資格名

初級 地方公務員
※地方公務員試験の採用区分の名称は地方自治体により異なり、「初級」や「Ⅲ類」、「高校卒業程度」などと呼称されている。

資格の種類

公的資格

主催者

各地方自治体の人事委員会

資格試験の概要

地方公務員になるには自治体ごとに実施する公務員採用試験に合格しなければなりません。
地方公務員の場合、一般的な事務や技術的業務に従事する職員を採用する試験を、上級(大学卒程度)・中級(短大卒程度)・初級(高校卒程度)に区分している場合が多いですが、その中で、地方公務員初級試験(都道府県・政令指定都市)で採用される職種は事務区分と技術系区分があります。都道府県の場合は、一般事務、警察事務、学校事務、農業、土木、農業土木、林業、電気、機械、建築、警察官、女性警察官、交通巡視員など。また、政令指定都市の場合は、一般事務、学校事務、土木、電気、機械、建築、消防などがあります(短大卒以上を対象に、保育士・栄養士・司書・保健師などもある)

・事務系:本庁や出先機関において、庶務・経理・政策遂行などを担当します。行政事務・学校事務・警察事務などの区分があります。
・技術系:電気・機械・土木・建築などの専門知識を活かした職務に従事します。
・警察官:採用は各都道府県単位で行われ、他の職種とは別に採用試験が実施されます。
・消防官:採用は市町村単位で行われる。(東京消防庁は都単位)

※地方公務員試験には【高卒程度・短大卒程度・大卒程度】の試験区分があり、自治体によっては【上級・中級・初級】や【Ⅰ類・Ⅱ類・Ⅲ類】などと、その呼び方は異なります。
その他、警察官、消防官、資格免許職(保育士や栄養士など)の試験があります。



合格率・資格難易度

●難易度  
  「C」  やや易 

【資格の難易度レベル】
地方公務員試験の種類は、初級・中級・上級と分けられます。
試験の難易度は、初級が高卒程度、中級が短大卒程度、上級が大卒程度とされています。初級は、高卒程度の学力と言われますが、学力の高い高校生が頑張って勉強して、やっと合格できるようなレベルと考えてよいでしょう。ただ、大卒者が初級を受けることも多いので、競争率が高い試験になります。また、試験によって難易度も異なります。
地方上級は一般的に難易度が高く、地方初級は比較的簡単、という傾向があります。初級の難易度レベルは高校卒業/大学受験レベル程度と考えていいでしょう。

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●合格率
 令和4年度 地方初級(高卒程度)
 ・東京都(3類事務)の結果
   受験者数682名 最終合格93名 倍率7.3

※参考データ
令和3年度 地方初級(高卒程度)東京都(3類事務)の結果
  受験者数574名 最終合格39名 倍率14.7
・令和2年度 地方初級(高卒程度)東京都(3類事務)の結果
  受験者数670名 最終合格62名 倍率10.8
・令和元年度 地方初級(高卒程度)東京都(3類事務)の結果
   受験者数909名 1次合格175名 最終合格70名 倍率13.0
・平成30年度 地方初級(高卒程度)東京都(3類事務)の結果
       受験者数1,090名 1次合格183名 最終合格85名 倍率12.8
・平成29年度 地方初級(高卒程度)東京都(3類事務)の結果
  受験者数1,001名 1次合格190名 最終合格85名 倍率11.8
・平成28年度 地方初級(高卒程度)東京都(3類事務)の結果
   受験者数1,049名 1次合格188名 最終合格93名 倍率11.3

受験対策・学習法ほか

初級地方公務員試験の内容は、一般知能と一般知識に分けられています。
1次試験が筆記試験、2次試験が人物試験で 人柄、対人的能力などに関する個別面接 、さらに身体検査で胸部疾患、尿、その他一般内科系検査などです。これは 中級地方公務員試験・上級地方公務員試験においてもほぼ同様です。
1次試験では公務員として必要な一般的な知識及び知能に関する筆記試験で、高校までに学習した歴史や理科などの科目が出題されます。この第1次試験を攻略できるかどうかが初級地方公務員試験での合否の大きなポイントとなります。
特に最近の傾向としては、人物試験 人柄、対人的能力などに関する個別面接にウエイトを置いている自治体が増えてきているようです。また、身体検査、 胸部疾患、尿、その他一般内科系検査も大事なポイン トです。健康には充分留意しましょう。
試験対策としては、高校時代の教科書や参考書の見直しを中心に、新聞の政治や経済面、国際面などを読み、広く浅く学び、習得するクセをつけることが大切です。また、面接は重要であるにもかかわらず、面接対策のよい方法がないのが実状です。そこで、予備校を利用します。予備校などでは模擬面接を行っているため、活用してみると大変勉強になります。
地方公務員をめざすとき、試験勉強にも劣らず大事なのが、”志望する自治体のことをよく知ること”です。各自治体の特徴や自治体の抱える問題点などを事前に十分に把握しておかねばなりません。




一方、地方公務員初級でも警察官・消防官の採用は各都道府県単位で行われ、他の職種とは別に採用試験が実施されます。試験は数学や現代文といった科目の一般と、法律などの専門で成り立っているマークシート形式の1次試験は科目や内容を知り、問題対策を立てて取り組むことです。難易度は、地方公務員試験上級を受けるか中級・初級を受けるかによって変わってきますが、決して低くはありません。専門学校や予備校などで試験対策を受けられる人は活用するべきでしょう。試験合格後に就ける公務は、行政などの事務系と、地域の特性と必要に応じた技術系に分かれているのが一般的です。事務系は中級(II類)と同様で都道府県庁の行政事務、公立学校・病院事務、警察事務などです。技術系は農林、土木、建築などの分野で、そこでスペシャリストとして活躍することになります。いづれも地域に密着した仕事ができ、その安定性が魅力で人気が高まっています。

”公務員になりたい”、と考えたら、公務員にはどんな職種、どんな仕事があるのかを一番に調べてみることです。さらに、自分が受験する試験の職種や区分、試験の難易度などを調べて、試験科目をよく理解しておくことから始めることが大切です。

受験資格

●日本国籍を有する者。
●年齢制限などは各自治体によって異なります。
※学歴規定を設けている自治体が多く、大半の自治体で大学卒業(見込)者は受験できません。
※自治体により異なりますが、試験が行われる年の4月1日現在の年齢が18才~21才程度を設けているところが多い。
※学歴は不問とありますが、高校卒業程度を目安にしていると考えてよいでしょう。
※警察官、消防官は年齢要件、学歴要件に加えて身体基準(視力や身長など)があります。

試験方式

●自治体や試験区分で異なりますが、おおむね以下のような試験を行うところが多いようです。
①教養試験
②専門試験(土木、建築、機械などの各職務に必要な専門知識)
③論文、作文
④適性検査
⑤口述試験(個別・集団面接)
⑥身体検査
●試験方式
1次試験・2次試験方式が多く、1次試験ではマークシート(多肢選択式、択一式)式の筆記試験、2次試験で面接の場合が多いです。
 ・1次試験
  各自治体によって異なりますが、一般的には教養試験・適性試験(事務系)が行われます。
  ※技術系や有資格者対象の試験は専門試験・作文試験が実施されます。
 ・第2次試験
  各自治体によって異なりますが、一般的には面接試験(個別面接)を中心に、適性試験(クレペリン検査・YG検査など)や身体検査などが行われます。また、作文試験が2次試験で実施される自治体もあります。

試験科目

道・府・県・政令指定都市の初級採用試験は、試験の問題の作成・採点等に関しては、ほとんど日本人事試験研究センターに委託され、中級(II類)と同様、同一の試験日程で実施されます。
地方自治体はそれぞれ個別に試験を行いますが、出題に関しては共通問題も多く、共通性と独自性によって、おおまかに全国、関東、東京都、大阪府、東京 特別区、関西・東海パターンの6つに分かれています。例えば、一番採用の多い都道府県の「全国パターン」では、一般知識25題と一般知能25題/試験時間120分で行われ、このうち一般知識は、社会科学、人文科学、自然科学の3分野で構成されています。

●一般知識
主に知識を問う問題で、高校までに学習してきた科目で構成されています
●一般知能
判断推理、数的推理、文章理解、資料解釈で構成されています。
また、すべての地方公務員試験の2次試験では、必ず面接が行われます。
最近は人物重視という傾向が強く、面接試験の配点を高くして、筆記の結果 とあわせて合否を決めるという方法が採用されているようです。面接の所要時間は約15~25分位で、面接官は3~5人位。面接では、主に受験者の人間性やコミュニケーション能力などを見ています。
面接でよく聞かれる質問は、1分程度の自己PRや公務員を選んだ志望動機、自分の長所と短所、「公務員になったら何がしたいか」などが多いようです。

スケジュール

各自治体によって異なります。一般的には下記の日程になります。
・受付期間:8月上旬~9月上旬
・第1次試験日:9月下旬の日曜日
・第2次試験日:10月
・最終合格発表日:10月中旬~12月上旬(各自治体や試験区分によって異なる)

令和5年度地方公務員採用試験日程(東京) 
令和5年度地方公務員採用試験日程(大阪) 

 ➡ 国家・地方公務員採用試験 問合せ先一

試験会場

試験実施会場は自治体によって異なります。(指定の試験場)

受験料

無料

問い合わせ先

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