資格名

臭気判定士

資格の種類

国家資格

主催者

社団法人におい・かおり環境協会

資格試験の概要

悪臭防止法に基づき創設された国家資格。悪臭防止法により臭気指数規制が導入され、臭気判定士はこの測定法による測定を管理・統括する責任者であり、臭気の濃さの正しい測定、評価により、環境保全に貢献する臭気環境分野で初めての国家資格です。一般的には工場などの悪臭について、周辺住民からの苦情などがあったりした場合、行政やその委託機関が調査する際、臭気判定士資格を持った人が判定業務を行わなければなりません。

臭気判定士試験と嗅覚検査に合格すれば、嗅覚検査の合格証と筆記試験の合格証を免状申請書に添えて申請します。資格の名称はマイナーですが、環境省がはじめて1995年に設置した比較的新しい国家資格で、今後の環境のあり方を示す資格でもあります。
においの測定方法には分析機器による測定法と、人の嗅覚を用いる嗅覚測定法の2通りありますが、においには機械などで認識できるものと、できないものがあって、機器だけでの判別が難しく、その一方で一般的な人の「感覚だけ」の判定とならないように、資格試験では筆記と実技両方のテストに合格しなければなりません。

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臭気判定士は嗅覚測定法を行うための臭気環境分野で初めての資格です。パネルの選定、試料の採取、試験の実施、結果の求め方まで全てを統括します。
仕事は自治体からの委託を受け、工場・事業所からのにおいを測定するのが主な仕事です。環境保全の必要性が高まりつつある現状では、ISO14001の取得に取り組む企業が自主的な環境管理のために資格を取得するケースも増加しています。

合格率・資格難易度

難易度 
  「B」   普通  

【資格の難易度レベル】
臭気判定士資格は嗅覚測定法を行うための資格であり、パネルの選定、試料の採取、試験の実施、結果の求め方まで全てを統括することが求められる試験であることを認識しておかねばなりません。従って、どの科目もまんべんなく基準値以上の点数を取らなければなりません。ただ、多くの問題は、過去問より語句の一部を変えた形での出題が多く、過去問を十分にやっておくことが大切です。臭気指数など、少々難解な計算問題も出題されますので、確実に解けるように、しっかりと試験対策をしておけば誰でも独学で合格は可能なレベルの試験です。
最近では実務を問う問題が出題される傾向が見られます、この傾向が強くなれば、実務経験のない人には非常に厳しい試験になります。出題傾向などを見て、どうしても不安のある方は協会が主催する講習を受講することを検討してもいいと思います。 

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●合格率  
  令和3年度臭気判定士試験結果 
   合格率 29.0% 受験者483人 合格者140人 

※参考データ
・令和2年度臭気判定士試験結果 
   合格率 30.9% 受験者472人 合格者146人 
・令和元年度臭気判定士試験結果 
   合格率 24.8% 受験者505人 合格者125人
・平成30年度臭気判定士試験結果 
  合格率 25.3% 受験者522人 合格者132人
・平成29年度臭気判定士試験結果 
  合格率 24.0% 受験者563人 合格者135人
・平成28年度臭気判定士試験結果
  合格率 28.5% 受験者590人 合格者168人 

受験対策・学習法ほか

臭気判定士試験と嗅覚検査に合格すれば「臭気判定士」になれます。臭気判定士の勉強をする学校は全国的に見ても、ほとんどありません。そのため基本的には自分で学習をすることになりますが、参考書のみの独学でも十分合格は可能です。 試験対策は、受験科目5科目について、6冊の参考図書及び2種の参考資料が決められていますので、参考図書を勉強するのが一番です。合格者は参考書で独学にて勉強された方が半分、臭気判定技術講習会での講習受講者が半分くらいの割合です。基礎的なことから学びたい人や、範囲が広く、どこから手をつけていいのか分からないと思う方は、協会の臭気判定技術講習会を受講するとよいでしょう。



筆記試験では、基礎的な知識として、嗅覚測定法はもちろんのこと、人間の嗅覚生理に関する知識、結果のまとめに必要な統計学や、悪臭防止行政における臭気対策に関する知識等幅広く要求される内容です。中でも難解なのは、関係法や統計解析の知識が必要とされるだけでなく、回答の選択肢も消去法がきかない構成になっているため、全てを正確に理解していないと合格できないところです。尚、嗅覚検査とは、1~5までの番号が書かれた5本のにおい紙のうち、基準臭液により、においの付いた2本の「におい紙」を嗅ぎ当てる方法で、5種類の基準臭について、においの付いたにおい紙を嗅ぎ当てられるかどうかを判定するものです。臭気判定士だから犬のように鼻が利く必要があるわけではありません。普通の嗅覚レベルであれば問題ありません。

2019年末現在で、約3300名の臭気判定士の方が全国で活躍しています。科学系、医療系など研究系。民間の臭気測定機関、環境調査会社など、主な就職先は理系の業種になります。他には、公的機関の環境・公害対策部門なども主な活躍の場となります。
また、「環境系」唯一の国家資格なので、最近ではISO14000の取得に取り組む企業が、自主的な環境管理のためにこの資格の取得者を求めるケースもあるようです。
市町村などの自治体や公的機関が実施する臭気判定には、この資格の取得者しか携われない独占業務になっています。

受験資格

試験日において、18歳以上の者(性別、学歴、実務経験などは、一切ありません)

試験方式

筆記試験と嗅覚検査から構成されています。
●筆記試験:五肢択一形式マークシート方式(計算機等の持込み禁止)。

参考:令和3年度臭気判定士試験の合否判定基準は、次のとおりです。
(1)総合得点率70%以上
(2)各科目別最低得点率 33%以上ただし「臭気指数等の測定実務」については、問31~38の8題(多肢択一)は33%以上、問39~44の6題(数値解答)は66%以上

試験科目

●筆記試験
1.嗅覚概論
・ヒトの嗅覚の仕組みやにおいの役割などに関する事項
・嗅覚閾値、嗅覚順応など、嗅覚の基本的な特性に関する事項
・におい物質やその化学的性に関する事項
2.悪臭防止行政
・悪臭防止法、施行規則、告示等の内容とその運用に関する事項
・地方自治体の条例による規制及び指導と法令との関係に関する事項
・臭気発生源及び悪臭防止対策の基礎的な知識などに関する事項 
3.悪臭測定概論
・機器測定法、臭気測定法全般に関する事項
・特定悪臭物質や臭気指数、臭気排出強度等に関する事項
・嗅覚測定法に関する基本的な考え方と各種の測定方法に関する事項
・悪臭調査の基本的考え方
4.分析統計概論
・統計の基本的な考え方に関する事項
・度数分布、代表値、散布度、単回帰、相関等のデータの基本構造に関する事項
・統計的推定、統計的仮説検定等に関する事項
2点試験法、3点試験法等、臭気測定データの統計的処理に関する事項
5.臭気指数等の測定実務
・パネルの選定とその管理に関する事項
・測定に使用する器材とその取り扱いに関する事項
・試料採取方法に関する事項
・判定試験の実施に関する事項
・臭気指数等結果の求め方に関する事項
・脱臭効率の計算、臭気排出強度の計算など測定結果の解析に関する事項
※5科目について、6冊の参考図書及び3種の参考資料があります。参考資料の詳細はこちら
●嗅覚検査
・臭気指数等の測定に係わる嗅覚の適格性について行われる。所要時間は10~15分位。
※検査は、筆記試験合格前でも受験可能で検査合格後1年間有効。全国各地の委託検査機関で受験できる。

スケジュール

●試験実施:例年11月中旬の1日
●申し込み期間:7月中旬~9月中旬。 


令和5年度臭気判定士試験日程
             

試験会場

東京、大阪、名古屋

受験料

・筆記試験:18,000円   
・嗅覚検査手数料:9,000円
・免状申請:3,500円

問い合わせ先

社団法人 におい・かおり環境協会    http://www.orea.or.jp/
〒101-0031  東京都千代田区東神田2-6-2  TEL:03-5835-0315 

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教材(過去問集)

※過去問題は協会の機関誌(におい・かおり環境学会誌)に掲載しています。購入ご希望の方は機関誌の抜粋版をお求めください。 ⇒ 機関誌抜粋版の注文書 PDF

 

教材(テキスト・参考書)

臭気判定士試験対策教材

【臭気判定士試験 おすすめ教材】
ハンドブック 悪臭防止法 六訂版

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