資格の概要 | 「ボイラー技士」は、労働安全衛生法に基づく国家資格(免許)の一つで、ビルや病院、工場などの中・大規模施設で、給湯・暖房、機械動力として使用されるボイラー設備を監視・管理するのに必要な資格です。資格の種類は、2級、1級、特級の3種類に分かれています。どのボイラー技士免許でも作業自体はすべてのボイラー(小規模・小型ボイラーを除く)を扱えますが、作業を統括する取扱作業主任者には、2級は伝熱面積合計が25平方メートル未満のボイラーまで、1級は500平方メートル未満までのボイラーまでと制限されています。特級取得者はあらゆるボイラーの取扱作業主任者になれるため、多くは大規模な工場等のエネルギー源としてのボイラーを取り扱う重要な役割を担います。
※「ボイラー」とは、病院、学校、工場、ビル、船舶、機関車、銭湯などの建造物に設置され、給湯や暖房、機械動力として使用されているボイラー設備です。「ボイラー技士」は、その監視・調整・検査などの業務を行うために必要な国家資格です。
※特級ボイラー技士は「職業訓練指導員 (ボイラー科) 試験」の受験資格が与えられると共に学科の一部と実技が免除されます。一級ボイラー技士は同試験の受験資格のみが与えられます(免除無し)。※累計合格者数:約21,000人
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◆【法改正】
1.労働安全衛生法関係令の改正により、平成24年4月1日から、二級ボイラー技士試験の受験資格が不要となりました。
2.また、免許試験に合格後、免許申請する際は、実務経験等の免許を受ける資格(ボイラー実技講習終了証等)を証する書面の添付が必要になりました。
3.平成24年4月1日以降は、二級ボイラー技士免許の交付要件の一つである「ボイラー実技講習」の受講は、受験前又は免許試験合格後のどちらで受講してもよいことに変更されました。
◆【法定講習】
ボイラー取扱いの実務経験を有しない者等が二級ボイラー技士免許の交付を受ける場合には、その前提として決められた法定講習を受講しなければならないとされています。この講習は期間が3日間で、都道府県労働局長登録講習機関が定期的に開催しています。この講習は、あくまでも二級ボイラー技士免許の受験資格を得るための日本ボイラ協会などが行う法定講習です。
(法定講習科目と時間)
・点火(1時間) ・燃焼の調整(7時間) ・附属設備及び附属品の取扱い(6時間) ・水処理及び吹出し(1時間) ・点検及び異常時の処理(5時間)
※この講習では筆記試験等は課されません。 |
試験方式 | ●試験方式:マークシートで5者択一方式
●合格基準:科目ごとの得点が40%以上で、かつ合計点が60%以上であること。
●試験科目別の配点・試験時間
(試験科目)
・ボイラーの構造に関する知識
特級6問/100点 1,2級10問/100点
・ボイラーの取扱いに関する知識
特級6問/100点 1,2級10問/100点
・燃料及び燃焼に関する知識
特級6問/100点 1,2級10問/100点
・燃料及び燃焼に関する知識
特級6問/100点 1,2級10問/100点
●試験時間
(特級)各科目1時間合計4時間
(1級) 午前・午後合計4時間
(2級) 3時間
●合格基準
特級・1級・2級以下の全ての条件を満たすことで合格となります。
(1)総得点が、満点中60%以上の得点率
(2)各科目が、満点中40%以上の得点率 |
受験資格 | 【特級】(全ての規模のボイラー取扱作業主任者となることができます)
1. 1級免許取得後、3年以上の実務経験者
2. 大学、専門、高校でボイラー課程学科を卒業し、2年以上の実務経験者
3. エネルギー管理士有資格者で2年以上の実務(実地)経験者
4. 海技士(機関1、2級)有資格者
5. ボイラー・タービン主任技術者有資格者で500㎡以上のボイラー取扱経験者
【一級】(伝熱面積の合計が500m2未満のボイラー取扱作業主任者となることができます)
1.二級ボイラー技士免許を受けた者。
2.大学、高等専門学校、高等学校又は中等教育学校においてボイラーに関する学科を修め卒業した者で、その後1年以上の実地修習を経た者。
3.エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)第9条第1項のエネルギー管理士(熱)免状を有する者で、1年以上の実地修習を経た者。
4.海技士(機関1、2、3級)免許を受けた者。
5.ボイラー・タービン主任技術者(1種又は2種)免状を有する者で、伝熱面積の合計が25㎡以上のボイラーを取り扱った経験がある者。
6.保安技術職員国家試験規則による汽かん係員試験に合格した者で、伝熱面積の合計が25㎡以上のボイラーを取り扱った経験がある者。
【二級】(伝熱面積の合計が25m2未満のボイラー取扱作業主任者となることができます)
受験資格なし。誰でも受験可能。但し、免許の交付を受けるには以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
1.大学、高等専門学校、高等学校又は中等教育学校においてボイラーに関する学科を修め卒業した者で、その後3ヶ月以上の実地修習を経た者。
2.ボイラーの取扱いについて6ヶ月以上の実地修習を経た者。
3.ボイラー取扱技能講習を修了した者で、その後4ヶ月以上小規模ボイラーを取り扱った経験がある者。
4.エネルギーの使用の合理化に関する法律第9条第1項のエネルギー管理士(熱)免状を有する者で、1年以上の実地修習を経た者。
5.海技士(機関1、2、3級)免許を受けた者。
6.ボイラー・タービン主任技術者(1種又は2種)免状を有する者で、伝熱面積の合計が25㎡以上のボイラーを取り扱った経験がある者。
7.ボイラー実技講習を修了した者。
8.海技士(機関4、5級)免許を受けた者で、伝熱面積の合計が25㎡以上のボイラーを取り扱った経験がある者。
9.保安技術職員国家試験規則による汽かん係員試験に合格した者で、伝熱面積の合計が25㎡以上のボイラーを取り扱った経験がある者。
10.鉱山において、伝熱面積の合計が25㎡以上のボイラーを取り扱った経験がある者。など
※二級は受験資格の制限はありませんが、試験に合格した場合、免許申請の際に実務経験等(事例など)を証する書類の添付が必要になります。
※他にも細則があるため、詳細は下記の問い合わせ先のURLで確認してください。 |
資格難易度 | ●難易度
特級 「B 」 普通
二級 「C」 やや易
【資格の難易度レベル】
この資格の試験対策としては、受験対策講習会等に出なくとも独学で十分合格は可能です。
二級の場合なら、必要な基礎知識は中学レベルの物理で、試験方式はマークシート式で計算問題はほとんど出題がありませんので出題されるパターンがある程度決まっています。そのため、過去問中心にくり返し勉強し、分からなかったところや間違ったところを参考書で確認し、理解していけば合格することは十分可能です。ボイラー整備士よりは若干、難易度は高いと考えていいでしょう。
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●合格率:
令和元年度ボイラー技士試験結果
・特級:受験者数498名 合格者数151名 合格率30.3%
・一級:受験者数4,932名 合格者数2,588名 合格率52.5%
・二級:受験者数25,192名 合格者数12,803名 合格率50.8%
※参考データ
平成29年度ボイラー技士試験結果
・特級:受験者数553名 合格者数191名 合格率34.5%
・一級:受験者数5,714名 合格者数3,395名 合格率59.4%
・二級:受験者数27,393名 合格者数15,609名 合格率57.0%
平成28年度ボイラー技士試験結果
・特級:受験者数580名 合格者数110名 合格率23.3%
・一級:受験者数5,911名 合格者数3,588名 合格率60.7%
・二級:受験者数27,211名 合格者数15,919名 合格率58.5% |