資格名

建築CAD検定試験

資格の種類

民間検定試験

主催者

中間法人全国建築CAD連盟

資格試験の概要

建築CAD資格試験は、1993年わが国で初めて実施された実践型の建築CAD資格試験です。
現在は全国 490校を超える教育機関で導入されており、受験者数は団体受験と合わせると年間7,000名以上に上り建築系のCAD資格試験の中では受験者数・規模ともに、日本では最大級です。また、CADユーザーの技術能力レベルの全国基準化を図る唯一の手段として、CAD教育現場からは高い評価を得ています。
試験は、CADシステムを使って、建築用図面を描く技量を測る本格的な実践型検定試験で、CADソフトを使って正しくトレースできる技術を測る3級、建築図面の読解力を求められる2級、即戦力者として認定される准1級があります。
※4級は高校生の団体受験のみになります。



・3級・4級は、「実社会において設計者から詳細な指示が与えられれば、CADシステムで建築設計図を描ける(トレースできる)人材であるか」を判定されます。与えられた詳細な指示に対してどの程度正確なCAD操作能力を持ち備えているかを見る試験になります。
・2級は、「実社会において設計者から図面のラフスケッチを与えられれば、CAD システムで建築一般図を描ける人材であるか」を判定されます。参考図の中から、いくつかの2次元図面から立面図(あるいは断面図・ 展開図など)を作成する能力を試されます。また、平面図から平面詳細図を作成する試験も課せられます。
・准1級では、「実社会においてCADの即戦力者としての実力をも持ちつつ、さらにCADを上手に使いこなすための手段を独力で行い会得する知力を持ち備えている人材であるか」が判定されます。試験ではCADシステムはもちろんのこと、CAD操作のスピードとテクニックに関し自らの経験や努力で獲得した工夫を持ち備えていることが要求され、実社会で通常必要とされる能力ではなく、それ以上の実力を持ち合わせているかが試されます。

<表彰制度>
建築CAD検定における成績優秀者・団体に対して実施されている制度に「表彰制度」という制度があります。これは、3・4級が最低195点以上、2級が190点以上の得点を取 り、図面の完成度を協議した上で、最優秀賞、優秀賞を決めるという制度です。
最優秀団体賞は10名以上の受験者がいる団体を対象に、連盟が定める評価指数により各級1団体 を選び、合格率・合格者の平均点を協議した上で決まります。受賞者には賞状が授与されます。

合格率・資格難易度

難易度
  准1級     「B」  普通
  2級    「C」  やや易しい
  3級・4級  「D」 易しい

【資格の難易度レベル】
准1級は建築CAD検定試験の最上位の級です。一般のCAD技術者のレベルをはるかに超えた知識と能力を持ち備えたCADのスペシャリストです。准1級試験は課題図面をトレースする試験ですが、同じトレース試験の3級・4級とは試験の内容も性格も全く異なります。試験は図面の分量と密度は過去の一級建築士試験の設計製図試験とほぼ同じもので、建物の用途や特性から受験者が判断し、3時間30分で全図面を完成させる非常に難易度の高い試験です。准1級と2級の試験には難易度に大きな開きがあります。さらに3級・4級は難易度「D」レベルでCADの基礎です。
建築業界への就職・転職を目指す方や、建築CADオペレーター・CADデザイナーからさらにスキルアップを目指す方、一級建築士・二級建築士の資格取得を目指す方など、建築関連業界でのスペシャリストを目指す方に向いている試験でもあります。

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●合格率  
 2020年度建築CAD検定結果(合格率/受験者申込数)
准1級 2.0%/52名 2級 67.7%/3,911名 3級 64.8%/3,952名 

※参考データ
・2019年度第78回建築CAD検定結果(合格率/受験者申込数)
 准1級 24.5%/54名 2級 58.6%/4,185名 3級 71.7%/3,931名
・2018年度第77回建築CAD検定(合格率/受験申込者数)
 准1級 2.4%/47名 2級 52.1%/4,043名 3級 67.3%/3,917名
・2017年度第68回建築CAD検定合格者数
 合格者数 2級341名 3級329名 4級283名
・2016年度建築CAD検定試験結果 
   合格率 准1級12.2% 2級55.1% 3級72.1% 4級91.1%
・2015年度建築CAD検定試験結果 
   合格率 准1級35.7% 2級55.7% 3級78.6% 4級90.1%

受験対策・学習法ほか

建築CAD検定試験は、1993年にスタートし、総受験者数が3万人を越えた全国統一の建築CAD資格試験です。CADユーザーの技術能力レベルの全国基準化を図る唯一の手段として、日本の多くのCAD教育現場から高い評価を得ています。試験内容は汎用CADを用いて課題のCAD図面を一定時間内に完成させる実技試験が主ですが、CAD技術のみではなく基礎的な建築知識が必要な試験です。
一般的には、大学に通わないと取得するのが難しいと思われているようですが、実際のところはCAD資格の中では最も簡単に取得することができる資格で、試験もそれほど難しくはなく、合格率も非常に高いです。協会主催のセミナーや模擬テストを受講し、間違ったところ、できなかったところを繰り返し勉強します。特に提出課題の作成になれることが大切で、講座や資格の専門書を効果的に使えば独学でも一発で十分合格できます。「連盟主催の模擬テスト」や、「連盟発行の過去問集」の他に、「2010年度版建築CAD検定試験公式ガイドブック」などの教材を活用するといいでしょう。過去問、模擬テストなどを反復練習して問題に慣れることが合格への近道です。

また一方、この資格が日本の建築CAD資格のパイオニア的存在であることから、工業高校の受験が増加しています。設計事務所や、ゼネコン、ハウスメーカー、工務店などではいろいろなCADを駆使して設計業務が行われるため、そのような企業にとって、人材採用には当然、CAD技能・CAD資格の有無が重要なファクターとされます。実力次第では設計者などから頼りにされるスペシャリストになれる可能性もあります。ビルの施工など、CADを使った仕事を希望する人にとっては最適の資格で、受験者には設計事務所や建設会社で現在すでに働いている人、や将来、設計や建築業界に就職したい人が多いようです。



資格取得後は、建築、機械、電気、インテリアなど、さまざまな企業の設計部門やデザイン会社などで、図面やラフスケッチを元に、コンピューを使って、設計の規格で決められた記号や作図コマンドを入力して作図を行うなど、幅広く活躍できます。ただ、最近は2Dより3Dのほうが需要が多い傾向にありますので、そちらへ伸びるように努力した方が良いでしょう。
令和4年1月現在、この試験は全国720校の教育機関で実施され、総受験者は140,000名以上に達し、全国で非常に多くの有資格者が活躍しています。尚、建築CAD関係では、この試験よりさらに難易度上位に、「建築CADデザイナー資格認定試験」があります。

受験資格

受験に際しての規定はありません。  
※4級は高校生の団体受験のみです。

試験方式

 ●CADソフト
・試験では、汎用のCADソフトを使用します。  
※汎用CADとは、AutoCAD、AutoCAD LT、Jw_cad for Windows、Vector Works、DRA-CADなど、図面の自動生成機能を持たないCADソフトを指します。
 ●採点
・採点は、受験者が入力した図面を印刷し、その印刷したものを正解と重ね合わせ、トレース台に載せてチェックします。
 ●受験方法
・受験方法は、次の(1)、(2)のいずれかを受験者が選択します。
(1)会場機器使用
試験会場設置のパソコンを使用して受験する。(使用できるCADソフトは会場ごとに異なります)
(2)パソコン持込み
自分のノートパソコンを持込んで受験する。(電源は会場にて用意)

 ●一般受験実施要項(級別問題数と試験時間)
 ・准1級
   図面数4枚/(実技4時間10分 設定10分/準備30分 作図3時間30分)
 ・2級
   図面数2枚/実技5時間
 ・3級
   4問/実技2時間

※受験する級は何級からでも構いません、自分のスキルに合った級を受験できます。
※4級試験は高校の団体受験のみ実施のため、一般の方は受験できません。
※団体受験を受ける機会がない人は、年2回の一般受験を受けることが出来ます。この受験方法は、会場にあるPC・CADソフトを使うか、ノートPCを持参して受けることが出来ます。(要確認) 

試験科目

 ●准1級
課題として与えられた建築図面(RC構造等)を、自らの建築製図知識とCADの経験を駆使したうえ、建造物の特性を理解した適切な判断によるトレースを行なってこれを完成させる。試験は実技試験で、例に示す建築一般図を4面作成する。
 ●2級
自らの持つ建築知識をもとに、CADシステムを使って建築図面を作成する実力を備えているかを問う。試験は実技試験で、一定時間内に下記の例に示す建築一般図を2面作成する。
 ●3級
与えられた建築図面をCADシステムを使って正しくトレースする実力を備えているかが問われる。試験は実技試験で、建築図面の要素を取り出して作成した参考図をもとに、完成図を一定時間内に作成する。問題数は4題。
 ●4級  ※高校による団体受験のみ
与えられた建築図面をCADシステムを使って正しくトレースする実力を備えているかが問われる。
試験は実技試験で、建築図面の要素を取り出して作成した参考図をもとに、完成図を一定時間内に作成する。問題数は3題。

スケジュール

●試験実施
   (一般受験 2級・3級)4月 10月
   (一般受験 准1級)10月
●申込期間
     4月試験:1月下旬~3月上旬    
   10月試験:7月下旬~9月上旬
申し込み方法ほか

2023年度(第92回・94回)建築CAD検定試験 一般受験日程   

試験会場

受験会場一覧(全国32都道府県 約50会場)
※会場によって設置CADソフトの種類及び試験実施級が異なります。

受験料

准1級 14,400円    
2級・3級 10,300円(各税込)

問い合わせ先

一般社団法人 全国建築CAD連盟  http://www.aacl.gr.jp/
〒461-0008 名古屋市東区武平町5丁目1番地 名古屋栄ビルディング7階
   電話:052-962-5544 FAX:052-962-5570

【以下の各項には一部広告が含まれています。】

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【建築CAD検定 おすすめ教材】
2020年度版CAD利用技術者試験2次元2級・基礎公式ガイドブック
2020年度版CAD利用技術者試験2次元1級(建築)公式ガイドブック
※いづれも准1級、2級、3級、4級(AutoCAD、Jw_cad対応)対応版があります。

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