資格名

テクニカルコミュニケーション技術検定試験
※略称「TC技術検定」

資格の種類

民間検定試験 

主催者

テクニカルコミュニケータ-協会

資格の概要

「TC技術検定」を主催するTC協会が目指すものは、
(1)「使用説明」の品質向上によって、誰もが安全かつ簡単に最新の技術を利用することができ、仕事や生活の質を高めることができる 社会の実現 。
(2)TC技術の発展と普及を促し、その応用範囲の拡大を図ること。などとされています。
「テクニカルコミュニケーション技術検定試験」によって、テクニカルコミュニケーション技術の到達度を統一的な基準で検定し、技術の向上や人材の育成に活用することを目的に「TC技術検定」は実施されています。
分かりやすく言えば、この試験は取扱説明書やその他の使用説明の制作実務に携わる人々を対象とした、特殊な業界向けの試験で、商品の使用方法やサービス、技術などの情報を適切に表現し、ユーザーに伝える技術を検定する試験です。

TC技術検定試験は、現在は以下の2等級、3種類の試験によって構成されています。
・3級 テクニカルライティング試験[TW]
・2級 使用情報制作ディレクション試験[DR]
・2級 使用情報制作実務試験[MP]
・1級(詳細検討中)

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【試験のレベルと対象】
●3級テクニカルライティング試験(TW)
使用説明の作成に携わる人々だけでなく、実用文の作成に役立つ日本語作文技術を高めたいすべての人を対象とする試験。
●2級使用説明制作ディレクション試験(DR)
マニュアル制作業務におけるディレクションや制作マネジメントを中心とする実務を対象とする試験。マニュアル制作をはじめとするTC実務領域において、企画・設計やツールやデータの基盤整備・運用管理などの業務が支障なく遂行できるスキルレベルを認定します。
●2級使用説明制作実務試験(MP)
テクニカルライターなど、取扱説明書やその他の使用説明の制作実務に携わる人々を対象にする試験。印刷媒体の使用説明制作を中心に、表現設計から執筆、作図、デリバリーにいたるまでの各工程の業務や、カラー表現、翻訳・多言語展開などの業務を支障なく遂行できるスキルレベルを認定します。

試験の合格率・難易度

難易度
  3級テクニカルライティング(TW)試験  「B-下」  普通の下位  

【資格の難易度レベル】
この試験の受験対策で必要なことは、「日本語スタイルガイド」を徹底的に読み込むこと、特に不得意分野に集中して巻末の問題を解く。記述問題は難易度が高い。
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●合格率 
  2020年冬 TC技術検定試験結果
   3級TW試験/2級DR試験 受験者数285名
   3級(TW)試験 合格率59.4% 受験者数249名 合格者数148名
   2級(MP)試験 合格率22.2% 受験者数36名 合格者数8名

※参考データ
・2019年夏 TC技術検定試験結果
  3級TW試験/2級DR試験 受験者数298名
  3級(TW)試験 合格率48.8% 受験者数256名 合格者数125名
  2級(MP)試験 合格率28.6% 受験者数42名 合格者数12名
・2017年夏 TC技術検定試験結果
  3級TW試験/2級DR試験 受験者数 341名
  3級(TW)試験 合格率74.0% 受験者数285名 合格者数211名
  2級(MP)試験 合格率17.9% 受験者数56名 合格者数10名
・2017年冬 TC技術検定試験結果 
   3級TW試験/2級DR試験 受験者数428名
   3級テクニカルライティング(TW)試験 合格者数151名
   2級使用情報制作実務(MP)試験 合格者数8名

試験の内容・勉強法

テクニカルライティング試験は取扱説明書やその他の使用説明の制作実務に携わる人々を対象とした、特殊な業界向けの試験ですが、仕事で扱うすべての文書は、必ず誰かに向けて発信されるもので、文法や文の知識だけでは文書は作成できません。何のために、何を、どう説明するか、日本語を見直し、伝わる文書力を磨くことが必要になります。 マニュアル制作などの実務経験が豊富であっても、テキストをしっかりと勉強しなければ試験の合格は困難です。

テクニカルライティングを勉強し、習得するためには、まずセミナーに参加することから入るといいでしょう。「テクニカル・ライティング公開セミナー」がいくつかありますが、セミナーでは効果的な英文文書を書くために必要な論理構成など、コミュニケーション技術が習得できます。英語を実務で使用していて、生のデータから文書を作成する必要のある方や、翻訳家の方で、より高いレベルの翻訳を目指す方などにも最適です。
「日本テクニカルコミュニケーション協会」の公開セミナーや、東京外国語センターの「テクニカルライティング公開セミナー」、ミシガン大学集中セミナーや早稲田大学の検定試験対策講座などがあります。



セミナー受講後はテクニカル・ライティングに関する書籍を選んで読みますが、適切な参考書だけを選択して読むことが大事です。また通信教育を受講することもおすすめです。日本テクニカルコミュニケーション協会が主催している「科学・工業英語(基礎)、(実務)講座」などもいいでしょう。さらに、関心のある方は日本テクニカル・コミュニケーション協会が、テクニカル・ライティングの普及活動を行っています。2ヶ月に1回くらいの割合で例会が開催され、テクニカル・ライティングについて勉強し情報交換をしていますので参加することもできます。モチベーションを高めるためにはいい方法です。

製品やサービスのユーザーが求める情報を的確に提供するために、テクニカルコミュニケーターは多面的なテクニカルコミュニケーション技術を身に付ける必要があります。
例えば、取扱説明書(マニュアル)ならば以下のようなことが挙げられます。
・製品やユーザーに関する多様な情報を集め、分析する
・伝達媒体の特性に応じて、最も効果的な冊子を企画する
・どのような順序で情報を伝えればよいか、最適な構成を決める
・ユーザーの視点から見て、読みやすくわかりやすい説明文を書く
・理解を促進するための図や画像を作成する
・誌面や画面に表示する情報の配置をデザインする
そして、完成した取扱説明書がユーザーに役立つものになっているか、改善すべき点がないか、を適正に評価することです。最近は使用説明の多様化が進んだことで、TC技術の適用分野が広がり、必要な技術的知識やスキルも大きく変わりつつあります。とくに、Webをはじめとする電子的な伝達媒体を効果的に取り入れた情報提供においては、最新のITツールやネットワーク技術の活用が不可欠なものになりますので十分な知識と理解が必要になります。

TC技術検定の受験対策としては、テクニカルコミュニケーター協会の「TC検定試験 受験対策セミナー」は、ベテラン講師が試験範囲の解説やガイドブックの学習ポイントなどのほか、テストの要点を説明してくれます。また、直近のテスト問題に限りなく近い問題がプリントされた例題なども配布されますので、ムダな時間が節約でき、効率的に受験勉強ができます。出題傾向や出題形式を知りたい方、短時間で密度の濃い学習を希望される方には最適なセミナーです。

試験日程

●試験の実施時期
・3級テクニカルライティング試験[TW]試験  (年2回実施:冬・夏)
・2級使用情報制作実務試験[MP]試験     (年1回実施:冬)
・2級使用情報制作ディレクション試験[DR]試験(年1回実施:夏)

2023年度TC技術検定試験日程
2023年夏の試験は3級 テクニカルライティング試験[TW]です。

受験資格

●3級テクニカルライティング試験(TW)
 受験資格の制限はありません。
 審査項目に記載の能力を身につけたいという方であれば誰でも受験することが可能です。
●2級使用情報制作ディレクション試験(DR)/2級使用情報制作実務試験(MP)
 3級[TW](2010年以降)の合格者
 2級[DR]または[MP](2010年以降)の合格者

試験会場

 東京・大阪・名古屋・福岡

受験費用

・3級テクニカルライティング試験(TM):TC協会会員8,650円、非会員12,960円
・2級使用説明制作ディレクション試験(DR)/2級使用説明制作実務試験(MP):
 TC協会会員14,040円、非会員21,600円

試験方式

●3級テクニカルライティング試験 試験時間 90分  
  出題方式:択一式と全て記号を選ぶ選択形式の学科試験  
●2級使用情報制作ディレクション試験
  出題形式:知識を問う多岐選択式の学科問題と、総合的なスキルを問う実技問題(多岐選択式や記述問題)
●2級 使用情報制作実務試験  試験時間 学科60分/50問  実技90分・5課題
  出題形式:知識を問う多岐選択式の学科問題と、総合的なスキルを問う実技問題(多岐選択式や記述問題)

試験科目

●TC技術検定 3級テクニカルライティング試験[TW]  basic Technical Writing
・日本語の表記、文法、用字・用語を含む日本語スタイルガイドやライティング技術
・ライティング技術を深めるために必要なテクニカルライティング技術の要点(情報理解と文脈の組み立て、推敲とリライト、読み手を考えたライティング技術)、テクニカルコミュニケーション技術の基礎(表現設計、文書の構造化、ライティングツール、コンプライアンスなど)が試験範囲に含まれます。
●TC技術検定 2級 使用情報制作ディレクション試験[DR]  Direction of producing instructions
・新しい使用説明の制作実務に基づき、印刷媒体および画面表示の制作ディレクション業務に必要な知識およびスキル
・使用説明の制作工程のうち、企画・設計や構成・表現設計などの上流工程、および制作基盤の整備や運用管理に必要な知識
●TC技術検定 2級 使用情報制作実務試験[MP]  professional Manual Production
印刷媒体の使用説明制作を中心に、表現設計から執筆、作図、デリバリーにいたるまでの各制作工程のほか、複数の工程に係わる品質管理、カラー表現、翻訳・多言語展開、画面表示への展開などの知識と技能、制作ツール、コンプライアンス、社会的配慮、規格と標準化、認知科学などの分野に関する知識
●TC技術検定1級
※現在、資格内容、取得条件、試験形式など制度の設計中です。
前提資格として、2級試験[DR][MP]の合格者を対象とする予定です。使用説明の制作またはディレクション業務における10年程度の実務経験を目安として、社会変化に応じて、世界標準の多様なメディアで効果的な情報伝達を実現す るための知識や実務経験を問う試験となる予定です。

試験関連情報

問い合わせ先

一般財団法人 テクニカルコミュニケーター協会  https://www.jtca.org/
〒169-0074東京都新宿区北新宿4-22-15
TEL:03-3368-4607

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