資格名

法務省専門職員(人間科学)

資格の種類

国家公務員

主催者

法務省

資格試験の概要

法務省における人間科学の知識が必要な官職に従事する職員を採用するため,平成24年度に新設された採用試験です。
試験区分は、「矯正心理専門職区分」、「法務教官区分」、「保護観察官区分」の3区分あり、職種によって業務の対象や勤続先が異なります。

矯正心理専門職は、法務技官として非行を犯した少年や受刑者を対象に、面接や心理検査などを通じて改善更生をサポートします。また、法務教官の場合は、少年院や少年鑑別所に収容されている受刑者が対象となり、健全な心身の育成や社会適応力の習得などを指導します。保護観察官は、地方更生保護委員会や保護観察所に配属され、犯罪を犯した人や非行のある少年の再犯・再非行を防ぐ業務に従事します。
採用試験は、矯正心理専門職区分と法務教官区分については男女別に募集されます(教官Aは男子、教官Bは女子)。
また、それぞれの区分を重ねて受験することはできません。

※勤務地について
・矯正心理専門職区分と法務教官区分の合格者は、基本的には少年院、少年鑑別所、刑事施設での勤務になります。勤務先は矯正管区(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡)の管轄地域内になりますが、決定は希望を考慮しておこなわれます。
保護観察官は、地方更生保護委員会(札幌、仙台、さいたま、名古屋、大阪、広島、高松福岡、那覇)や保護観察所(全国各地)での勤務になります。
※全国に少年院は52庁、少年鑑別所は51庁が設置され、それぞれ約2,200人、約800人の法務教官が勤務しています。その他、法務省専門職員(人間科学)採用試験の各区分についての詳細はこちらで確認できます。 ⇒法務省専門職員(人間科学)採用試験 



合格率・資格難易度

難易度
  「A」   難関 

【資格の難易度レベル】
公務員試験の一般的な難易度ランキングは、国家総合職 →国家一般職・国家専門職・裁判所職員 → 地方上級職 のようですが、試験の難易度は受験年度や試験区分などによっても変わるため、特に国家一般職と国家専門職、地方上級職の中では試験によっては一般職と同等、または一般職を上回る難易度の国家専門職や地方公務員上級職試験もあるのが実状です。その一つが国家専門職の「法務省専門職員(人間科学)」採用試験です。難易度レベルが一般職と同程度かそれ以上で、国家専門職の中でも独学での突破が一番難しい試験と言えます。国家公務員試験全般的に言えることですが、どの試験も公務員試験対策のテキスト等を利用して独学でチャレンジすることはできますが、法務省専門職員採用試験をオール独学での突破はちょっと厳しいでしょう。独学でチャレンジすることが得意で自分だけの独学ノウハウを持っている人以外は、予備校を利用したほうが近道でしょう。専門試験(記述式)や面接試験対策だけ予備校を活用し他は独学で、という手もありますが、お金があれば予備校に通うことをお勧めします。

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合格率  
令和4年度 法務省専門職員(人間科学)試験結果  
 最終結果 申込者数 2,112名 合格者数 493名 合格率 23.3% 
・令和3年度 法務省専門職員(人間科学)試験結果  
 最終結果 申込者数 2,131名 合格者数 532名 合格率 24.9%
・令和2年度 法務省専門職員(人間科学)試験結果  
 最終結果 申込者数 2,249名 合格者数 586名 合格率 26.0% 
・令和元年度 法務省専門職員(人間科学)試験結果  
 1次 申込者数合計 2,304名(795名) 合格者数 755名(307名) 
 最終結果 最終合格者数 合計442名(198名) 
・平成30年度 法務省専門職員(人間科学)試験結果  
 1次 申込者数合計 2,366名(887名) 合格者数 794名(335名) 
 最終結果 最終合格者数 合計475名(228名) 
・平成29年度 法務省専門職員(人間科学)試験結果    
 1次 申込者数合計 2,525名(915名) 合格者数 611名(208名) 
 最終結果 最終合格者数346名(139名) 
・平成28年度 法務省専門職員(人間科学)試験結果   
 合格者数765(269) 最終合格者 435(159) 倍率5.9
 保護観察官 申込者数429(240) 
 合格者数86(47) 最終合格者 55(31) 倍率7.8

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受験対策・学習法ほか

公務員試験に合格するためには、ある程度テキストや通信講座などで基礎知識をつけたら、あとは問題演習あるのみ、という考え方が一般的になっているようです。従って、あとは「できる限り繰り返すこと」、これに尽きます。問題は「面接対策」です。対策本を読むと自己分析のことなどをいろいろ書いていますが、一番の対策は聞かれそうな質問をあれこれ想定し、その答えを事前に考えておくということです。考えられる質問と答の概要をメモし、反応良く答られるようにしておくことが大切です。

受験生に教員試験にパスできなかった教育学部の学生が多いように、1次試験の「専門試験」の社会学や心理学、教育学は、小学校の教員試験向けの問題集が役に立ちます。1冊購入して丸覚えするつもりで隅から隅まで覚える勉強が効果的です。試験対策は、ほとんどの人が公務員資格スクールを利用しているようです。公務員試験では全般的に言えることですが、オール独学での突破は難しいと思って間違いありません。
1次試験と2次試験をパスしたら採用試験に合格ですが、しかし、それだけで即採用というわけではありません。合格後は採用候補者名簿に得点順に名前が掲載されます。その後、希望管区に面接に赴きます。そして、最終的にその施設から内定がもらえれば、その時点で正式採用となります。また、採用された後は、約3ヶ月間の基礎科研修があります。

採用後は、1週間の勤務時間は38時間45分です。1日は8時間程度の勤務と交替制勤務を行う場合があり、週休2日制になります。国家公務員の平均年収は約670万円。宿舎は勤務地近辺にあり、家賃は原則無料になっています。
勤務地については基本的に本人の希望が考慮されるため、採用管轄内での異動が中心になります。 希望と全く違う勤務地に行かねばならないことほとんどありません。

受験資格

●矯正心理専門職
 (1)試験年度の4月1日における年齢が、21歳以上30歳未満の者
 (2)試験年度の4月1日における年齢が、21歳未満の者で次に掲げるもの
  ア 大学を卒業した者及び試験年度の3月までに大学を卒業する見込みの者
  イ 人事院がアに掲げる者と同等の資格があると認める者
 (3)(1)または(2)に該当する者のうち、矯正心理専門職Aは男子、矯正心理専門職Bは女子に限る
●法務教官
(1)試験年度の4月1日における年齢が、21歳以上30歳未満の者
(2)試験年度の4月1日における年齢が、21歳未満の者で次に掲げるもの
 ア 大学を卒業した者及び試験年度の3月までに大学を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格が
あると認める者
 イ 短期大学又は高等専門学校を卒業した者及び試験年度の3月までに短期大学又は高等専門学校を卒業する
見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者
(3)(1)または(2)に該当する者のうち、法務教官Aは男子、矯正心理専門職Bは女子に限る
●法務教官(社会人)
 (1)試験年度の4月1日における年齢が、40歳未満の者(但し、法務教官の①の受験資格を有しなくなった者)
 (2)(1)に該当する者のうち、法務教官A(社会人)は男子、法務教官B(社会人)は女子に限る
●保護観察官
 (1)試験年度の4月1日における年齢が、21歳以上30歳未満の者
 (2)試験年度の4月1日における年齢が、21歳未満の者で次に掲げるもの
 ア 大学を卒業した者及び試験年度の3月までに大学を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の
資格があると認める者
 イ 短期大学又は高等専門学校を卒業した者及び試験年度の3月までに短期大学又は高等専門学校を卒業する見込み
の者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者

試験方式

【矯正心理専門職A・B】
【法務教官A・B】
【保護観察官】

●第1次試験
・基礎能力試験 (多肢選択式)出題40題/2時間20分
・専門試験 (多肢選択式)出題40題/2時間20分
・専門試験 (記述式)出題1題/1時間45分
●第2次試験
・人物試験 (個別面接)
・身体検査 主として胸部疾患、その他一般内科系検査
・身体測定 視力についての測定

◆合格基準
第1次試験の合格は基礎能力試験及び専門試験(多肢選択式)の結果によって決定されます。
また、専門試験(記述式)は第1次合格者を対象として評定した上で、最終合格者の決定に反映されるものです。
●第1次試験の合格者:
筆記試験において満点の30%に達しない試験種目が一つもない場合、礎能力試験および専門試験の標準点を合計した得点に基いて決定します。
●最終合格者の決定
 ・矯正心理専門職 ・法務教官
人物試験においてA~Cの評価で身体検査および身体測定に合格した者について、第1次試験を含む全ての試験種目の標準点を合計した得点に基づいて最終合格者を決定します。
 ・保護観察官
人物試験においてA~Cの評価である者について、第1次試験を含む全ての試験種目の標準点を合計した得点に基づいて最終合格者を決定します。

試験科目

●1次試験
・基礎能力試験 (多肢選択式)
公務員として必要な基礎的な能力(知能及び知識)についての筆記試験 知能分野27題/文章理解11題/判断推理8題/数的処理5題/資料解釈3題/知識分野13題/自然・人文・社会(時事を含む13題
・専門試験 (多肢選択式)
法務省専門職員(人間科学)として必要な専門的知識などについての筆記試験
【矯正心理専門職区分】60題出題/40題解答
【法務教官区分、保護観察官区分】40題出題/40題解答
・専門試験(記述式)
法務省専門職員(人間科学)として必要な専門的知識などについての筆記試験
【矯正心理専門職区分】心理学に関連する領域1題
【法務教官区分、保護観察官区分】選択問題

●2次試験
・人物試験(個別面接)人柄・対人的能力
・身体検査 主に胸部疾患その他一般内科系検査
・身体測定 視力測定

スケジュール

・試験日: (1次試験)6月上旬 (2次試験)7月上旬の指定日
・申込期間:
インターネット:3月上旬~中旬頃までの3週間程度
・合格発表: 1次試験 6月下旬  2次試験 8月中旬
※申込みは原則としてインターネット申し込みです。受付期間中に下記のインターネット申込専用アドレスへアクセスして、事前登録と申し込み手続きを完了させます。 
http://www.jinji-shiken.go.jp/juken.html
郵送での申し込みもできますが、受付期間が短いので注意が必要です。

       2024年度法務省専門職員採用試験案内

試験会場

●矯正心理専門職・法務教官・法務教官(社会人)
・1次試験
札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、広島市、高松市、福岡市、那覇市
・2次試験
札幌市、仙台市、さいたま市、名古屋市、堺市、広島市、高松市、福岡市、那覇市

●保護観察官
・1次試験
札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、広島市、高松市、福岡市、那覇市
・2次試験
札幌市、仙台市、さいたま市、名古屋市、大阪市、広島市、高松市、福岡市、那覇市

受験料

無料

問い合わせ先

人事院人材局試験課
〒100-8913 東京都千代田区霞が関 1-2-3
電話番号:03-3581-5311(代表)
内線 2332・2935(大学院・大学卒業等程度の試験)
内線 2333(高等学校卒業程度の試験)
FAX番号:03-3581-6755 

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