2022年度(令和4年度)も今日で終わり、明日から2023年度が始まりますが、年度をまたぐようにして、今年もいくつか「新資格」が創設されています。
そこで今回は、創設された、また創設が予定されている主な新資格をまとめて見ました。

P/L・B/Sアナリスト検定(主催:一般社団法人実務能力開発支援協会)民間資格
【試験の概要】
損益計算書(P/L)や貸借対照表(B/S)が読めるようになることに特化した、初めての検定試験。経理・財務の専門家だけでなく、全てのビジネスパーソンに必要とされる「P/LやB/Sを読める力」を客観的に判定する試験となっています。
【試験の特徴】
・試験の形式は「Web講義+Web試験の一体型」。自宅でのWeb試験を導入。完全オンラインの検定試験です。
・受験の申込み日から3か月以内に、すべてのWeb講義を視聴し2回のWeb試験に合格することで資格認定されます。
・受験級は、3級、2級、1級の3つのランクがあります。
・試験時間は50分で、試験問題はすべて3択式です。

実践プログラミング技術者試験 (主催:サーティファイ 情報処理能力認定委員会)民間資格
【試験の概要】
仕様に基づきどのようなアルゴリズムが必要になるかを思考し、それを実現するためのプログラムをコーディングする能力を認定します。ソースコードのコーディング力と読解力を伸ばすことにフォーカスした実技試験です。
【試験の特徴】
・仕様や条件に基づき求めるプログラムを考え記述することができる力や、ロジックを考えアルゴリズムを構築する力、アルゴリズムの構造を理解する力が身につきます。
・試験は「Java部門」、「C言語部門」、「Python部門」の3種類あります。
・試験形態はTechFULによるオンライン試験(テキストエディター・IDEなどの併用も可能)
・試験の形式は、出題数:6題 試験時間:120分
・試験の実施は年4回(2,6,8,11月)

こども家庭ソーシャルワーカー(主催:厚生労働省)民間資格➡国家資格
【試験の概要】
子育て世帯を取り巻くさまざまな社会課題──育児と仕事を両立する困難さ、保護者自身の病気や障がい、親の介護、家庭内暴力、貧困、孤立化などがあり、これらの問題に対処するにはより高い専門性が求められることから、新たに子ども家庭福祉分野に特化した資格が創設されることとなりました。
「こども家庭ソーシャルワーカー」は、子ども家庭福祉分野に専門性を持つ新たな資格で、2024年4月の制度開始を目指し、現在、厚生労働省の専門部会で準備が進められています。
【試験の特徴】
2024年4月の制度開始時点では、こども家庭ソーシャルワーカーは民間資格として位置づけられることが決定していますが、制度開始から2年後の2026年をめどに国家資格化することも視野に入れられています。
こども家庭ソーシャルワーカーの資格を取得するには①「相談援助有資格者ルート」、②「相談援助実務経験者ルート」、
③「保育所保育士ルート」の3つのルートがあります。いずれも一定の実務経験、研修の修了、試験の合格が必要です。
また、また3ルート共通の「指定研修」は100.5時間とし、内訳は講義が33時間、演習が67.5時間とする。講義はネットでの受講もできるようにする。

国家資格 愛玩動物看護師(主催:一般財団法人 動物看護師統一認定機構)国家資格
【試験の概要】
“ペットの看護師”とされる新たな国家資格「愛玩動物看護師」の初めての試験が2月19日(日)、全国19か所の会場で行われ、約2万人が受験しました。
【試験の特徴】
農林水産省によると、ペットの高齢化や求められる医療の高度化が進み、獣医師の負担の増加が課題となっています。こうした課題の解決のために、新たな国家資格の「愛玩動物看護師」は、これまで獣医師のみが行っていたカテーテルによる採尿や採血、識別番号が記録されたマイクロチップの挿入などを、獣医師の指示の下で診療の補助行ったり、高齢者施設でのセラピー活動や高齢者への飼育支援などの役割なども期待されています。

ドローン操縦ライセンス国家資格制度(主催:指定試験機関一般財団法人日本海事協会(ClassNK)) 国家資格
【試験の概要】
日本ではこれまでドローンに関しては民間資格だけがありましたが、2022年12月5日より国家資格である「無人航空機の操縦者技能証明制度(操縦ライセンス制度)」が開始されました。ドローンの国家資格化の背景は、①労働力不足を解決するための新しい産業の創出 ②国土交通省の作業工数を削減する、などの狙いがあります。
【試験の特徴】
新制度では、①対象年齢は16歳以上 ②技能証明は、一等無人航空機操縦士(一等資格)及び二等無人航空機操縦士(二等資格)に区分 ③一等資格、二等資格ともに有効期間は3年間 ④国の登録を受けた講習機関(登録講習機関)の講習を修了した場合は、実地試験を免除。などが決められています。
一等資格と二等資格を取得する方法は2通りあります。
(1)国土交通省が認定した登録講習機関(ドローンスクール)で、学科と実地の講習を受け、実地修了試験に合格し、指定試験機関にて身体検査と学科試験に合格する方法
(2)操縦技術に自信のある人は、指定試験会場にて実地試験、身体検査、学科試験の一発試験を受験することも出来ます。

   各情報は各試験主催者の公式サイトから引用しています。