資格名

メンタルヘルスマネジメント検定

資格の種類

公的検定試験

主催者

大阪商工会議所

資格試験の概要

「メンタルヘルスマネジメント検定試験」は職場でのストレスに悩む人や心の不調による休職・離職の増加を受けて、働く人の心の病を未然に防ぎ健康を増進することを目的とし、働く人たち自身がメンタルヘルスケアの知識を習得し、その習得したメンタルヘルス対策の知識・技術・態度を判定する試験です。2006年度から大阪商工会議所が東京、名古屋など全国主要都市の商工会議所と連携して実施しています。
これからのメンタルヘルス対策は、一般社員、管理職、人事労務管理スタッフ・経営幹部がそれぞれの役割を認識し、メンタルヘルスに関する正しい知識を持つことが求められているため、有効な検定試験と言えます。

試験は、Ⅰ種(マスターコース)・Ⅱ種(ラインケアコース)・Ⅲ種(セルフケアコース)の3つのコース区分から構成されています。
 ・Ⅰ種:企業におけるメンタルヘルス対策の総合的マネジメントに必要な知識・技能を有する人材を対象とする。
 ・Ⅱ種:企業におけるメンタルヘルス対策の基本的な知識・技能を有する人材を対象とする。
 ・Ⅲ種:メンタルヘルスの基礎知識・技能を有する人材を対象とする。

Ⅰ種(マスターコース)は人事労務管理スタッフ、経営幹部対象、Ⅱ種(ラインケアコース)は管理監督者(管理職)対象、Ⅲ種(セルフケアコース)は一般社員・新入社員に対するメンタルヘルス啓発を目的としていますが、一般的な管理職であればII種のラインケアコースが適しています。一方、人事労務に携わる人や、経営幹部層なのであれば、I種のマスターコースに合格するのが望ましいでしょう。セルフケアコース・ラインケアコースは年2回受験可能ですが、マスターコースは年に1回のみの受験となるため、注意が必要です。




合格率・資格難易度

難易度 
  Ⅰ種   「B」 普通   
  Ⅱ種   「C」 やや易  

【資格の難易度レベル】
メンタルヘルスマネジメント検定試験のⅠ種の出題内容は、主に人事管理の観点から相談体制の確立や研修、職場環境などについて出題されます。論述試験もあり、合格率も10%台で難易度も高く、Ⅱ種・Ⅲ種の試験とは別物と考えたほうが良いでしょう。
Ⅰ種試験のポイントは論述試験です。試験時間も長く合格率も15%程度でかなり低く、受験対策はスクールの活用でもいいでしょう。
メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種「ラインケアコース」の難易度については、ある程度この分野の基礎知識が必要な、初級~中級向けの試験と考えてよいでしょう。実務経験はなくても基礎知識をある程度持っている人なら、独学で60~70時間程度集中して勉強すれば合格できるレベルです。Ⅲ種「セルフケアコース」の難易度については、出題範囲がかなり広いだけでなく、その年によってかなり出題傾向が違うため、過去問集を十分こなしておいても、そこからはほとんど出題されない、と思って間違いありません。とにかく出題傾向や試験科目が予測不可能という予想外に難しい試験です。

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合格率 
 2022年度第33回メンタルヘルスマネジメント検定 
 Ⅰ種(マスターコース)
   受験者数1,629名 合格者数287名 合格率17.6%
 Ⅱ種(ラインケアコース)
   受験者数10,998名 合格者数6,401名 合格率58.2%
 Ⅲ種(セルフケアコース)
   受験者数5,458名 合格者数3,787名 合格率69.4%
・2020年度第29回メンタルヘルスマネジメント検定  
 Ⅰ種(マスターコース)
   受験者数1,276名 合格者数272名 合格率21.3%
 Ⅱ種(ラインケアコース)
   受験者数10,343名 合格者数5,840名 合格率56.5%
 Ⅲ種(セルフケアコース)
   受験者数5,046名 合格者数4,361名 合格率86.4%
・2019年度第27回メンタルヘルスマネジメント検定 
 Ⅰ種(マスターコース)
   受験者数1,620名 合格者数252名 合格率15.6%
 Ⅱ種(ラインケアコース)
   受験者数9,936名 合格者数4,302名 合格率43.3%
 Ⅲ種(セルフケアコース)
   受験者数5,248名 合格者数3,501名 合格率66.7%
・2018年度第26回メンタルヘルスマネジメント検定 
 Ⅱ種(ラインケアコース)
   受験者数10,227名 合格者数4,980名 合格率48.7%
 Ⅲ種(セルフケアコース)
   受験者数4,595名 合格者数3,663名 合格率79.7%
・2016年度第22回メンタルヘルスマネジメント検定 
 Ⅱ種(ラインケアコース)
   受験者数9,607名 合格者数6,521名 合格率67.9%
 Ⅲ種(セルフケアコース)
   受験者数4,209名 合格者数3,367名 合格率80.0%

受験対策・学習法ほか

メンタルヘルスマネジメント検定試験のⅠ種・Ⅱ種・Ⅲ種の種類別は、基本的には難易度の差でなく、試験対象の違いです。試験問題は、Ⅲ種、Ⅱ種がマークシート式のみの試験ですが、Ⅰ種だけは、マークシートだけでなく、論文試験もあり、合計3時間という長時間になっています。内容的に細かいところを問う問題が多いですが、出題はテキストに比較的忠実であるため、テキストを細かくチェックすることがポイントになると思われます。Ⅰ種の試験対策は公式テキストを利用して独学での学習でも対応は可能ですが、確実に合格したい人はスクールがおすすめです(スクールの受験対策講座には通学制や通信制もあります)。また、試験直前には大阪商工会議所主催の受験対策講座が、東京・名古屋・大阪などで開催されていますので活用したほうがいいでしょう。
Ⅱ種・Ⅲ種に関しては、普通は公式テキストをしっかりやるのが合格への最短ルートであるとされていますが、この試験に限っては、日本能率協会マネジメントセンターの「メンタルヘルス・マネジメント検定試験 重要ポイント&問題集 」が絶対のオススメです。この問題集をまじめにやれば80~90%OK。直接Ⅱ種受験でも問題ないと思います。(公式テキストは価格も非常に高い)
Ⅱ種・Ⅲ種の受験対策は、基本的には公式テキストと過去問中心の勉強法になりますが、過去問に取り掛かる前に十分テキストを理解しながら読破することが大切です。過去問を徹底的に解き、分からないところや間違ったところはテキストを見直して覚える、ということの繰り返しになります。過去問は3~4周するくらいに取り組まねばならないでしょう。




この試験は、働く人たちの心の疾病を未然に防ぐことに重きを置き、産業保健の視点だけでなく人事労務管理の視点からも構成されているのが特長です。また、職場内のそれぞれの立場の人がメンタルヘルスに対する正しい理解と適切な対応を講じるのに必要な知識・技術・態度を、精神医学や臨床心理学、産業・組織心理学、組織論、労働法学など幅広い分野から体系的に習得できるカリキュラムになっていますので、特に管理職・マネージャー、経営者産業医・保健師カウンセラー・相談員、人事労務担当者など、職場のストレスに関わる方におすすめです。
この検定試験合格だけで就職するのは難しいですが、経営者・人事労務管理就労者および、それを目指す方には注目の資格です。仕事としては、働く人たちの心の病を未然に防ぎ、悩んでいる人への早期のカウンセリング、自身のケア、メンタルヘルスケア人材の育成などでしょう。。
労働環境の変化から働く人のストレスは増長されやすくなり、心の病による休職や離職、自殺の増加が社会問題となってる今、メンタルヘルス・マネジメント検定は非常に注目されている試験です。

受験資格

3つのコースとも学歴・年齢・性別・国籍に制限はない。
希望のコースを受験できる。Ⅰ種とⅡ種、Ⅱ種とⅢ種を同日に受験することも可。

試験方式

通常の検定試験のように1級、2級、3級という難易度別のコースではなく、Ⅰ種、Ⅱ種、Ⅲ種というように対象となる階層別にコースが設定されている。
●Ⅰ種(マスターコース)
・マークシート方式 2時間/100点 論述式 1時間/50点  配点はマークシート方式150点、論述式50点
合格基準 得点の合計が140点以上必要。但し、論述式の得点が25点以上であること。
●Ⅱ種(ラインケアコース) 
・マークシート方式 2時間/100点 配点は100点   合格基準 70点以上の得点
●Ⅲ種(セルフケアコース)
・マークシート方式 2時間/100点 配点は100点 合格基準 70点以上の得点。
※採点方法は絶対評価基準である。ただし、Ⅰ種(マスターコース)については論述式があり、論述採点は相対基準と考えられる。

試験科目

Ⅰ種は9分野から、Ⅱ種は7分野から、Ⅲ種は5分野から出題される。

・Ⅰ種9分野
(1)企業経営におけるメンタルヘルス対策の意義と重要性 
(2)メンタルヘルスケアの活動領域と人事労務部門の役割 
(3)ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識 
(4)人事労務管理スタッフに求められる能力 
(5)メンタルヘルスケアに関する方針と計画 
(6)産業保健スタッフ等の活用による心の健康管理の推進 
(7)相談体制の確立 
(8)教育・研修 
(9)職場環境等の改善 
・Ⅱ種7分野
(1)メンタルヘルスケアの意義と管理監督者の役割
(2)ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
(3)職場環境等の評価および改善の方法
(4)個々の労働者への配慮 
(5)労働者からの相談の方法
 (話の聴き方、情報提供および助言の方法等)
(6)社内外資源との連携と労働者のプライバシーへの配慮
(7)心の健康問題で休業した労働者の職場復帰支援
・Ⅲ種5分野
(1)メンタルヘルスケアの意義
(2)ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
(3)セルフケアの重要性
(4)ストレスへの気づき方
(5)ストレスへの対処、軽減の方法
※2009年6月に法制面・指針・各種データの更新に合わせてテキストが一新された。また、I種では採点基準が修正された。

スケジュール

●試験実施
 ・Ⅰ種は年1回、例年11月上旬 
 ・Ⅱ種とⅢ種は年2回、例年3月と11月上旬
●受付期間
 ・Ⅰ種:9月中旬~下旬
 ・Ⅱ種とⅢ種:9月中旬~下旬、9月中旬~下旬
●合格発表
 ・Ⅰ種:1月上旬
 ・Ⅱ種とⅢ種:12月上旬、4月下旬

  2023年度メンタルヘルスマネジメント検定 公開試験日程(第35回・36回試験)

試験会場

札幌、仙台、さいたま、千葉、東京、横浜、浜松 、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、高松、福岡  
※この中から受験地を選択します。

受験料

・I種(マスターコース)11,550円
・Ⅱ 種(ラインケアコース)7,480円
・Ⅲ 種(セルフケアコース)5,280円
※併願可
※金額は税込み価格です。

問い合わせ先

メンタルヘルス・マネジメント検定試験センター http://www.mental-health.ne.jp/
 TEL06(6944)6141  info@mental-health.ne.jp

大阪商工会議所

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通信講座・eラーニング

メンタルヘルス 通信講座一覧

通学スクール・講座

商工会議所の「メンタルヘルス・マネジメント検定試験対策講座」


メンタルヘルス 通学講座一覧

教材(過去問集)

メンタルヘルス・マネジメント検定試験 Ⅰ種マスターコース 過去問題集<2019年度版>
メンタルヘルス・マネジメント検定試験 Ⅱ種ラインケアコース 過去問題集<2019年度版>
メンタルヘルス・マネジメント検定試験 Ⅲ種セルフケアコース 過去問題集<2019年度版>

教材(テキスト・参考書)

メンタルヘルスマネジメント検定試験対策教材一覧

【メンタルヘルス おすすめ教材】
TAC出版のメンタルヘルス・マネジメント検定対策教材
メンタルヘルス・マネジメント検定試験公式テキスト I種 マスターコース
メンタルヘルス・マネジメント検定試験公式テキスト Ⅱ種 ラインケアコース
メンタルヘルス・マネジメント検定試験公式テキスト Ⅲ種 セルフケアコース

 

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