資格名

原子炉主任技術者

資格の種類

国家資格(必置資格)(業務独占資格)

主催者

原子力規制委員会

資格試験の概要

「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」に基づき、原子炉設置者の行う原子炉の運転に関する保安規定の実施と、保安の監督に当たる者を認定する国家資格です。加工事業者及び再処理事業者等は核燃料物質の取扱いに関しての保安の監督を行わせるために核燃料取扱主任者免状を有するもののうちから選任しなければなりません。すなわち、わかりやすく書けば、原子炉主任技術者の役割は「原子炉の運転に関し て保安の監督」を行うと規定されています。そし て、原子炉設置者は「原子炉主任技術者の免状を有する者」を原子炉主任技術者に選任しな ければならないとされています。原子炉の安全性が注目される今、その重要性は一段と高まっています。

原子炉主任技術者の免状を得るには、毎年3月ごろに実施される筆記試験に合格し、更に毎年8月ごろに実施される口述試験に合格する必要があります。筆記試験を受験するについては特に条件はありませんが、口述試験を受けるに当た っては原子炉の運転に関する業務に6ヶ月以上従事した経験がなければなりません。この場合、どの原子炉であるか炉型は問われません。



合格率・資格難易度

難易度 
   A 「難関」

【資格の難易度レベル】
原子炉主任技術者試験の問題内容が原子力規制委員会のホームページに掲載されていますが、これ以外には受験対策に使える資料や参考書類がほとんどありません。関連講座も日本原子力研究開発機構のコース以外には、もちろんスクールもありませんので、過去問を参照して、それぞれの問題に関する法令や理論などの参考書を個々に購入し、一通りしっかりと勉強する以外に方法がありません。この試験の難しさはここから始まっているといっても過言ではないと言えます。さらに言えば、試験は全問記述式であり、難解な計算問題も出題されることが難易度をさらに高めています。
よく似た資格、核燃料取扱主任者試験も原子炉主任技術者試験ほど難易度は高くありませんが、どちらも理系の難関資格の1つと言えます。

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・合格率  
第62回原子炉主任技術者試験結果
1次筆記試験結果 合格率12.4% 受験者数 178名 合格者数22名
2次口答試験結果 合格率28.7% 受験者数 87名 合格者数25名

※参考データ
・第61回原子炉主任技術者試験結果
1次筆記試験結果 合格率14.4% 受験者数 180名 合格者数26名
2次口答試験結果 合格率19.1% 受験者数 89名 合格者数17名
・第60回原子炉主任技術者試験結果
1次筆記試験結果 合格率13.3% 受験者数 210名 合格者数28名
2次口答試験結果 合格率27.7% 受験者数 94名 合格者数26名
・第59回原子炉主任技術者試験結果
1次筆記試験:合格率15.5% (受験者数 233名 合格者数36名)
2次口答試験: 合格率13.8%(受験者数87名 合格者数12名) 
・第58回原子炉主任技術者試験結果
1次筆記試験:合格率8.5% (受験者数 222名 合格者数19 名)
2次口答試験:合格率16.7% (受験者数66名 合格者数11名) 

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受験対策・学習法ほか

原子炉主任技術者試験は、筆記試験についての受験要件は特になく、口述試験についてのみ6ヶ月以上の実務経験が必要とされているなど、受験そのものは容易ですが、実際に合格するにはかなり難易度が高い資格であるといえます。その理由は、筆記試験については、原子力に関する幅広い知識が要求され、しかも口述試験では、専門分野の知識に加えて、原子炉に緊急の事象・事故があったときの対応など、責任者としての判断や適性を見るための設問が出題されるためです。
原子炉主任技術者となるための資格試験は、筆記試験および口述試験の2段階で毎年行われており、筆記試験のほうの日程は3日間にわたっています。例年100名を超える程度の受験申し込みがありますが、最近の合格率を見ると、筆記試験で10%前後、2次試験にあたる口述試験で15~20%程度と、かなりの狭き門となっています。但し、東京大学の専門大学院で1年間履修すると、筆記試験の法令以外の科目が免除になるなどの特別な措置も設けられています。

試験に関しては、試験範囲が原子炉技術全般の広範囲にわたるため、その中の出題傾向をつかむことが非常に難しい試験です。また、原子炉主任技術者試験は受験者が100 名程度と 少ないせいか、過去問などの市販の問題集が少なく、受験勉強にはかなり苦労することになります。結局、原子力の広い範囲にわた って多くの参考書などで勉強する必要が出てきます。また、口述試験は一般的な知識に加えて、緊急時の対応としての心構えなど原子炉主任技術者としての適性や資質を問うような試問がされます。いづれの試験も決して楽な試験ではありません。受検に至るコースとしては、電力会社に就職して実務を経験し、原子炉主任技術者資格を受験するというコースが一般的です。資格取得者は電力会社内などで昇進するケースも見込まれます。試験はかなり難しいですが、挑戦するだけの価値がある資格だと言えます。
※平成17年度からは、東京大学原子力専攻(専門職大学院)の1年間の課程を修了すると、筆記試験の うち法令以外の科目が免除となり、試験を経な いで資格が取れる制度が創設されました。また、日本原子力研究開発機構では筆記試験の対策講座を開設しています。⇒詳細

受験資格

【筆記試験】
 制限なし。誰でも受験できます。
【口述試験】
口述試験には下記の受験資格があります。
 (1)筆記試験合格後、6ヶ筆記試験合格後、6ヶ月以上原子炉運転実務経験者。
 (2)筆記試験合格後、指定された講習(下記1.~4.)機関で、講習課程を修了した者。
  1.日本原子力研究所国際原子力総合技術センターの原子炉一般課程。
  2.日本原子力発電株式会社東海研究所の運転研修課程。
  3.アメリカペンシルベニア州・シッピングポート原子力発電所訓練課程。
  4.アメリカテネシー州・オークリッジ国立研究所原子炉技術学校運転管理過程など10の講習機関。

試験方式

●試験の実施:「筆記試験」と「口述試験」が実施されます。
●合格基準:
・筆記試験:各科目100点満点中、全科目の平均が60点以上で、
さらに科目毎の得点が60点未満が2科目まで、50点未満が1科目まで、かつ40点未満がない者、が合格となります。
・口述試験:各科目100点満点中、60点以上の得点で合格となります。
●科目免除 
原子力規制委員会の認定を受けた大学院の専門職学位課程を修了した者は、筆記試験において、下記の筆記試験科目の中の法令を除く(1)から(5)までの科目が免除されます。但し、修了してから5年以内に限ります。  

試験科目

●筆記試験
(1)原子炉理論(試験1日目)
(2)原子炉の設計(試験2日目)
(3)原子炉の運転制御(試験2日目)
(4)原子炉燃料及び原子炉材料(試験3日目)
(5)放射線測定及び放射線障害の防止(試験3日目)
(6)原子炉に関する法令(試験1日目)
●口答試験
 原子炉の運転を行うために必要な実務的知識

スケジュール

試験実施:
(筆記試験)3月中旬頃の3日間  
(口述試験)7月下旬頃
合格発表:
(筆記試験)合格者の氏名を5月下旬に官報で公告、同時に筆記試験合格証を本人に送付。
申込期間:
(筆記試験)1月初旬~1月中旬   
(口述試験)6月中旬~7月上旬頃
・受験手続:受験申込書等で原子力規制委員会原子力安全人材育成センター業務課宛て申し込む。

  第65回原子炉主任技術者試験 筆記試験日程  
            試験は終了しました。 

試験会場

東京都

受験料

52,100円(非課税)

問い合わせ先

原子力規制委員会原子力安全人材育成センター業務課
〒105-0001
東京都港区虎ノ門4-1-28 虎ノ門タワーズオフィス22階
電話:03-6435-9704 FAX :03-6435-9745   
E-MAIL:shiken@nsr.go.jp

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