬1日7t未満、起爆薬1日50kg未満 火工品(信号えん管、信号火せん及び煙火を除く)、信号えん管、信号火せん及び煙火1日300kg以上、変形及び修理において火薬、爆薬及び火工品(信号 えん管、信号火せん及び煙火を除く)1日1t未満、
・丙種は製造において信号えん管、信号火せん及び煙火1日300kg未満、変形及び修理において信号えん管、信号火せん及び煙火に制限があります。



※甲種または乙種火薬類製造保安責任者の資格保有者は申請により無試験で甲種または乙種火薬類取扱保安責任者の資格を取得することができます。また、火薬類保安責任者を取得すると危険物取扱者の乙種第一類と乙種第五類の火薬に関する問題の一部が免除されます。
※丙種火薬類製造保安責任者が甲種または乙種火薬類取扱保安責任者の資格を取得するには、取扱保安責任者試験を受験して合格しなければならない。

合格率・資格難易度

難易度
  甲種「B」 普通 

【資格の難易度レベル】
「甲・乙種取扱保安責任者資格」より、「甲・乙種製造保安責任者資格」の方が内容も高度で専門性が高く、難易度も高いです。ただ、出題範囲もそれほど広くなく、高圧ガス製造保安責任者(甲種)と難易度は同じ程度と考えてよいでしょう。試験は記述式で高度な内容なので、不安のある方は保安協会が受験者向けの対策講座を各地で開催しているので利用すると良いでしょう。試験科目では「製造方法」の難易度が高くポイントになります。

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●合格率  (東京都の試験結果)
 令和3年度火薬類製造保安責任者試験結果(東京都火薬類保安協会発表分)   
   甲種  合格率30.1% 受験者数83名 合格者数25名 
   乙種  合格率18.5% 受験者数27名 合格者数5名

※参考データ (東京都の試験結果)
・令和2年度火薬類製造保安責任者試験結果(東京都火薬類保安協会発表分)   
   甲種  合格率26.9% 受験者数93名 合格者数25名 
   乙種  合格率20.8% 受験者数24名 合格者数5名
・令和元年度火薬類製造保安責任者試験結果(東京都火薬類保安協会発表分)   
   甲種  合格率22.6% 受験者数133名 合格者数30名 
   乙種  合格率18.8% 受験者数32名 合格者数6名
・平成30年度火薬類製造保安責任者試験結果(東京都火薬類保安協会発表分)   
   甲種  合格率14.4% 受験者数118名 合格者数17名 
   乙種  合格率20.4% 受験者数49名 合格者数10名
・平成29年度火薬類製造保安責任者試験結果(東京都火薬類保安協会発表分)  
   丙種  合格率60.7% 受験者数107名 合格者数65名  
   甲種  合格率19.2% 受験者数120名 合格者数23名 
   乙種  合格率20.7% 受験者数58名 合格者数12名
・平成28年度火薬類製造保安責任者試験結果(東京都火薬類保安協会発表分)  
    甲種  合格率15.7% 受験者数134名 合格者数21名  
    乙種  合格率16.4% 受験者数61名 合格者数10名 

受験対策・学習法ほか

火薬類の保安責任者資格には、「火薬類製造保安責任者」と「火薬類取扱保安責任者」があります。管轄は共に経済産業省管轄の国家資格ですが、試験の難易度は全く異なり、甲種または乙種火薬類製造保安責任者の資格保有者は申請により無試験で甲種または乙種火薬類取扱保安責任者の資格を取得することができます。
火薬類製造保安責任者は、危険性の高い火薬類を安全に製造・保安管理するスペシャリストのための国家資格で、試験は各種とも筆記試験のみ。関連法規や保安管理技術、火薬の製造方法などが出題されます。製造する火薬類の量や種類に応じて甲種・乙種・丙種があり、甲種は最も大量の火薬を扱うことができます。

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試験対策は、各地区の保安協会主催で火薬類製造保安責任者試験や火薬類取扱保安責任者試験の受験対策講座が開講されますので、この講習を受講して勉強するのがベストです。
甲、乙種の試験合格者には、経済産業大臣が免状を交付します。丙種は択一式で行われ、合格者には都道府県知事が免状を交付します。
甲種または乙種の火薬類製造保安責任者及び、甲種または乙種の火薬類取扱保安責任者の資格を持つ者は、陸上自衛隊の技術陸曹の任用資格があります。また、甲種と乙種はコンクリート破砕器作業主任者技能講習の受講資格となっています。

最近では、学生や女性の受験者も増加していますが、就職先が火薬類の販売業者や、警察、消防、火薬類を扱う企業等では有資格者を優遇するところもあります。

受験資格

試験は学歴、経験、居住地を問わず、誰でも受けられます。
※火薬類に対する知識又は一般的な工学上の知識について習得したとみなされる者は、特定の試験科目の免除を申請することができます。

試験方式

●試験形式  
  甲種・乙種:筆記試験  
  丙種:択一式試験   
●試験時間
  1課目1時間30分
●合格基準
  ・甲種・乙種:試験項目6項目のそれぞれが60点以上。 
  ・丙種:試験項目4項目のそれぞれが60点以上で、一般教養が50点以上。

試験科目

●甲種・乙種
・火薬類取締に関する法令
・火薬類製造工場保安管理技術
・火薬類製造方法
・火薬類性能試験方法
・火薬類製造工場に必要な機械工学電気工学及び機械工学大要
・一般教養(数学、物理学、化学、外国語、国語、社会科)
●丙種
・火薬類取締に関する法令
・信号焔管、信号火せん又は煙火(原料火薬及び爆薬を含む。)製造工場保安管理技術
・信号焔管、信号火せん又は煙火(原料火薬及び爆薬を含む。)製造方法
・火薬類性能試験方法
・一般教養(数学、物理学、化学、外国語、国語、社会科)
※火薬類に関して工学博士の学位を有する者、大学・高専・高校などで工業化学に関する学科を専修して卒業した者などは、申請により試験科目の一部が免除される。

スケジュール

●試験実施:甲種・乙種 11月上旬 ・丙種9月上旬
●申込期間:甲種・乙種(製造) 8月下旬
      丙種(製造)6月下旬~7月上旬
●願書入手:甲種・乙種(製造) 試験に関しては(社)全国火薬類保安協会へ請求
      丙種(製造) 試験に関しては各都道府県火薬類保安協会内試験事務所に請求
●合格発表:12月中旬

 令和5年度火薬類製造保安責任者試験案内  

試験会場

・甲種・乙種:東京
・丙種 :全国47都道府県で行われる。
※受験地であればどこでも受験できます。
 但し、願書の請求及び提出は必ず受験地の都道府県試験事務所であること。

受験料

・甲種(製造) 25,900円   
・乙種(製造) 25,900円   
・丙種(製造) 17,000円

問い合わせ先

・公益社団法人 全国火薬類保安協会     http://www.zenkakyo-ex.or.jp/
〒104-0032 東京都千代田区八丁堀4丁目13番5号幸ビル8階  電話:03-3553-8762
・商務流通保安グループ 鉱山・火薬類監理官付 火薬班
電話:03-3501-1870(直通)、内線:4961

【以下の各項には一部広告が含まれています。】

通信講座・eラーニング

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通学スクール・講座

各地区(県)別に各種講習会や受験対策セミナーなどが開催されています。
  ⇒ 都道府県火薬類保安協会

教材(過去問集)

令和元年度 火薬類製造保安責任者試験問題
令和元年度 火薬類製造保安責任者試験問題 解答

教材(テキスト・参考書)

火薬類製造保安責任者試験教材一覧

【火薬類製造保安責任者試験 おすすめ教材】
甲種 火薬類取扱保安責任者 過去問題・解答解説集 2021年版
乙種 火薬類取扱保安責任者 過去問題・解答解説集 2020年版
火薬類製造保安責任者試験(丙種)○×式一問一答問題集

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