~難関資格の壁を低くし、人材不足解消へ~

建築業界で最も難易度が高い国家資格として知られる1級建築士試験。合格率は9.9%と、9割以上の受験者が不合格となる狭き門です。しかし、2018年12月の法改正により、受験条件が大幅に緩和され、若者を中心に合格者が急増しています。

■ 改正前:1000時間超の勉強時間が必要だった

従来、1級建築士試験を受験するには、大学卒業後、2年以上の実務経験を積む必要がありました。さらに、試験合格には1000時間を超える勉強時間が必要とされ、ハードルが高い状況でした。このことが、受験者数の減少や、合格率の低さの原因の一つとなっていました。

■ 改正後:学歴があれば誰でも受験可能に!

2020年より、実務経験が受験要件から撤廃され、大学卒業などの学歴さえあれば誰でも受験が可能になりました。さらに、合格後必要な実務経験を積めば、免許登録することができる制度に変更されました。

■ 若者の参入が活発化!合格率も上昇

この改正により、学生や若い世代が試験に挑戦しやすくなり、受験者数は増加傾向にあります。2020年試験では20%を超える増加率を記録し、2023年試験では過去最多の3万7907人が受験しました。

■ 合格率も上昇!20代合格者が65%超

受験者数の増加だけでなく、合格率も上昇しています。2023年試験では合格率が10.6%となり、3年連続で上昇しています。特に目覚ましいのが若者の合格者数の増加です。2023年試験では、合格者全体の64.9%が20代と、若者が試験を牽引しています。

■ 改正が人材不足解消に貢献

1級建築士は、建築設計や工事監理など、建築業界において重要な役割を担う専門家です。近年、建築業界では人材不足が深刻化しており、今回の改正は人材確保に大きく貢献しています。

■ 今後も更なる飛躍が期待される

改正からまだ3年という短い期間ですが、試験制度の改革は確実に成果を上げています。今後もさらなる受験者数の増加と合格率向上が期待され、建築業界全体の活性化に繋がることでしょう。

本記事では、1級建築士試験の受験資格変更について分かりやすく解説しました。建築業界を目指す方や、キャリアアップを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。 ➡1級建築士