資格名

下水道技術検定試験

資格の種類

民間検定試験

主催者

地方共同法人 日本下水道事業団

資格試験の概要

下水道の設計、工事の監督管理及び維持管理は、下水道法及び下水道法施行令の規定により、学歴に応じた一定の下水道に関する技術上の実務経験を有する者、技術士(上下水道部門)の合格者等に行わせなければならない、とされているため、事業を実施するにはこのような有資格者を確保する必要があります。 
一方、下水道技術検定は有資格者の早期確保などを目的に創設された制度で、合格した場合は下水道法第22条の資格取得について必要とされる実務経験年数を短縮する特例が認められています。 従って、この検定試験は下水道の設計、工事の監督管理及び維持管理において従事する技術者の実務経験短縮のために行われる検定試験になっています。 試験の合格者は下水道の設計、工事の監督管理及び維持管理を行うために必要とされる実務経験年数が短縮されます。
尚、下水道維持管理業者の登録を受けたい業者は、第3種下水道技術検定に合格した所定の実務経験者を営業所ごとに置かねばなりません。また、民間委託する場合は、民間事業者が下水処理場等の運転操作等の維持管理を行うことになるため、民間事業者側に有資格者を置かねばなりません。

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検定試験の種類は、技術の内容に応じて「第1種技術検定」「第2種技術検定」「第3種技術検定」の3つの区分があります。
◆試験の区分:
 ・第1種技術検定 :下水道の計画設計を行うために必要とされる技術
 ・第2種技術検定 :下水道の実施設計及び工事の監督管理を行うために必要とされる技術
 ・第3種技術検定 :下水道(処理施設、ポンプ施設)の維持管理を行うために必要とされる技術
第1種は下水道の計画設計、第2種は実施設計および施工管理、第3種は維持管理において必要とされる資格です。 令和3年度までの合格者総数は61,537人となっています。
・登録を受けようとする業者は、第3種技術検定に合格した後、一定の実務経験を有する者等を置くこととされています。 
・平成18年3月の関係法令の改正により、認定試験(処理施設)合格者は第3種技術検定合格者と同一に取り扱われることになっています。
(参考)
「下水道技術検定」とよく似た名称の資格に「下水道管理技術認定試験」があります。
下水道技術検定は有資格者の早期確保等を目的に創設された資格ですが、下水道管理技術認定試験は管路施設の維持管理業務に従事する者の技術力の向上を図ることを目的にした資格で、管路施設の維持管理において、一定水準以上の技術力を有しているかを認定する試験です。

合格率・資格難易度

難易度
  1種  「A 」 難関  
  2種  「B」 普通  
  3種  「C」 やや易 

【資格の難易度レベル】
下水道技術検定1種は合格率を見てもわかる通り、記述問題もあり、かなりの難関試験です。出題は下水処理や工場排水、下水道設計などに関する専門的な問題が多くなります。3種は数学問題が一つのポイントになる試験です。試験方式は選択肢式ですが合格率からみる場合、民間資格でも30%を切るくらいの試験になると、甘く考えるのは危険です。過去問を十分に繰り返し、きちっとした対策を取らねばなりません。2種試験に関しては、当然3種より難易度は高いですが、近年は合格率が上がり、問題も少し易しくなった傾向があります。決して難しいレベルの試験ではありません。過去問を中心にしっかりと試験対策を行えば独学でも突破できる試験です。

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 ●合格率 
 令和4年第48回下水道技術検定(第1種)試験結果
  第1種試験 合格率11.5%  受験者数87名 合格者数10名
 令和4年第48回下水道技術検定(第2種・3種)試験結果
  第2種試験 合格率34.8% 受験者数854名 合格者数297名
  第3種試験 合格率32.2% 受験者数4,744名 合格者数1,527名

※参考データ
・令和3年第47回下水道技術検定(第1種)試験結果
  第1種試験 合格率18.7%  受験者数75名 合格者数14名
 令和3年第47回下水道技術検定(第2種・3種)試験結果
  第2種試験 合格率28.7% 受験者数901名 合格者数297名
  第3種試験 合格率35.5% 受験者数4,935名 合格者数1,751名
・令和2年第46回下水道技術検定(第1種)試験結果
  第1種試験 合格率16.4%  受験者数73名 合格者数12名
 令和2年第46回下水道技術検定(第2種・3種)試験結果
  第2種試験 合格率28.7% 受験者数848名 合格者数243名
  第3種試験 合格率33.0% 受験者数4,649名 合格者数1,536名
・令和元年第45回下水道技術検定(第1種)試験結果
  第1種試験 合格率12.3%  受験者数65名 合格者数8名
 令和元年第45回下水道技術検定(第2種・3種)試験結果
  第2種試験 合格率27.7% 受験者数882名 合格者数244名
  第3種試験 合格率27.2% 受験者数4,886名 合格者数1,330名

受験対策・学習法ほか

受験対策に関しては、3種試験は試験方式もマークシートで選択式でもあり、それほど難解な試験ではありませんので、過去問中心の対策が向いています。出題数は法規/9問、下水処理/16問、工場排水/6問、運転管理/23問、安全管理 /6問で、下水道法や下水汚泥の処理施設、処理方法がメインになる試験です。 3種の下水道技術検定は、もともとは公共団体職員向けの検定試験でしたが、民間委託が増えたため、管理技術認定試験(処理施設)と3種の試験が一緒になりました。このような経緯から下水処理施設の運転に関する試験と思えばいいでしょう。第1種と第2種は互換性がありますが第3種は別物と考えてください。

1種の試験対策は 専門用語を完璧にと覚えて、過去問を徹底して克服するしかないでしょう。講習会の受講も効果的です。 いづれも過去の問題をできるだけ多く勉強するのが合格の近道だと思います。ただ、第1種は第2種の上位資格となりますが、下水道の新規事業計画を行う際に必要となる資格なので、試験が難しい割には資格試験としての大きなメリットは期待できないのが残念なところです。また技術士(建設・水道)試験と比較されることがありますが、技術士試験は実務とはかけはなれたところの試験ですが、下水道技術検定試験は実務に沿って問題が出題されている試験という違いがあります。 

下水道技術検定のメリットの一つにキャリヤアップに幅広く活用できるところがあります。工事・設計系の人なら下水道第2種→第1種→技術士(建設・水道・衛生工学)又はRCCM。また メンテナンス系の人なら下水道第3種→公害防止管理者水質1種→環境計量士→技術士(水道・衛生工学・環境)などのコースが考えられます。また将来性でのメリットという面では、下水道技術者は主に下水道事業団や地方自治体の指定工事店、民間の排水処理施設に所属し、下水処理施設の維持管理や整備計画・設計、工事監理などをおこなう仕事に従事しますので、下水道の設計、工事の監督管理及び維持管理に関連する事業を行うには法令により有資格者を確保する必要があるため、将来的なニーズが安定している資格であることが挙げられます。

※注意
当事業団が主催する検定試験には、この「下水道技術検定」と「下水道管理技術認定試験」があります。名称が良く似ていますが、この認定試験は、下水道管路施設の維持管理業務に従事する技術者の技術力を判定し認証する試験で、管路施設維持管理と技術者の技術水準の向上を目的とした試験です。管路施設の維持管理業務に従事している人なら誰でも受験できます。

受験資格

制限なし。だれでも受験できます。

試験方式

・第1種技術検定 
  多岐選択式+記述式  試験時間:7時間
・第2種技術検定 
  多岐選択式  試験時間:3時間15分
・第3種技術検定 
  多岐選択式  試験時間:2時間15分

試験科目

●第1種技術検定 下水道の計画設計を行うために必要とされる技術。 
①下水道計画
下水道の配置、構造および能力に関する計画を策定するために必要な知識を有すること
②下水道設計 
下水道ならびに下水道に設けられる機械設備、および電気設備の機能および構造に関する一般的な知識を有すること。下水道の強度計算及び構造計算に必要な知識を有すること。下水道工事の施工法に関する一般的な知識を有すること。下水道の設計図書に関する一般的な知識を有すること。
③施工管理法
下水道工事の施工計画の作成方法および工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理方法に関する一般的な知識を有すること 
④下水処理 
下水、汚泥等の処理に関する一般的な知識を有すること
⑤法規
下水道関連法規に関する一般的な知識を有すること
●第2種技術検定 下水道の実施設計及び工事の監督管理のために必要とされる技術。
①下水道設計 
  上記第1種と同じ
②施工管理法
  上記第1種と同じ
③下水処理 
  上記第1種と同じ
④法規
  上記第1種と同じ
●第3種技術検定 下水道の維持管理を行うために必要とされる技術。 
①下水処理
  上記第2種と同じ 
②工場廃水
工場および事業場からの排水、ならびに排水が下水道に与える影響に関する一般的な知識を有すること。除害施設の機能及び構造に関する一般的な知識を有すること   
③運転管理 
処理施設およびポンプ施設の運転その他の管理に必要な知識を有すること
④安全管理 
処理施設およびポンプ施設の安全管理に関する一般的な知識を有すること
⑤法規
  上記第2種と同じ

試験科目の詳細

スケジュール

・試験日:11月中旬 第二日曜日(年1回)
・申込期間:6月下旬~7月下旬
・合格発表:第1種 翌年2月 第2種・第3種 12月中旬

  令和5年度下水道技術検定試験日程

令和5年度の試験日程・実施要項については、例年通り5月の連休明けに、
官報へ公告されるとともに弊社ホームページに掲載されます。

試験会場

札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、鹿児島及び那覇

受験料

・第1種:12,300円(税込)
・第2種・第3種:各9,200円(税込)

問い合わせ先

地方共同法人 日本下水道事業団  048-421-2076 
〒335-0037 埼玉県戸田市下笹目5141 
http://www.jswa.go.jp/index.html

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通信講座・eラーニング

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通学スクール・講座

協会主催の研修講習会

教材(過去問集)

下水道技術検定過去問集(日本下水道事業団)

下水道検定過去問(市販品)

教材(テキスト・参考書)

下水道技術検定試験対策教材一覧

【下水道技術検定 おすすめ教材】
第3種技術検定試験対策
 ・2022-2023年版 下水道第3種技術検定試験 合格テキスト
 ・2022-2023年版 下水道第3種技術検定試験 攻略問題集
第2種技術検定試験対策
 ・下水道第2種技術検定試験 標準テキスト
 ・下水道第2種技術検定試験 合格問題集(第2版)

関連情報

【資格の難易度情報】
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●試験関連情報
下水道技術検定は、毎年1回全国の主要11都市でを行われていますが、試験の日程・実施場所は、管理技術認定試験と同一となっています。

●関連資格
 下水道管理技術認定試験